文献情報
文献番号
202407009A
報告書区分
総括
研究課題名
生まれ年度ごとのHPV ワクチン接種状況と子宮頸がん罹患リスクの評価とキャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診の受診勧奨手法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
23EA1002
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
上田 豊(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科産科学婦人科学)
研究分担者(所属機関)
- 平井 啓(大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター/大学院医学系研究科生体機能補完医学講座/人間科学研究)
- 中山 富雄(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 検診研究部)
- 片山 佳代子(国立大学法人 群馬大学 情報学部)
- 伊藤 ゆり(大阪医科薬科大学 総合医学研究センター医療統計室)
- 阪口 昌彦(神奈川県立がんセンター臨床研究所がん予防・情報学部)
- 八木 麻未(大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
2022年度から積極的勧奨が再開され、キャッチアップ接種も開始された。今後の本邦における子宮頸がん対策において正確な接種状況の把握は不可欠であり、キャッチアップ接種についても、過去の公費助成・定期接種当時の接種歴と合わせた形での累積接種回数別に接種者数がカウントされている。また、海外では16歳までの接種で子宮頸がんが劇的に減少することが報告されているが、本邦においては、我々の報告等により前がん病変の予防効果までしか示されておらず、浸潤がんの予防効果を検証する必要があり、同時に生まれ年度ごとの子宮頸がん罹患率を明らかにして子宮頸がん対策の戦略考案に活かす必要がある。当研究は、本邦における子宮頸がん対策を行う上での具体的な問題点を明らかにし、これまでの研究を発展させてそれらの克服を目指すものである。
研究方法
(1) 各生まれ年度のHPV ワクチン接種状況の適切な把握
(2)本邦における社会環境による子宮頸がん・前がん病変の罹患状況の変化の把握
(2-1)HPVワクチンの浸潤がん予防効果の検証
と全国がん登録を活用したHPVワクチン接種状況による子宮頸がん罹患率の評価
(2-2)全国の自治体における20 ・24歳・28歳の子宮頸がん検診の経年的観察研究
(3)キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診勧奨手法の開発
(2)本邦における社会環境による子宮頸がん・前がん病変の罹患状況の変化の把握
(2-1)HPVワクチンの浸潤がん予防効果の検証
と全国がん登録を活用したHPVワクチン接種状況による子宮頸がん罹患率の評価
(2-2)全国の自治体における20 ・24歳・28歳の子宮頸がん検診の経年的観察研究
(3)キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診勧奨手法の開発
結果と考察
(1)各生まれ年度のHPV ワクチン接種状況の 適切な把握
キャッチアップ接種事業の終了後でないと解析ができないため、現在はデータの整理を行っている。当初予定に加えて、地域保健・健康増進事業報告(地域保健編)等からも各年度の累積接種率を算出するためのデータを入手した。2022 年度までの接種データの解析はすでに確定しており、2023 年度以降も2022年度の接種状況が維持されると仮定して各生まれ年度の累積接種率を算出したところ、2028 年度末に時点において、定期接種の小6から高1までの間の累積接種率は43%でプラトーに達すると推計された(Yagi A et al. JAMA Netw Open. 2024;7:e2422513)。
(2)本邦における社会環境による子宮頸がん・前がん病変の罹患状況の 変化の把握
(2-1)HPVワクチンの浸潤がん予防効果の検証と全国がん登録を活用 した HPVワクチン接種状況による子宮頸がん罹患率の評価
自治体とがん登録データの解析経験のある宮城県がん登録室からノウハウなどの情報提供をいただき、それを活かして自治体との打ち合わせを行った。
(2-2)全国の自治体における 20・ 24歳・28 歳の子宮頸がん検診の経年的観察研究
