文献情報
文献番号
202407006A
報告書区分
総括
研究課題名
がん診療連携拠点病院等における情報提供の適切な方法・項目の確立に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22EA1006
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
若尾 文彦(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター本部)
研究分担者(所属機関)
- 丹野 弘晃(十和田市立中央病院 管理部門)
- 酒井 リカ(神奈川県立がんセンター)
- 増田 昌人(琉球大学医学部附属病院第二内科)
- 山下 夏美(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究センター) 臨床研究センター)
- 池山 晴人(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター がん相談支援センター がん相談支援センター)
- 高山 智子(静岡社会健康医学大学院大学 社会健康医学研究科)
- 八巻 知香子(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 がん情報提供部)
- 石井 太祐(国立がん研究センター がん対策研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
8,770,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
がん診療連携拠点病院等が発信すべき情報項目と提示方法、都道府県内の横断的情報を発信するための留意点を提示し、患者・家族の病院選びに役立つ情報が整備されることを目的とする。
研究方法
「医療情報ネット(ナビイ)」の検索機能やインターフェイス、情報項目を確認し、がん診療医療機関検索における利便性・操作性の評価および課題と対応策を検討した。
がん患者・家族向け情報として、前年度に実施した856名のがん患者ウェブ調査を再分析し、病院選択に影響する要因や情報源を抽出した。
紹介元医療機関向け情報については、日本医師会の協力のもと実施したアンケート結果から、Webページ掲載の必要性が高い項目を整理した。
また、「病院選び あんしんガイド」の内容を精査し、がん情報サービスへの掲載に向けた編集および評価票を作成した。
病院情報提供サイトのプロトタイプ作成にあたっては、患者・家族向けおよび紹介元医療機関向けのインターフェイスを開発した。検索画面や提示情報を検討し、想定利用者のニーズと情報源を踏まえて掲載項目を決定した。
「がんサポートサイトえひめ」の構築事例を整理し、県内がん医療体制の把握・公表に関するポイントや成果・課題を考察した。
がん患者・家族向け情報として、前年度に実施した856名のがん患者ウェブ調査を再分析し、病院選択に影響する要因や情報源を抽出した。
紹介元医療機関向け情報については、日本医師会の協力のもと実施したアンケート結果から、Webページ掲載の必要性が高い項目を整理した。
また、「病院選び あんしんガイド」の内容を精査し、がん情報サービスへの掲載に向けた編集および評価票を作成した。
病院情報提供サイトのプロトタイプ作成にあたっては、患者・家族向けおよび紹介元医療機関向けのインターフェイスを開発した。検索画面や提示情報を検討し、想定利用者のニーズと情報源を踏まえて掲載項目を決定した。
「がんサポートサイトえひめ」の構築事例を整理し、県内がん医療体制の把握・公表に関するポイントや成果・課題を考察した。
結果と考察
ナビイは全国の医療機関情報を網羅し、がん医療機関検索での活用が期待されたが、「キーワードで探す」ではがん関連キーワードで過剰ヒットや欠落などが確認され、がん関連病院を絞り込むことは困難であった。院内がん登録情報等の他データベースとの連携による利便性向上が必要であると考えられた。詳細な診療関連情報やアクセス情報など、医療機関の情報取得には有用であるが、がん診療に関する情報に関しては、がん診療連携拠点病院等の類型情報やがん種別の対応状況などの追加やがんに特化した検索機能の追加が必要であると考えられた。
患者・家族の調査では、がん経験がない人の多くが病院名を思い浮かべられず、該当する病院名を具体的に提示することが必要であると考えられた。一方、迷わず病院を決めた人や情報を参照しなかった人も存在し、情報ニーズは多様であった。「治療件数」「治療成績」「医師の業績」などへの関心が高く、主な情報源は病院サイトや相談窓口、がん情報サービスであった。
