子宮頸がん検診におけるHPV検査導入に向けた実際の運用と課題の検討のための研究

文献情報

文献番号
202407002A
報告書区分
総括
研究課題名
子宮頸がん検診におけるHPV検査導入に向けた実際の運用と課題の検討のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22EA1002
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
青木 大輔(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 八重樫 伸生(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科)
  • 藤井 多久磨(藤田医科大学 医学部 婦人科学)
  • 宮城 悦子(横浜市立大学 大学院医学研究科 生殖生育病態医学)
  • 中山 富雄(国立がん研究センター がん対策研究所 検診研究部)
  • 斉藤 豪(札幌医科大学 医学部)
  • 横山 良仁(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 竹原 和宏(四国がんセンター 婦人科)
  • 川名 敬(日本大学 医学部)
  • 齊藤 英子(国際医療福祉大学三田病院 予防医学センタ-)
  • 森定 徹(杏林大学 医学部産科婦人科学教室)
  • 高橋 宏和(国立がん研究センター がん対策研究所検診研究部検診実施管理研究室)
  • 戸澤 晃子(小野 晃子)(聖マリアンナ医科大学 医学部 産婦人科)
  • 雑賀 公美子(JA長野厚生連 佐久総合病院 佐久医療センター 総合医療情報センター)
  • 黒川 哲司(福井県済生会病院 産婦人科)
  • 上田 豊(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 西尾 浩(慶應義塾大学 医学部産婦人科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、子宮頸がん検診におけるHPV検査単独法の導入に向けて、その有効性を担保するために必要なアルゴリズムを体系的な文献検索よって検討し、科学的根拠に基づいた学術的見解を示すことを目的とした。令和6年度は特に、HPV陽性かつ細胞診NILM症例に着目し、追跡精検の実施時期やCIN3と浸潤がん(CIN3+)の累積罹患の推移に関する情報を整理することで、わが国が採用したアルゴリズムの妥当性を文献的に検証することを目指した。
研究方法
2022年1月までに公表された文献を対象とし、子宮頸がん検診に関するスクリーニング、トリアージ、追跡精検の各段階を明示しているアルゴリズムを抽出した。特に「HPV陽性かつ細胞診NILM」症例に関して、追跡精検として最も頻度の高い方法とその実施時期を整理した。さらに、CIN3+の累積罹患について、検診後1年以上の追跡データを示した文献を用いて、検診からの経時的な罹患推移を集計・分析した。
結果と考察
アルゴリズムの分析では、「HPV検査単独法→細胞診トリアージ→12か月後にHPV再検査」の構成が最も頻度の高い形式であり、わが国の導入案と一致していた。さらに、HPV陽性かつ細胞診NILM症例におけるCIN3+の累積罹患は1年後に約2%から始まり、以後15年間にわたり漸増傾向を示し、長期的な管理体制が必要であることが確認された。これらの知見は、わが国で採用したアルゴリズムを支持するものである。一方、アルゴリズム別に罹患率減少効果を比較するための文献的根拠は不十分であり、実装後のモニタリングによる検証が必要である。
結論
本研究により、わが国が採用したHPV検査単独法に基づく検診アルゴリズムの妥当性は文献的に支持されるものであった。累積罹患データからは、1年後の追跡精検の実施の重要性と、HPV陰性化までの長期的管理の必要性が示された。今後はパイロット的導入とそこで得られる様々な指標のモニタリングを通じて、導入したアルゴリズムによって効果が得られるかとアルゴリズムの実効性を自国データにより段階的に検証していくことが求められる。