※ 当初の研究計画では 20歳の子宮頸がん検診結果のみを対象とする予定であったが、キャッチアップ接種の有効性の十分な評価を行えるように、研究計画を拡大して 24歳・28 歳の子宮頸がん検診結果も解析対象に加えることとした。
20歳の検診結果については、昨年度に引き続き、これまでに協力の得られた 自治体には引き続きの協力を依頼しており、松山市・姫路市・川西市・鹿児島市からはすでにデータを入手し始めている。すなわち、 1994 ~ 1999年度生まれのワクチン接種世代での細胞診異常率( ASC-US以上)の減少傾向が確認でき、ワクチン停止世代は 2002年度生まれを新たに解析に加え、細胞診異常率の上昇を再確認できた。積極的勧奨差し控えによる接種率激減の弊害が顕著な実害として現れてきていることが一段と明確になってきた。 24歳・28 歳への研究対象拡大についても大阪府大阪市・群馬県前橋市・愛媛県松山市・兵庫県姫路市・明石市・川西市、青森県青森市、鹿児島県鹿児島市から協力を得られることとなった。予定通りの進捗である。
(3)キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診勧奨手法の開発
昨年度に協力を取り付けられた群馬県前橋市に加え、大阪府池田市、奈良県広陵町の協力も得られることとなり、前年度までに作成しているリーフレットを送付した。効果検証としての子宮頸がん検診受診率データについても、令和5年度検診分のデータはすでに入手しており、令和6年度以降
のデータと合わせて解析予定である。予定通りの進捗である。
キャッチアップ接種事業の終了後でないと解析ができないため、現在はデータの整理を行っている。当初予定に加えて、地域保健・健康増進事業報告(地域保健編)等からも各年度の累積接種率を算出するためのデータを入手した。2022 年度までの接種データの解析はすでに確定しており、2023 年度以降も2022年度の接種状況が維持されると仮定して各生まれ年度の累積接種率を算出したところ、2028 年度末に時点において、定期接種の小6から高1までの間の累積接種率は43%でプラトーに達すると推計された(Yagi A et al. JAMA Netw Open. 2024;7:e2422513)。
(2)本邦における社会環境による子宮頸がん・前がん病変の罹患状況の 変化の把握
(2-1)HPVワクチンの浸潤がん予防効果の検証と全国がん登録を活用 した HPVワクチン接種状況による子宮頸がん罹患率の評価
自治体とがん登録データの解析経験のある宮城県がん登録室からノウハウなどの情報提供をいただき、それを活かして自治体との打ち合わせを行った。
(2-2)全国の自治体における 20・ 24歳・28 歳の子宮頸がん検診の経年的観察研究
※ 当初の研究計画では 20歳の子宮頸がん検診結果のみを対象とする予定であったが、キャッチアップ接種の有効性の十分な評価を行えるように、研究計画を拡大して 24歳・28 歳の子宮頸がん検診結果も解析対象に加えることとした。
20歳の検診結果については、昨年度に引き続き、これまでに協力の得られた 自治体には引き続きの協力を依頼しており、松山市・姫路市・川西市・鹿児島市からはすでにデータを入手し始めている。すなわち、 1994 ~ 1999年度生まれのワクチン接種世代での細胞診異常率( ASC-US以上)の減少傾向が確認でき、ワクチン停止世代は 2002年度生まれを新たに解析に加え、細胞診異常率の上昇を再確認できた。積極的勧奨差し控えによる接種率激減の弊害が顕著な実害として現れてきていることが一段と明確になってきた。 24歳・28 歳への研究対象拡大についても大阪府大阪市・群馬県前橋市・愛媛県松山市・兵庫県姫路市・明石市・川西市、青森県青森市、鹿児島県鹿児島市から協力を得られることとなった。予定通りの進捗である。
(3)キャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診受診勧奨手法の開発
昨年度に協力を取り付けられた群馬県前橋市に加え、大阪府池田市、奈良県広陵町の協力も得られることとなり、前年度までに作成しているリーフレットを送付した。効果検証としての子宮頸がん検診受診率データについても、令和5年度検診分のデータはすでに入手しており、令和6年度以降
のデータと合わせて解析予定である。予定通りの進捗である。
結論
研究は概ね順調に進行している。今後、自治体等
からのデータ提供を受けて、解析を本格化してい
く。
からのデータ提供を受けて、解析を本格化してい
く。
公開日・更新日
公開日
2026-05-26
更新日
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