がん対策推進基本計画の進捗管理に資する評価指標の実装に向けた研究

文献情報

文献番号
202407014A
報告書区分
総括
研究課題名
がん対策推進基本計画の進捗管理に資する評価指標の実装に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23EA1007
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 典絵(倉橋 典絵)(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所コホート研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 市瀬 雄一(国立がん研究センター がん対策研究所医療政策部)
  • 加藤 元博(国立大学法人東京大学 医学部附属病院 小児科)
  • 中澤 葉宇子(国立がん研究センター がん対策研究所)
  • 掛地 吉弘(神戸大学大学院医学研究院 食道胃腸外学)
  • 増田 昌人(琉球大学医学部附属病院第二内科)
  • 森島 敏隆(大阪国際がんセンター がん対策センター)
  • 南 哲司(国立がん研究センターがん対策研究所 がん医療支援部)
  • 伊藤 ゆり(大阪医科薬科大学 総合医学研究センター医療統計室)
  • 鈴木 達也(国立研究開発法人 国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター)
  • 東 尚弘(国立大学法人 東京大学 大学院医学系研究科公衆衛生学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
8,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、第4期計画の策定時に定められた個別目標の評価指標について、患者体験調査等の患者視点のデータに加えて、レセプトデータやがん登録等から得られるデータによる医療の質の評価に関する検討を行い、第4期計画の進捗管理に必要な評価指標の開発や改善を目的とする。
研究方法
本研究は、成人患者・小児患者を対象とした患者体験調査や先行研究の結果を分析し、第4期計画の進捗評価の継続的な体制を発展させることを目的に、①患者視点による評価指標の改善、②患者視点のデータを用いたがん対策を推進するための要因分析、③医療データを用いた医療の質評価方法の開発、④第4期計画の目標値の試行的策定、を行った。
結果と考察
これまでの課題をもとに、今年度に予定されていた小児患者体験調査の調査方法・様式等の改善に向けた議論を行い、小児がん医療に携わる専門家、小児がん経験者またはその家族、患者会代表者、関連学会の理事会および研究者との連携により、調査計画を策定した。前回調査で当時課題であった、患者本人の意見を聴取するため、保護者に加えて、13歳以上の小児患者本人も対象とし、また、回答票をより獲得するためWEBフォームによる回答を可能とした。さらに、小児患者の療養生活の質を評価する項目、保護者の孤独感やうつスクリーニング項目、社会経済的背景のアウトカムへの影響を検証するため、家族構成・世帯年収等の背景情報を追加した。第4期がん対策推進基本計画の評価において、特に小児がん領域における患者・家族の視点を反映する貴重なデータソースとして活用されることが期待される。
第3回患者体験調査(成人)を用い、就労が継続できたかどうかを主要アウトカムとした要因分析を行った。その結果、65歳以上、女性、治療の断念・変更あり、相談支援センターを知っている、の項目が、就労継続を妨げる要因となり、医療者からの就労継続についての説明の有り、の項目が就労支援につながる結果となった。医療者から何かしら就労継続についての話があった人ほど就労が継続できていることから、就労している場合は仕事をすぐに辞めずとも休職や休業の可能性等についての情報提供をすることの重要性が示唆された。しかし、就労継続の説明があるということは、病状が軽いことに関連している因子を見ている可能性も否定できない。今後は、病状を調整したより精緻な分析が必要であると考えられた。
医療の質の評価方法の開発について、指標は特定のがん種に関するものと、化学療法時の支持療法などの臓器横断的なものがあるが、診療ガイドライン等で推奨される標準治療等とされる診療の実施割合であれば、分母は対象患者を記述し、分子はそれらの患者に対して推奨される診療行為等を記述した。統計値であれば、対象患者を記述し、それらの患者に対して統計手法を用いて数値を算出した。新規の医療の質評価指標の作成については、特定のがん種に関するものと、チーム医療などの臓器横断的なものに分けて検討した。医療データを用いた医療の質評価の指標の開発を推進することにより、患者の主観的評価に基づく評価分析に加えて、より客観的な指標による評価が可能となり、対策効果の可視化につながることが期待された。また、医療者と患者の両視点からの指標の開発をすすめることで、総合的な効果検証が期待できると考えられた。
第4期計画の目標値設定の可能性や各評価指標間の関連について試行的策定を行った。最終アウトカムである75歳未満の全がん年齢調整死亡率と関連する各種指標を抽出し、その各種指標の変化により、アウトカムの改善が予測できる関係式を構築する方法を検討し、対数線形回帰、非負値行列因子分解、将来予測と組み合わせた分析などが候補として挙げられた。ロジックモデルにおけるそれぞれの指標に関しての目標値設定が可能であるかは、今後実データによる分析を踏まえて検討を行う予定である。
結論
患者視点による評価指標の改善に向けた成人患者・小児患者を対象とした患者体験調査の改善に関する検討、要因分析、院内がん登録情報とDPCデータ等を活用した医療の質評価指標の測定・提案、第4期計画の目標値設定の可能性に関する検討を行った。本研究の取組・成果が、がん対策推進基本計画の進捗評価に活用されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2026-02-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-02-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
202407014Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,800,000円
(2)補助金確定額
10,800,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,337,287円
人件費・謝金 3,848,003円
旅費 838,330円
その他 1,279,878円
間接経費 2,492,000円
合計 10,795,498円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2026-02-19
更新日
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