患者から副作用情報を受ける方策に関する調査研究

文献情報

文献番号
200940067A
報告書区分
総括
研究課題名
患者から副作用情報を受ける方策に関する調査研究
課題番号
H21-医薬・一般-021
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
望月 眞弓(慶應義塾大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 土橋 朗(東京薬科大学)
  • 岡崎 光洋(北海道薬科大学)
  • 久保田 潔(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、我が国は企業、医薬関係者からの副作用報告制度を有しているが、患者から直接副作用を報告する仕組みは持っていない。諸外国では2000年代に入り、患者の医療参画意識の向上とともに、患者から副作用報告を直接収集する制度が広く導入されてきている。医薬関係者を介さない患者からの副作用報告は、患者の生の声が収集でき、既知・未知を問わず報告される可能性があり、患者の医療参画意識の向上にもつながり、積極的に収集する価値がある。そこで我々は患者から副作用情報を受ける仕組みとその導入における課題と解決策を検討するを目的とした。
研究方法
平成21年度は、下記の4課題について調査研究を分担して実施し、総括検討会において副作用報告シートの質問項目、報告をより多く受けるための補助的な仕組みなどについて検討した。
1)副作用に関する消費者および医師・薬剤師の意識調査と副作用報告シート案の検討
2)欧米における患者からの副作用報告の現状に関する調査
3)より正確な副作用情報を患者から取得するための質問項目の検討
4)インターネットによる副作用報告収集システムの開発
5)収集したデータ(副作用情報)の処理・解析方法の検討
結果と考察
患者からの副作用自発報告を収集するシステムについて検討した結果、被疑薬名、アウトカム情報(副作用症状)、被疑薬の使用開始日および中止日、副作用発現時の使用状況、併用薬、合併症などの項目を有する必要があること、情報の正確性をあげたり、報告者を増やしたりするための方策が必要であること、情報の蓄積と解析にはWebシステムが効率的であることなどが明らかとなった。なお、システムを運用する際には相談対応、情報フィードバック体制も検討課題である。次年度はこれらの課題について具体的に検討していく予定である。 
結論
諸外国の例を参考に日本で患者から直接副作用報告を収集するための報告様式案およびWeb収集システムのプロトタイプが作成できた。

公開日・更新日

公開日
2010-06-07
更新日
-