健康づくりのための身体活動・運動の実践に影響を及ぼす原因の解明と科学的根拠に基づく対策の推進のためのエビデンス創出

文献情報

文献番号
202408004A
報告書区分
総括
研究課題名
健康づくりのための身体活動・運動の実践に影響を及ぼす原因の解明と科学的根拠に基づく対策の推進のためのエビデンス創出
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 亨(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 茂(東京医科大学公衆衛生学分野)
  • 岡 浩一朗(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 小熊 祐子(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科)
  • 小野 玲(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部)
  • 中田 由夫(筑波大学 体育系)
  • 原田 和弘(神戸大学 人間発達環境学研究科)
  • 宮地 元彦(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
16,860,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本年度は以下の課題に取り組んだ。
1)身体活動・運動量を減少させる社会人口統計学的要因の特定
2)身体活動・運動量の増加及び座位行動の減少策の検討
3)安全に運動指導をおこなうためのソフトおよびハード要件の解明
4)身体活動・座位行動指標の評価法の開発および妥当性の検討
5)妊産婦の身体活動ガイドライン(案)作成 
6)身体活動指針の認知度と国民の行動変容の関係解明
7)身体活動・運動による健康効果の機序解明
8)新しい身体活動・運動ガイド作成支援
研究方法
1)① 身体活動・運動量の推移に関する要因を明らかにするために国民健康・栄養調査データを分析。② 都市類型で身体活動・運動量に関する社会人口統計学的、地域環境要因を明らかにする分析。
2) 場面・強度別身体活動時間、総座位時間、ガイド遵守と主観的活力感について1,756人を対象に横断調査を実施。
3)① 余暇活動中の有害事象に関するスコーピングレビューを実施。② ガイドを基にした健康チェックを41施設で実施し、使用感を調査。③安全管理に必要なハード要件を整理。④494施設を対象に利用者の健康チェック体制、有害事象発生状況に関する調査を実施。
4) ① 座位行動の評価手法や健康アウトカムとの関連についてナラティブレビューを実施。② 国内の歩数計と活動量計に関する機種別の特徴を整理。③ 国民健康・栄養調査で使用している振り子式歩数計と活動量計を比較。
5) 国内外の研究を詳細にレビューし、妊産婦を対象とした身体活動指針を作成するための情報を収集。
6) ① 身体活動指針の認知実態や受け止め、身体活動の行動変容に及ぼす影響を調査。② 社会調査会社の2,256人を対象に身体活動増加の最大許容時間を調査。③ 47都道府県の保健部門を対象にガイドの認知と活用実態を調査。④⑤⑥ 健康運動指導士、理学療法士、医師を対象に身体活動指針の認知および活用の実態調査。
7)最高酸素摂取量の加齢に伴う縦断的変化について、同一個人の反復測定による縦断解析を用い、加齢による変化を明らかにするとともに、これまでの横断研究と比較。
8)本研究の成果を基に新しい身体活動・運動ガイド作成を支援。
結果と考察
1)歩数は性、年齢階級、地方、都市規模別すべての層で減少。運動量は女性、65歳未満の成人、小都市で減少。高齢者、非就労者などの人口統計学的要因、近隣環境要因として身体活動支援環境が整っていないと総歩行時間が短かった。良好な地域環境は、身体活動促進や運動実践の推進においても有用であった。
2)総座位時間が長いことは主観的活力感が低いことと関連。場面・強度別に評価した身体活動指標においては、各種身体活動時間が長いことは主観的活力感が高いことと関連。ガイドの推奨値を満たしていることと主観的活力感が高いことが関連。
3) ソフト面は、運動前の健康チェックやリスク層別化の標準化、運動指導者の教育・啓発が必要で、ハード面は、緊急対応物品の整備と定期的な訓練、転倒予防や重大事故対応のための基準策定が必要。
4) ① 研究課題を指摘。② 国内34機種のうち、振り子式歩数計は3機種で、その他は加速度式。活動量計はすべて歩数キャンセル機能を備えていたが、設定条件にはメーカー間で差異あり。③ 国民健康・栄養調査で使用されている振り子式歩数計は、加速度計を内蔵した2機種と比べて、全体的に歩数が少なく計測された。
5) 1次・2次スクリーニングで57件を抽出。これらの研究成果と国内外のガイドライン等における推奨事項を踏まえて妊産婦を対象とした身体活動ガイドライン(案)を作成。
6) ① 2022~2024年度の身体活動指針の認知率は14.3%~18.4%。身体活動指針を読んだ際の受け止めは全体として良好だが、受け止め方が低調な者は情報の分量や明瞭さ・簡潔さ等に問題意識を持っていた。身体活動指針の認知は、指針の知識や身体活動の行動意図には好影響をもたらす。② およそ半数(48.2%)は、1日15分の身体活動増加を許容。③ 都道府県の健康増進計画策定時にガイドの内容を知っていた割合は78.9%。④⑤⑥ 健康運動指導士は90%以上の高い認知率。理学療法士の認知率は19.3%、知識の正答率は4.2%にとどまり、臨床での活用は限定的。医師におけるガイドの認知度は高くなく、一部の医師が診療の場等で使用していたのみ。
7) 加齢に伴い最高酸素摂取量は減少し、最高酸素摂取量の低下速度は女性よりも男性の方が大きいことが示唆。
8)新しい身体活動・運動ガイドの作成を支援するとともに、さまざまな啓発資料を作成。
結論
本年度は最終年度として、健康づくりのための身体活動・運動の実践に影響を及ぼす原因の解明と科学的根拠に基づく対策の推進のためのエビデンスを創出し、ガイドの内容を国民に周知するさまざまな資料を作成した。

