文献情報
文献番号
202408007A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性閉塞性肺疾患患者における加熱式たばこの経年的な肺機能への影響に関する前向き観察研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1011
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
横山 彰仁(高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部門)
研究分担者(所属機関)
- 杉浦 久敏(東北大学 大学院医学系研究科)
- 平井 豊博(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科)
- 室 繁郎(奈良医大 医学部 呼吸器内科)
- 井上 博雅(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科)
- 川山 智隆(久留米大学 医学部 内科学講座 呼吸器・神経・膠原病内科部門)
- 柴田 陽光(山形大学医学部第一内科)
- 田坂 定智(弘前大学 医学部)
- 髙松 和史(高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
6,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
慢性閉塞性肺疾患(COPD)はタバコ煙を主とする有害物質に長期間曝露することで生じる肺疾患である。近年は紙巻きたばこに比べて有害物質が少ないとされる加熱式たばこや電子タバコのような新型たばこが流通し、危険性の低減効果の有無が注目されている。しかしながら、加熱式たばこの長期暴露による健康被害の有無や既存肺疾患への影響は未だ明らかになっていない。そのため、本研究ではCOPD患者を対象に、加熱式たばこによる疾患修飾効果について観察研究を行った。
研究方法
対象はCOPD患者もしくはそれに準ずる患者で、肺機能検査やアンケートに回答できないものは除外した。令和5年1月から症例登録を開始した。症例は電子症例登録システムで登録、管理を行った。令和7年2月末まで症例の登録を行った。事前アンケートに回答した全国21施設において多施設共同前向き観察研究を行ったが、加熱式を喫煙するCOPD患者は事前アンケートよりも極めて少なく、登録に難渋した。本年度はこれまでの登録患者の経過をできるだけ多く電子登録いただけるよう努力し、最終的に加熱式たばこ40名、紙巻きたばこ50名、禁煙群74名の計164名が解析対象となった。
結果と考察
主要評価項目である経年的な1秒量の低下については、加熱式たばこ群で54.2±128ml、紙巻たばこ群で48.5±107ml、禁煙群で35.6±113mlと加熱式たばこ群、紙巻きたばこ群で禁煙群より低下が大きい傾向であったが、統計学的有意差には至らなかった。COPDの年間の増悪頻度(100人年あたり)は加熱式たばこ群で12.5回、紙巻たばこ群で10回、禁煙群で4回と、加熱式たばこ群と紙巻きたばこ群で頻度が多い傾向であった。また併存症に関しては、加熱式たばこ群では1年間のフォローで悪性疾患1名、大動脈解離・大動脈瘤1名、高血圧1名、気管支喘息1名と少なくない新規発生が認められた。
結論
結論として、加熱式たばこ群では禁煙群より経年的な1秒量の低下や増悪回数が多い傾向であり、加熱式たばこはハームリダクションとなりうるとされるが、COPD患者に対して、加熱式たばこは紙巻たばこと有害性は同等程度と考えられ、ハームリダクションとはならないものと考えられた。
公開日・更新日
公開日
2026-02-13
更新日
-