文献情報
文献番号
202407021A
報告書区分
総括
研究課題名
小児がん拠点病院等及び成人診療科との連携による長期フォローアップ体制の構築のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23EA1014
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
松本 公一(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 小児がんセンター)
研究分担者(所属機関)
- 清谷 知賀子(国立研究開発法人国立成育医療研究センター小児がんセンター血液腫瘍科)
- 加藤 実穂(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 小児がんセンター小児がんデータ管理科)
- 塩田 曜子(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 小児がんセンター)
- 原 純一(地方独立行政法人大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 小児血液・腫瘍内科)
- 康 勝好(埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科)
- 岡田 賢(広島大学大学院医系科学研究科 小児科学)
- 田尻 達郎(九州大学大学院医学研究院)
- 佐藤 真理(順天堂大学大学院 医学研究科)
- 加藤 元博(国立大学法人東京大学 医学部附属病院)
- 寺田 和樹(医療法人社団千秋双葉会 いなげ未来クリニック)
- 田代 志門(東北大学 大学院文学研究科)
- 森 有紀(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院)
- 細田 洋司(信州大学 医学部)
- 岩田 慎太郎(国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
13,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究ではJCCGの後向き観察研究(AMED)の成果をふまえ、CCSを対象とする前向き登録研究を実施する。そのために、オンラインネットワークの情報セキュリティ体制の強化を図るとともに、CCS向けのフォローアップツールの改良を行う。加えて、小児がんの長期フォローアップ(LTFU)の本邦における適切なあり方を検討し、エビデンスに基づく実践的なLTFUガイド作成を行い、LTFUの担い手である開業医、成人診療科との連携を進める。また、先行している成人分野での造血細胞移植のLTFUやゲノムデータベースと連携し、欧米同様のCCSサポートシステムを本邦にて運用することを目的とする。
研究方法
1)LTFU前向き研究
国立成育医療研究センター(NCCHD)内に設置されたLTFUセンターについて、具体的な活動内容を規定するとともに、CCSオンラインサポートシステムのセキュリティを一層強化して標準業務手順書を作成する。同時に、同意取得の手順や情報収集における個人情報の保護のあり方、リスク分類案の作成、CCSに提供すべき情報の策定などを行う。
2)実践的LTFUガイドの作成
開業医がLTFUを実践することの課題を検討し、実践的なフォローアップメソッドの作成、ツールのブラッシュアップ等を行う。
3)造血細胞移植後のLTFUプログラムとの連携
先行する造血細胞移植後のLTFU(HSCT-LTFU)をモデルとして、小児がん診療後のLTFUの在り方と連携を考える。開業医との連携について課題を整理する。
4)データベースを活用した研究による成人診療科との連携
心筋障害やサルコペニア研究等に関して、本研究班で継続する。移植後脂肪部分萎縮症(HSCT-PLD)に対する全国調査を行う。また、旧研究班で開始していたLCH-LTFU研究やTCCSGを対象とする循環器合併症研究などLTFU体制の実装研究も引き続いて行う。
国立成育医療研究センター(NCCHD)内に設置されたLTFUセンターについて、具体的な活動内容を規定するとともに、CCSオンラインサポートシステムのセキュリティを一層強化して標準業務手順書を作成する。同時に、同意取得の手順や情報収集における個人情報の保護のあり方、リスク分類案の作成、CCSに提供すべき情報の策定などを行う。
2)実践的LTFUガイドの作成
開業医がLTFUを実践することの課題を検討し、実践的なフォローアップメソッドの作成、ツールのブラッシュアップ等を行う。
3)造血細胞移植後のLTFUプログラムとの連携
先行する造血細胞移植後のLTFU(HSCT-LTFU)をモデルとして、小児がん診療後のLTFUの在り方と連携を考える。開業医との連携について課題を整理する。
4)データベースを活用した研究による成人診療科との連携
心筋障害やサルコペニア研究等に関して、本研究班で継続する。移植後脂肪部分萎縮症(HSCT-PLD)に対する全国調査を行う。また、旧研究班で開始していたLCH-LTFU研究やTCCSGを対象とする循環器合併症研究などLTFU体制の実装研究も引き続いて行う。
