文献情報
文献番号
202408008A
報告書区分
総括
研究課題名
国民健康づくり運動の推進に向けた飲酒の社会的影響に関するエビデンスの創出
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1012
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
池原 賢代(国立大学法人 琉球大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 磯 博康(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター)
- 山岸 良匡(順天堂大学大学院医学研究科)
- 金城 文(田原 文)(鳥取大学 医学部)
- 髙田 碧(名古屋大学大学院医学系研究科)
- 澤田 典絵(倉橋 典絵)(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所コホート研究部)
- 川崎 良(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
3,840,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動
研究代表者 池原賢代
大阪大学(令和4年4月1日~6年8月31日)
→琉球大学(令和6年9月1日以降)
研究分担者の追加
研究分担者 川崎良(令和6年10月3日以降)
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の最終年度である今年度は、既存コホートにおける実態調査及び若い成人を含む飲酒状況の実態調査、既存資料を用いた社会的損失の推計をさらに進めるとともに、飲酒状況と循環器疾患発症との関連に関する研究の推進を行い、昨年公表された飲酒ガイドライン及び令和6年度開始健康日本21(第三次)の推進へ寄与することを目的とした。
研究方法
実態調査については、若い成人を含む飲酒状況の実態調査を行い、その集計を行った。また、既存コホート研究であるJPHC-NEXT研究のベースライン調査及び5年後調査データを用いて、性別に飲酒状況の背景要因の集計を行った。
アルコール関連問題のコスト推計については、年次推移を確認するため、既存資料より2017年の推計に加え、2014年の推計を行った。
飲酒状況と循環器疾患発症との関連に関する研究については、CIRCS研究において、大量機会飲酒を考慮した飲酒量と脳卒中発症リスクとの関連に関して解析し、論文発表を行った。
アルコール関連問題のコスト推計については、年次推移を確認するため、既存資料より2017年の推計に加え、2014年の推計を行った。
飲酒状況と循環器疾患発症との関連に関する研究については、CIRCS研究において、大量機会飲酒を考慮した飲酒量と脳卒中発症リスクとの関連に関して解析し、論文発表を行った。
結果と考察
若い成人を含む飲酒状況の実態調査を行った結果、40歳未満と40歳以上では飲酒頻度、飲酒量、大量飲酒の状況が異なり、若い世代での問題飲酒が多い傾向があった。JPHC-NEXT研究における実態調査では、男女別に飲酒状況の背景要因の特徴を調べた結果、飲酒状況別の社会経済状況や社会的サポートの状況について男女で異なる傾向が示された。アルコール関連問題のコスト推計については、2014年及び2017年の推計を行ったところ、2014年3兆314億円~5兆4,544億円、2017年2兆9,623億円~5兆5,403億円と推計された。CIRCS研究における大量機会飲酒を考慮した飲酒量と脳卒中発症リスクとの関連に関して解析した結果、平均摂取量が低~中等量であっても、大量機会飲酒を伴う群では脳卒中のリスクが有意に高いことが明らかとなった。
本研究では研究計画に沿って、実態調査及びアルコール関連問題の社会的影響の推計、飲酒状況と循環器疾患発症との関連に関する研究の推進を行った。実態調査では、若い世代における飲酒量や大量飲酒など問題飲酒が多く、また、男女で飲酒状況の背景要因の傾向が異なっていた。今後さらにアルコール健康障害対策を進める上で、若い世代や飲酒状況の様々な背景要因を明らかにするために実態調査の拡充が求められた。
既存資料を用いたアルコール関連問題のコスト推計では、先行研究の手法を参考に昨年度検討した方法により、2014年、2017年について推計値を示され、このようなコスト推計はアルコール関連問題を低減する施策のモニタリング指標として活用ができる可能性が示唆された。さらに、大量機会飲酒を考慮した飲酒量と脳卒中発症リスクとの関連の結果から、平均的な飲酒量だけでなく、大量機会飲酒などの飲酒パターンを考慮することの重要性が示唆された。
本研究では研究計画に沿って、実態調査及びアルコール関連問題の社会的影響の推計、飲酒状況と循環器疾患発症との関連に関する研究の推進を行った。実態調査では、若い世代における飲酒量や大量飲酒など問題飲酒が多く、また、男女で飲酒状況の背景要因の傾向が異なっていた。今後さらにアルコール健康障害対策を進める上で、若い世代や飲酒状況の様々な背景要因を明らかにするために実態調査の拡充が求められた。
既存資料を用いたアルコール関連問題のコスト推計では、先行研究の手法を参考に昨年度検討した方法により、2014年、2017年について推計値を示され、このようなコスト推計はアルコール関連問題を低減する施策のモニタリング指標として活用ができる可能性が示唆された。さらに、大量機会飲酒を考慮した飲酒量と脳卒中発症リスクとの関連の結果から、平均的な飲酒量だけでなく、大量機会飲酒などの飲酒パターンを考慮することの重要性が示唆された。
結論
本研究では研究計画に沿って、実態調査及びアルコール関連問題の社会的影響の推計、飲酒状況と循環器疾患発症との関連に関する研究の推進を行い、昨年公表された飲酒ガイドライン及び令和6年度開始健康日本21(第三次)の推進に寄与できたと考える。
公開日・更新日
公開日
2025-08-27
更新日
-