医療機器の不具合用語の標準化及びコード化に関する研究

文献情報

文献番号
200940039A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の不具合用語の標準化及びコード化に関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-017
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
横井 英人(香川大学 医学部附属病院医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 石川 廣(日本医療機器産業連合会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 フリーテキスト入力で収集されてきた医療機器の不具合情報は、その集計に多大な労力を必要とし、海外とのデータ共有が困難であった。医療機器安全性情報の迅速かつ正確な伝達は、必要性の高い課題である。本邦の医療機器安全対策に寄与すべく、医療機器の不具合に関する用語集の作成、運用の最適化モデルを提案する。
研究方法
 香川大学は、米国国立がん研究所(NCI)のサイトに公開されているFDAの用語集と国際標準化機構(ISO)から刊行されている用語集について、和訳と両者のマッピングまた、前年度評価を行った用語集との比較を試みた。用語集の作成・編集を行うハンドリングシステムの開発に着手した。日本医療機器産業連合会(医機連)不具合コーディングワーキンググループ(WG)は、国内の医療機器添付文書の事象名、行政への報告事例を検討し、各団体の代表品目に関する用語を選定した。
結果と考察
 前年度の報告書にあるFDAの用語集は改訂され、その信頼性は担保されつつあるが、依然として定義が不十分である。ISOの用語集は、医療機器の不具合に関する用語とグループ化する上位階層の二階層からなる。FDAの用語集とマッピングすると完全一致は増加しているが、部分一致、概念一致を運用上どう扱うか課題である。
WG参加8団体に加え、新たに6団体の加入があった。調査結果用語集において、不具合感染症報告書やFDAのコードを参考に用語を収集し、項目を作成した。
ハンドリングシステムは、用語集作成のノウハウを元に、また医療用語集に関する標準のISO/ TS17117の理念に基づき、開発方針を決定し、通常の編集を行う同システムに、同義語のハンドリング・変更履歴の管理、用語毎の情報属性のカスタマイズを可能とする機能を追加した。
結論
 FDAの用語集改訂、ハンドリングシステムの改良により各団体の代表品目に関する不具合情報の集積が進み、一部団体では関連する品目の概ねをカバーすることが可能となった。次年度には、本用語集の運用テストを行い、運用に必要な要件の洗い出しを行う。
また、FDAの用語集作成・編集事業は、用語の追加窓口が設置されるなど、具体的な運用方法が定まった。医療用の分類用語集の表現規格ClaMLが、ISO規格候補として検討されており、継続して検証し、採用を含めた検討を依頼するようにしたい。これにより、本邦での報告用コーディングと米国でのそれはかなりの部分が変換可能となり、本邦の安全性情報報告の入力負担が軽減することが予想される。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
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