がんゲノム医療推進に向けたがん遺伝子パネル検査の実態把握とがんゲノム医療提供体制構築に資する研究

文献情報

文献番号
202407017A
報告書区分
総括
研究課題名
がんゲノム医療推進に向けたがん遺伝子パネル検査の実態把握とがんゲノム医療提供体制構築に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23EA1010
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
内藤 陽一(国立研究開発法人国立がん研究センター 東病院 総合内科)
研究分担者(所属機関)
  • 吉野 孝之(国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 )
  • 角南 久仁子(関原 久仁子)(国立がん研究センター 中央病院 臨床検査科)
  • 今井 光穂(国立研究開発法人国立がん研究センター 東病院)
  • 小山 隆文(国立研究開発法人国立がん研究センター 中央病院 先端医療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
9,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がんゲノムプロファイリング検査(CGP検査)が保険診療下で行われているが、①低い適合薬剤到達率と地域間差、②エキスパートパネル(EP)実施や臨床情報入力に関わる業務負担、③ゲノム医療従事者の人材育成等の課題を有する。
研究方法
本研究では(1)中核拠点・拠点病院等での適合治療実施率・地域間差、遺伝カウンセリング実施状況等の調査(2)薬剤到達率向上に資するオンタイムの治験情報共有システム構築およびAI等を活用したEPおよびデータ入力の効率化(3)上記から抽出した課題と改善効果に基づく整備指針改訂に向けた提言書作成(4)CGMC研修のためのカリキュラムや教育資材作成を行う。
結果と考察
(1)中核拠点・拠点病院等の適合治療実施率・地域間差、遺伝カウンセリング実施状況等の調査を行った。
2022年9月1日~2023年8月31日の1年間に実施されたEP検討症例数は22,554例であった。自施設例10,628例 (47.1%) に対して、治治療提案割合 58.4%、治療到達率 7.1%、うち企業治験 0.7%、NCCH1901(受け皿試験)0.1%、保険診療 3.7%、保険適用外使用 0.2% であった。遺伝カウンセリング外来受診は15.2%であった。治療到達率は前年 (7.1%) と比して変化はなかった。
1症例あたりにかかる平均所要時間は中核拠点病院で69.2分、拠点病院で96.0分であり、日本臨床腫瘍学会が2022年に公表した際の63分および当班における昨年の調査から大きな変化はなかった。
(2)薬剤到達率向上に資するオンタイムの治験情報共有システム構築を構築し情報共有を開始した。また、事例検討 (令和5年度3事例、令和6年度18事例) を行い、アカデミア・アセンブリにおける共通認識を確認し共有した。AI等を活用したEPおよびデータ入力の効率化に資するデータベース構築のためのレジストリー研究について倫理審査委員会承認を得 (38施設参加)、EDCを構築し、2024年10月より症例登録を開始した。2025年4月28日時点で193例登録中である。うち80例にエビデンスレベルA/B/R症例が含まれている。
(3)提言書の作成は本年度 (3年次) を予定している。作成のためのアンケート調査を実施中である。
(4)中核拠点病院が行うCGMC研修のためのカリキュラム、シラバスを作成するためのメンバーを選出し、2024年7月1日および7月2日にミーティングを行った。厚生労働科学研究費 がん対策推進総合研究事業「ゲノム情報に応じたがん予防にかかる指針の策定と遺伝子腫瘍に関する医療・社会体制の整備及び国民の理解と参画に関する研究」班(23EA1037)とも協同し遺伝性腫瘍に関する多遺伝子パネル検査 (MGPT) についても教育資材に盛り込んだ。2024年9月にカリキュラム、シラバスおよび講義用スライドを完成した。2024年9月17日作成したカリキュラム、シラバスを中核拠点病院に配布した。
結論
既報および前年と比較し適合薬剤到達率は著変なく、EP実施にかかる負担も改善は認められなかった。CGP検査数、治療提案割合には、中核拠点病院と拠点病院で差が認められた。これらの問題解決には、AI等を活用したEP等の抜本的改革が必要と考えられ、薬剤到達率向上を目指したオンタイムでの治験情報共有システム構築、データベース構築のためのレジストリー研究について体制を構築し活動を開始した。CGMC研修のための教育資材を作成し人材育成に貢献した。

公開日・更新日

公開日
2026-02-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-02-24
更新日
-

収支報告書

文献番号
202407017Z