文献情報
文献番号
202407003A
報告書区分
総括
研究課題名
職域におけるレセプトを用いたがん検診精度管理指標の計測システムの開発と実装に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22EA1003
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
村木 功(国立大学法人筑波大学)
研究分担者(所属機関)
- 小川 俊夫(学校法人常翔学園 摂南大学 農学部食品栄養学科公衆衛生学教室)
- 立道 昌幸(東海大学 医学部)
- 吉⽥ 直樹(パナソニック健康保険組合 産業保健センター)
- 高橋 宏和(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所検診研究部検診実施管理研究室)
- 小松 雅代(大阪大学 大学院医学系研究科 社会医学講座環境医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
令和6年6月1日 研究分担者変更(旧研究者の退職のため)
変更前 伊藤正人・パナソニック健康保険組合・産業保健センター・所長
変更後 吉田直樹・パナソニック健康保険組合・産業保健センター・所長
令和7年1月1日 研究代表者所属変更
変更前 国立大学法人大阪大学・大学院医学系研究科・准教授
変更後 国立大学法人筑波大学・医学医療系・教授
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班は、レセプト情報を活用することでがん検診要精検者における精密検査受診を把握する妥当性の高い方法を確立するとともに、その具体的な活用方法を検討する。また、保険者でのがん検診の精度管理を推進するために、保険者において精度管理指標の計測を導入・運用するための課題を整理する。
研究方法
【精検受診判定ロジック開発・修正】
精密検査の適切性を判断するための情報と診療報酬上の診療行為コードのずれなど専門家間で意見がわかれる点を中心に、修正を行った。【妥当性研究】との連携を行い、不一致例の検討結果などを踏まえて、判定精度を高めた。
【妥当性研究】
茨城県Y市の国民健康保険加入者を対象として、レセプトを用いた精密検査受診判定と自治体が把握する精密検査受診との比較を行い、一致度の算出、不一致例の検討を行った。
【精検未受診者受診勧奨】
協会けんぽ大阪支部において、令和3年度~令和5年度に実施した精検未受診者への受診勧奨の効果について精検受診率、がん発見者数、医療費の観点で評価を行った。
【保険者における感度・特異度・がん有病割合・精検受診率の測定拡大と実装化の検討】
人事総務担当者および経営者を対象としたインターネット調査により事業者におけるがん検診精度管理についての導入体制の課題を検討した。
以上について、年2回開催した班会議などを通して、進捗確認を行うとともに、研究班全体での議論を行いながら、実施した。
精密検査の適切性を判断するための情報と診療報酬上の診療行為コードのずれなど専門家間で意見がわかれる点を中心に、修正を行った。【妥当性研究】との連携を行い、不一致例の検討結果などを踏まえて、判定精度を高めた。
【妥当性研究】
茨城県Y市の国民健康保険加入者を対象として、レセプトを用いた精密検査受診判定と自治体が把握する精密検査受診との比較を行い、一致度の算出、不一致例の検討を行った。
【精検未受診者受診勧奨】
協会けんぽ大阪支部において、令和3年度~令和5年度に実施した精検未受診者への受診勧奨の効果について精検受診率、がん発見者数、医療費の観点で評価を行った。
【保険者における感度・特異度・がん有病割合・精検受診率の測定拡大と実装化の検討】
人事総務担当者および経営者を対象としたインターネット調査により事業者におけるがん検診精度管理についての導入体制の課題を検討した。
以上について、年2回開催した班会議などを通して、進捗確認を行うとともに、研究班全体での議論を行いながら、実施した。
結果と考察
【精検受診判定ロジック開発・修正】
診療行為コードと傷病名コードの組み合わせにより精密検査受診を判定できるものとして、レセプト情報を活用した精密検査受診判定ロジックを完成させた。
【妥当性研究】
自治体把握情報のがん検診精密検査受診状況とレセプトにより判定されたがん検診精密検受診状況の一致度を算出した。子宮頸がん(ASC-US以外)を除き、一致度は89.2%~95.1%と概ね良好であった。
【レセプトを用いた精検受診判定ガイド(案)の作成】
【精検受診判定ロジック開発・修正】および【妥当性研究】の結果を踏まえて、また、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針、地域保健・健康増進事業報告作成要領との整合性も考慮して、レセプトを用いた精密検査受診判定ガイド(案)を作成した。
【精検未受診者受診勧奨】
精検未受診者への受診勧奨では、精検受診率上昇効果は4%ポイントであった。がん発見者の2割以上が精密検査受診再勧奨以降のがん発見者であり、レセプトを用いた精密検査受診再勧奨プログラムによりがんの早期発見に寄与すると考えられる。
【保険者における感度・特異度・がん有病割合・精検受診率の測定拡大と実装化の検討】
要精密検査対象者を把握している人事総務担当者および経営者は3人に1人と少なく、要精密検査対象者の把握を含め、職域におけるがん検診実施体制・環境の整備が必要と考えられた。
診療行為コードと傷病名コードの組み合わせにより精密検査受診を判定できるものとして、レセプト情報を活用した精密検査受診判定ロジックを完成させた。
【妥当性研究】
自治体把握情報のがん検診精密検査受診状況とレセプトにより判定されたがん検診精密検受診状況の一致度を算出した。子宮頸がん(ASC-US以外)を除き、一致度は89.2%~95.1%と概ね良好であった。
【レセプトを用いた精検受診判定ガイド(案)の作成】
【精検受診判定ロジック開発・修正】および【妥当性研究】の結果を踏まえて、また、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針、地域保健・健康増進事業報告作成要領との整合性も考慮して、レセプトを用いた精密検査受診判定ガイド(案)を作成した。
【精検未受診者受診勧奨】
精検未受診者への受診勧奨では、精検受診率上昇効果は4%ポイントであった。がん発見者の2割以上が精密検査受診再勧奨以降のがん発見者であり、レセプトを用いた精密検査受診再勧奨プログラムによりがんの早期発見に寄与すると考えられる。
【保険者における感度・特異度・がん有病割合・精検受診率の測定拡大と実装化の検討】
要精密検査対象者を把握している人事総務担当者および経営者は3人に1人と少なく、要精密検査対象者の把握を含め、職域におけるがん検診実施体制・環境の整備が必要と考えられた。
結論
本研究班で、レセプト情報を活用することでがん検診要精検者における精密検査受診を把握する妥当性の高い方法についての解説文書「がん検診要精検者におけるレセプトを用いた精密検査受診判定ガイド(案)」を作成した。レセプトとがん検診判定結果と組み合わせた精検受診状況判定ロジックは精検受診率算出だけでなく、精密検査未受診者に対する受診再勧奨にも活用することで、がん検診受診者の利益を増大できることが期待される。ただし、医療提供体制の地域差の判定精度への影響は十分に検討されていないこと、保険者におけるがん検診データの管理状況などによる運用上の課題が想定されることから、本判定法の普及については継続的な検討が必要である。
公開日・更新日
公開日
2026-04-15
更新日
-