公開日・更新日

公開日
2025-12-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2025-12-08
更新日
-

文献情報

文献番号
202408004B
報告書区分
総合
研究課題名
健康づくりのための身体活動・運動の実践に影響を及ぼす原因の解明と科学的根拠に基づく対策の推進のためのエビデンス創出
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 亨(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 茂(東京医科大学公衆衛生学分野)
  • 岡 浩一朗(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 小熊 祐子(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科)
  • 小野 玲(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部)
  • 中田 由夫(筑波大学 体育系)
  • 原田 和弘(神戸大学 人間発達環境学研究科)
  • 宮地 元彦(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
身体活動の推奨は国民健康づくり対策における主要な柱の一つであり、これまで、身体活動推奨の方向性を明確にするための指針が策定されてきた。2024年度からスタートした次期国民健康づくり対策である健康日本21(第三次)を根拠に基づく政策立案(EBPM)に基づいて推進するためには、これまで同様に身体活動に関する指針を最新のエビデンスに基づいて改定するとともに、誰一人取り残すことなく(Inclusion)、より実効性をもつ取り組みを推進していく(Implementation)ことが重要である。そこで本研究班は、健康づくりのための身体活動・運動の実践に影響を及ぼす原因の解明と科学的根拠に基づく対策の推進のためのエビデンスを創出することを目的に、各研究班および研究班全体で以下の課題に取り組んだ。そして、それぞれの研究成果を基に、専門家に向けて作成された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」および一般の方に向けて作成された「アクティブガイド2023」をサポートし、健康日本21(第三次)の目標達成に資する啓発資料を作成した。
研究方法
各研究班が下記の課題に取り組んだ
 1)身体活動・運動量を減少させる社会人口統計学的要因の特定(井上班)
 2)身体活動・運動量の増加及び座位行動の減少策の検討(岡班)
 3)安全に運動指導をおこなうためのソフトおよびハード要件の解明(小熊班)
 4)身体活動・座位行動指標の評価法の開発および妥当性の検討(小野班)
 5)妊産婦の身体活動ガイドライン(案)作成(中田班)
 6)身体活動指針の認知度と国民の行動変容の関係解明(原田班)
 7)身体活動・運動による健康効果の機序解明(宮地班)
 8)身体活動・運動ガイドの内容を国民に周知するための啓発資料作成(研究班全体)
結果と考察
健康日本21(第三次)の目標達成に資する啓発資料として下記の資料を作成した。
1.シンボルマークとアクションワード
 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の推奨事項を一般の人にわかりやすく伝えるとともに、身体活動を推進する専門家の啓発指導に使ってもらうことを目的としたシンボルマークとアクションワードを作成した。
(1)スイッチ・テン(SW10)
(2)ブレイク・サーティー(BK30)
2.スマートホン掲載用身体活動・運動啓発資料
 一般の方に向けて作成された「アクティブガイド2023」はA4用紙に印刷したうえで三つ折りにして使用するものであるが、スマートフォンでも「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」に係る推奨事項を啓発できる資料を作成した。
(1)成人のための身体活動のポイント:SW10とBK30で、もっと元気に健康に 2025年版
(2)高齢者のための身体活動のポイント:SW10とBK30で、もっと元気に健康に 2025年版
(3)こどものための身体活動のポイント:こどもの毎日をアクティブに!
(4)働く人のための身体活動のポイント:SW10とBK30で、もっと元気に健康に 2025年版
(5)元気と健康のために4つの場面で考えて歩数をアップ
(6)元気と健康のための運動習慣:運動習慣を計画する4つのポイント
(7)元気と健康のための筋トレ
(8)元気と健康のために座りすぎを減らそう
3.ホームページ掲載用身体活動・運動啓発資料
 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」における推奨事項を補強することを目的とした啓発資料を作成した。
(1)厚生労働科学研究班版RECOMMENDATION:働く人版
(2)厚生労働科学研究班版RECOMMENDATION:妊娠中および産後の女性版
(3)厚生労働科学研究班版INFORMATION:アクティブガイドの認知と身体活動
(4)慢性疾患を有する人のための身体活動・運動のポイント:SW10とBK30で、元気に健康に 2025年版
(5)もっと元気に、健康になるためにからだを動かそう!
4.英語版資料
(1)Physical Activity Guide for Health Promotion 2023
※「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の英訳版
(2)Key Points for Physical Activity for Adults
※「(1)成人のための身体活動のポイント:SW10とBK30で、もっと元気に健康に 2025年版」の英訳版
(3)Let's get moving!
※「もっと元気に、健康になるためにからだを動かそう!」の英訳版
結論
本研究によって作成された啓発資料が、健康日本21(第三次)における身体活動・運動分野の取り組みを推進している、健康づくりに関わる専門家、政策立案者、職場管理者、その他健康・医療・介護分野における身体活動を支援する関係者のみならず一般の方にも広く周知・活用されることが重要である。

公開日・更新日

公開日
2025-12-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

総合研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2025-12-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202408004C

収支報告書

文献番号
202408004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
21,918,000円
(2)補助金確定額
21,913,000円
差引額 [(1)-(2)]
5,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 546,581円
人件費・謝金 2,956,978円
旅費 2,185,248円
その他 11,166,449円
間接経費 5,058,000円
合計 21,913,256円

備考

備考
256円の差額につきましては、自己資金から支出したものとなります。

公開日・更新日

公開日
2025-09-05
更新日
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