紹介元医療機関へのアンケートの回答者は都市部医師が多かった。診療実績や予約方法、受診時間、基礎疾患への対応情報などの簡便操作でのWeb検索・情報取得が求められていた。
「あんしんガイド」は診断直後の心理に配慮して編集され、「がん情報サービス」に掲載され、掲載後の高い表示回数は関心の高さを示していた。
患者・家族向けプロトタイプの作成において、ペルソナやペイシェントジャーニーを踏まえ、「がん種」と「都道府県」で検索できるシンプルな設計とし、療養生活に関わる「Wi-Fi環境」「差額ベッド代」などは「もっと詳しく」で確認できるようにした。情報リテラシーに関わらず使いやすく、患者の心理的側面に配慮した設計とし、がん相談支援センターや病院公式サイトへの導線も設けた。同一の情報源から比較可能な仕組みは、病院選びの有効な支援になると期待された。紹介元医療機関向けでは、患者向けと共通ページを持ちつつ必要箇所を変更した。おおまかながん種毎の診療実績が求められていることから、施設の所在地やがん種でまず絞り込み、その上で診療件数、病院種別、担当診療科、予約取得方法、受診までに要する時間、併存疾患の診療状況等に関する情報を施設毎に表示した。作成過程において、現況報告書等から取得できない項目があることが明らかとなり、今後は関連学会やナビイ等との連携、現況報告書の改訂が必要であることが分かった。地域による情報特性や将来的な診療の分化を踏まえ、国と都道府県で情報収集の役割を整理することも求められ、これにより、患者の納得と安心につながる情報提供が期待される。
「がんサポートサイトえひめ」は患者・住民代表や多職種が参画し、多角的・平易な情報提供を実現した。診療実績の可視化や地域医療情報の整備に貢献しつつも、資金や人材面での持続的運営には課題があり、公的な信頼性ある情報発信の重要性が高まっていることが示された。
患者・家族の調査では、がん経験がない人の多くが病院名を思い浮かべられず、該当する病院名を具体的に提示することが必要であると考えられた。一方、迷わず病院を決めた人や情報を参照しなかった人も存在し、情報ニーズは多様であった。「治療件数」「治療成績」「医師の業績」などへの関心が高く、主な情報源は病院サイトや相談窓口、がん情報サービスであった。
紹介元医療機関へのアンケートの回答者は都市部医師が多かった。診療実績や予約方法、受診時間、基礎疾患への対応情報などの簡便操作でのWeb検索・情報取得が求められていた。
「あんしんガイド」は診断直後の心理に配慮して編集され、「がん情報サービス」に掲載され、掲載後の高い表示回数は関心の高さを示していた。
患者・家族向けプロトタイプの作成において、ペルソナやペイシェントジャーニーを踏まえ、「がん種」と「都道府県」で検索できるシンプルな設計とし、療養生活に関わる「Wi-Fi環境」「差額ベッド代」などは「もっと詳しく」で確認できるようにした。情報リテラシーに関わらず使いやすく、患者の心理的側面に配慮した設計とし、がん相談支援センターや病院公式サイトへの導線も設けた。同一の情報源から比較可能な仕組みは、病院選びの有効な支援になると期待された。紹介元医療機関向けでは、患者向けと共通ページを持ちつつ必要箇所を変更した。おおまかながん種毎の診療実績が求められていることから、施設の所在地やがん種でまず絞り込み、その上で診療件数、病院種別、担当診療科、予約取得方法、受診までに要する時間、併存疾患の診療状況等に関する情報を施設毎に表示した。作成過程において、現況報告書等から取得できない項目があることが明らかとなり、今後は関連学会やナビイ等との連携、現況報告書の改訂が必要であることが分かった。地域による情報特性や将来的な診療の分化を踏まえ、国と都道府県で情報収集の役割を整理することも求められ、これにより、患者の納得と安心につながる情報提供が期待される。
「がんサポートサイトえひめ」は患者・住民代表や多職種が参画し、多角的・平易な情報提供を実現した。診療実績の可視化や地域医療情報の整備に貢献しつつも、資金や人材面での持続的運営には課題があり、公的な信頼性ある情報発信の重要性が高まっていることが示された。
結論
前年度までの調査結果をもとに、がん患者や紹介元医療機関が必要とする情報項目を明らかにし、データ源と入手方法を整理した上で、患者・家族向けおよび医療機関向けの情報提供プロトタイプを作成した。今後、地域のがん医療支援情報をわかりやすく提供することは、患者の納得に基づく医療選択や医療機関間の情報共有、持続可能な地域医療の実現に不可欠である。そのためには、情報の具体的内容を整備指針で明示し、現況報告で情報を収集し、収集・解析・提供に関する要件について担当者・資金を含めて明確化することが必要であると考える。
公開日・更新日
公開日
2026-05-27
更新日
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