献血推進のための効果的な広報戦略等の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200940064A
報告書区分
総括
研究課題名
献血推進のための効果的な広報戦略等の開発に関する研究
課題番号
H21-医薬・一般-018
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 秋田 定伯(長崎大学病院)
  • 掛川 裕通(日本赤十字社 人事部)
  • 田辺 善仁(株式会社 エフエム大阪)
  • 山口 繁(日本赤十字社 血液事業本部)
  • 田中 純子(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,390,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医学の進歩によって臓器移植が可能になるなど、治療における血液の需要はますます高まる傾向にあるが、その一方で、献血者数、特に若年層での減少が指摘され、献血液の確保が大きな課題となっている。献血液の安全については、わが国の献血液は非常に優れた検査によって安全な血液が選別されており、わが国は世界でも類を見ないくらい安全な輸血液を供給できていると考えられる。しかしながら、献血者での例えば年間HIV陽性数および陽性率の上昇が引き続き指摘されている。本研究の目的は、今後の安全な血液の確保のために、献血の実情を明らかにし、献血離れの現象があるとすればその原因の解明、献血推進に向けた効果的広報を開発する事にある。
研究方法
本研究では、献血液の需要と供給状況をまず把握すると共に、並行して効果的広報戦略に付き研究を進める。1)需要者側の輸血に必要な血液のニーズ、2)献血者、特に若年層における献血の実態、3)献血者、特に若年層における献血行動の促進因子と阻害因子、4)これまで実施された献血促進の広報の戦略。次に、以上の研究と並行して、5)対象とする年齢層、例えば、若年層への献血行動促進に向けた広報の戦略を立案し、1)から4)の結果を踏まえた広報を戦略的に展開する。6)最終的に、広報前後での献血行動の分析から広報の効果を評価する事とする。
結果と考察
次の研究事業を実施した。1)輸血により救命あるいは治療を実施されQOLを大きく向上できた献血液の受益者本人および家族の意識調査を実施、献血の有用性と需要を明らかにできた。2)若年層における献血の実態を明かにし、献血行動の促進因子と阻害因子の検討を進めた。3)日本赤十字社の広報戦略を踏まえ、今後の献血推進のための広報戦略を検討、特に若年層をターゲットとした献血行動促進に向けた広報の戦略を立案した。以上の研究結果を踏まえ、一部広報を戦略的に展開を試みられた。4)モデルとなる献血室での献血数等をモニター、献血者の属性毎の献血数の分析やアンケート調査などが可能な体制は一部整えた。研究班での検討を参考として、研究分担であるFM大阪の協力の下、研究分担の日本赤十字社で戦略的広報を開始し、広報の効果について評価を行った。
結論
献血による輸血の治療を受けた患者および家族へのアンケートから献血と輸血の重要性が再認識された。献血推進に向けた広報の開発によって一定の効果がある事が解析によって明らかにされた。これらの成果は広報担当者にフィードバックする事によって、新たな広報開発に繋げられると考える。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-