医薬品を巡る環境の変化等に対応した生物学的製剤基準の改正のための研究

文献情報

文献番号
200940052A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品を巡る環境の変化等に対応した生物学的製剤基準の改正のための研究
課題番号
H21-医薬・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 篤(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
研究分担者(所属機関)
  • 岩城 正昭(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 和田 昭仁(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 駒瀬 勝啓(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 板村 繁之(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 白土 東子(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 柊元 巌(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター)
  • 浜口 功(国立感染症研究所 血液安全性研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国産の生物学的製剤あるいは製造技術が輸出される一方、海外で実績を得た製剤のわが国への輸入が増加する傾向にある。医薬品の製造販売にGMP準拠が必須要件となり、一定品質の製剤が製造できるような体制がソフト、ハードの両面で整えられた。これら基本部分は国際的にGMPで共通化されたものの、未だ承認申請の際の詳細な技術的要件、ロットリリースの際の要件は多いに異なっている。本研究班では主にWHOや諸外国の規制と我が国の規制と比較し、製剤の安全性と有効性を損なわない範囲で導入の可能性を検討し、医薬品を取り巻く環境の変化に対応した生物学的製剤基準を模索する。
研究方法
生物学的製剤は保健衛生上特別の注意を要する医薬品として、法により生物学的製剤基準が設けられ、有効性と安全性の確保に貢献している。生物学的製剤基準は適宜見直されてきたが、本研究班ではWHOや諸外国の規制と我が国の規制と比較し、わが国の基準の在り方を模索し、内容の追加、修正、あるいは削除を検討する。研究組織は、分担研究者が中心となりワーキンググループを組織し、国内外の生物学的製剤を製造販売する業者の代表者、ならびに規制当局の担当者を協力研究員として招き、適宜テーマを掲げて、検討する。
結果と考察
厚生労働省審査管理課より日、米、欧の製薬団に対して生物学的製剤基準に対しての改訂要望を聞いたところ42の要望案が出された。これらの要望に感染症研究所からの改訂案を加え、変更する妥当性が有るか無いかを検討するための研究班を組織した。必要な人に安全で有効な医薬品をより早く、より安く提供するには、各地域の医薬品承認審査とロットリリースの基準の国際化、証明制度の共通化を検討することが必要である。
結論
生物学的製剤基準は国民を健康被害から守るため、国家検定実施と共に作られ、我が国独自の規格が存在する。一方、医薬品は既にグローバル化しており、独自規格が国民の健康脅威に対する迅速対応の障害になることも予想される。そのため生物学的製剤を取り巻く環境の変化に合せて基準及び国家検定項目を再検討するのが望ましい。欧州、米国、WHOと我が国の規制を比較し、海外基準の導入を検討した。導入により過去の試験成績と臨床的データーの相関結果が失われることに危惧が出され、共通化によるメリットとの間で議論が必要であった。科学技術の進歩により登場した新たな測定方法・機器を取り入れた測定方法、規格値ついて検討した。

公開日・更新日

公開日
2010-03-29
更新日
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