結果と考察
1)LTFU前向き研究
JCCG大規模観察研究をもとに、「認知機能検査が必要なCCSの把握方法」を目的に研究計画書を作成した。また、患者会と共同にてCCSを対象としたLTFU体制構築事前調査を立案し、IRBの承認を得た。今後、EDCを改修し、前向き観察研究の登録を開始する。
2)実践的LTFUガイドの作成とツールのブラッシュアップ
臓器・機能別にリスク因子、検診方法などを示し、心理社会面での支援、サバイバーシップ等に関して、事例を通じて解説する実践的LTFUガイドを作成中である。また、米国小児がんグループ(COG)の患者用教育資材の日本語版を作成した。携帯ツールに関しては、JCCG治療のまとめと統合し、患者固有のケアガイドが自動生成されるシステムを設計し直し、現在討議を重ねている。
3)造血細胞移植後のLTFUプログラムとの連携、開業医との連携
NCCHDと虎ノ門病院で実証研究を実施したが、患者のニーズと医療者の対応可能範囲の相違等が明らかになり、移行前の小児医療施設における入念な準備や、対応困難事例に対する一時的な並行診療、成人医療施設におけるスタッフの教育などが必要と考えられた。開業医との連携に関しては、経営面、連携面での課題も多く、今後更なる体制作りが必要と考えられた。
4)データベースを活用した研究と成人診療科との連携
HSCT-PLDに関して、日本小児内分泌学会、日本内分泌学会、日本小児血液・がん学会の評議員にアンケート調査を行った。女性が多く、TBI既往が8割以上あり、糖尿病を発症した場合、その約半数が治療抵抗性であることが明らかとなった。抗がん剤性心不全の早期バイオマーカーの同定研究に関して、症例集積を開始した。また、CCSの生活の質との相関を検討するために、サルコペニアの実態を調査している。
疾患モデルとしてLCH-12研究の長期フォローアップを行うLCH-LTFU研究を開始し、50施設28名の参加同意を得、患者向けパンフレットの原案を完成させた。地域モデルとしてTCCSGコホート研究では、参加施設14施設、登録者194例を得て、「心筋ストレイン解析による小児がん経験者の早期心筋障害評価研究」の登録を開始した。
JCCG大規模観察研究をもとに、「認知機能検査が必要なCCSの把握方法」を目的に研究計画書を作成した。また、患者会と共同にてCCSを対象としたLTFU体制構築事前調査を立案し、IRBの承認を得た。今後、EDCを改修し、前向き観察研究の登録を開始する。
2)実践的LTFUガイドの作成とツールのブラッシュアップ
臓器・機能別にリスク因子、検診方法などを示し、心理社会面での支援、サバイバーシップ等に関して、事例を通じて解説する実践的LTFUガイドを作成中である。また、米国小児がんグループ(COG)の患者用教育資材の日本語版を作成した。携帯ツールに関しては、JCCG治療のまとめと統合し、患者固有のケアガイドが自動生成されるシステムを設計し直し、現在討議を重ねている。
3)造血細胞移植後のLTFUプログラムとの連携、開業医との連携
NCCHDと虎ノ門病院で実証研究を実施したが、患者のニーズと医療者の対応可能範囲の相違等が明らかになり、移行前の小児医療施設における入念な準備や、対応困難事例に対する一時的な並行診療、成人医療施設におけるスタッフの教育などが必要と考えられた。開業医との連携に関しては、経営面、連携面での課題も多く、今後更なる体制作りが必要と考えられた。
4)データベースを活用した研究と成人診療科との連携
HSCT-PLDに関して、日本小児内分泌学会、日本内分泌学会、日本小児血液・がん学会の評議員にアンケート調査を行った。女性が多く、TBI既往が8割以上あり、糖尿病を発症した場合、その約半数が治療抵抗性であることが明らかとなった。抗がん剤性心不全の早期バイオマーカーの同定研究に関して、症例集積を開始した。また、CCSの生活の質との相関を検討するために、サルコペニアの実態を調査している。
疾患モデルとしてLCH-12研究の長期フォローアップを行うLCH-LTFU研究を開始し、50施設28名の参加同意を得、患者向けパンフレットの原案を完成させた。地域モデルとしてTCCSGコホート研究では、参加施設14施設、登録者194例を得て、「心筋ストレイン解析による小児がん経験者の早期心筋障害評価研究」の登録を開始した。
結論
本研究にて全国規模の情報インフラである長期フォローアップセンターを構築することができ、前向き観察研究を計画した。疾患モデルとしてLCH研究、システムのモデルとしてTCCGコホート研究、造血細胞移植の移行期モデル研究等を推進した。小児・AYA世代がんサバイバー⻑期フォローアップメソッドやLCASなどの研修会 により、小児医療施設と成人施設との緊密な連携を進める必要があると考えられた。また、自立を支えるためのCCSの経済的な支援、及び長期フォローアップに関わる開業医など医療者側の経済的不採算性が課題として残っていると考えられた。
公開日・更新日
公開日
2026-02-24
更新日
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