公開日・更新日

公開日
2026-02-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-02-25
更新日
-

文献情報

文献番号
202407002B
報告書区分
総合
研究課題名
子宮頸がん検診におけるHPV検査導入に向けた実際の運用と課題の検討のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22EA1002
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
青木 大輔(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 八重樫 伸生(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科)
  • 藤井 多久磨(藤田医科大学 医学部 婦人科学)
  • 宮城 悦子(横浜市立大学 大学院医学研究科 生殖生育病態医学)
  • 中山 富雄(国立がん研究センター がん対策研究所 検診研究部)
  • 斉藤 豪(札幌医科大学 医学部 )
  • 横山 良仁(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 竹原 和宏(四国がんセンター 婦人科)
  • 川名 敬(日本大学 医学部)
  • 齊藤 英子(国際医療福祉大学三田病院 予防医学センタ-)
  • 森定 徹(杏林大学 医学部 産科婦人科学教室)
  • 高橋 宏和(国立がん研究センター がん対策研究所検診研究部検診実施管理研究室)
  • 戸澤 晃子(小野 晃子)(聖マリアンナ医科大学 医学部 産婦人科)
  • 雑賀 公美子(JA長野厚生連 佐久総合病院 佐久医療センター 総合医療情報センター)
  • 黒川 哲司(福井県済生会病院 産婦人科)
  • 上田 豊(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 西尾 浩(慶應義塾大学 医学部産婦人科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究者交替、所属機関変更
「研究分担者 黒川哲司」  所属機関 令和4年4月~令和5年年3月:福井大学 学術研究院医学系部門 産科婦人科学 →  令和5年4月以降:福井県済生会病院 産婦人科へ異動 

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、子宮頸がん検診におけるHPV検査単独法の導入に向けて、その有効性を担保するために必要なアルゴリズムを体系的な文献検索により検討し、科学的根拠に基づいた学術的見解を示すことを目的とし、特にHPV陽性者の管理、追跡精検の実施時期、またHPV検査単独法で特に注目すべき「HPV陽性かつ細胞診NILM」である者に対対するCIN3と浸潤がん(CIN3+)の累積罹患についての現時点での証拠収集を目指した。さらに本検診方法を日本に導入する際の障壁について検査のインフラ整備などについての多角的に検討を行い、対策型検診として実装するための情報提供と政策提言を行なうことを目的とした。
研究方法
令和4年度から6年度にかけて、HPV検査単独法による子宮頸がん検診の導入に必要な要素を多面的に検討した。まず、導入に際して必要となる検査体制や、わが国での精検受診率の現状、液状化検体を用いたHPV検査や細胞診を判定できる検査施設の処理能力などの実態を調査し、検診プログラム設計上の要件を整理した。
続いて、2022年1月までに発表された国際的な文献を用いて、子宮頸がん検診に関するスクリーニング、トリアージ、追跡精検の各段階に関するアルゴリズムを網羅的に抽出した。特に「HPV陽性かつ細胞診NILM」症例に着目し、追跡精検における実施時期や方法を分類し、頻度の高いパターンを明らかにした。
さらに、「HPV陽性かつ細胞診NILM」症例について累積罹患に関する指標として、CIN3+の発生率を時系列で報告している文献を収集・分析し、検診後の経時的な変化や累積の報告について分析した。
結果と考察
文献検索の結果、最も頻度の高いアルゴリズムは「HPV検査単独法→細胞診トリアージ→12か月後のHPV検査」であり、このHPV検査単独法のアルゴリズムをがん検診のあり方に関する検討会に提言した。CIN3+の累積罹患は検診後1年で約2%に達し、その後15年間にわたり増加を続けており、長期的なフォローアップの必要性が示唆され、HPV陽性者を陰性化するまで追跡精検として管理下におくわが国で採択したアルゴリズムを支持する結果であった。また、アルゴリズムごとに罹患率減少効果を比較する文献を見つけることができず、今後のモニタリング体制の構築が必要であることも明らかとなった。加えて、トリアージ精検受診率確保には液状化検体でのHPV検査およびHPV陽性者への残余検体での液状化細胞診が必要であること、検査キャパシティの実態調査の結果、全国一斉導入は困難であることから、このアルゴリズムに基づいて「対策型検診におけるHPV検査単独法による子宮頸がん検診マニュアル(案)」を作成し、要件を満たした自治体から順次パイロット的に導入していくことを提案し、制度設計の基礎資料として厚生労働省へ提出した。
結論
本研究により、わが国ではHPV検査単独法の検診アルゴリズムの実装性を考慮しつつ文献的に国際的にも最も頻度の高い構成のものを提案した。累積罹患の推移からは、1年ごとの追跡精検の必要性と、HPV陰性化までの長期的管理体制の構築が必要であることが示され、わが国で採用されたアルゴリズムを支持するものである。一方、アルゴリズムごとの効果をCIN3+の累積罹患から判断するだけの文献的証拠は得られず、今後は、得られた知見と整備された体制を基に、パイロット的な導入と実データに基づくモニタリングを通じて、検診プログラムとしての実効性と有効性を段階的に検証していくことが求められる。

公開日・更新日

公開日
2026-02-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-02-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202407002C

収支報告書

文献番号
202407002Z