妊婦及び授乳婦に係る臨床及び非臨床のデータに基づき、医薬品の催奇形性リスクの評価見直しに関する研究

文献情報

文献番号
200940035A
報告書区分
総括
研究課題名
妊婦及び授乳婦に係る臨床及び非臨床のデータに基づき、医薬品の催奇形性リスクの評価見直しに関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-013
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 裕之(筑波大学 大学院人間総合科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 江馬 眞(産業技術総合研究所)
  • 三橋 直樹(順天堂大学医学部附属)
  • 生水 真紀夫(千葉大学大学院医学研究院)
  • 北川 浩明(虎の門病院)
  • 村島 温子(国立成育医療センター)
  • 濱田 洋実(筑波大学 大学院人間総合科学研究科)
  • 林 昌洋(虎の門病院)
  • 佐藤 信範(千葉大学大学院薬学研究院)
  • 水上 尚典(北海道大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の最終目的は、1)妊産婦・授乳婦に使用される医薬品の臨床及び非臨床データから催奇形性のリスクの評価見直しに関して検討すること、2)医薬品の添付文書における記載等の情報提供の指針ともなり得る、さらに臨床的対応の原則的指針に結びつくような日本版薬剤胎児危険度分類基準を確立することである。
 この目的達成のために、昨年度、日本版薬剤胎児危険度分類基準の分類試案として『SEA分類』の考え方を提唱した。本年度はSEA分類をより明快で普遍性を持った分類に発展させることを目的に研究を遂行した。
研究方法
SEA分類の手引き(平成21年7月28日版)」をもとに、製薬企業(あすか製薬株式会社、日本イーライリリー株式会社、田辺三菱製薬株式会社、株式会社ツムラ)の協力を得て、本分類作成に関わっていない第三者として自社医薬品のSEA分類を試みてもらった。医療従事者あるいは医薬品製造業者であれば、その薬剤のSEA分類ができるようになることを目指した「SEA分類の手引き」の作成を試みた。
結果と考察
 分類を試行した医薬品は以下の通りである(商品名、括弧内は一般名)。リピディルカプセル(フェノフィブラート)、プラノバール配合錠(ノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠)、ヒューマログ注(インスリンリスプロ)タナトリル(イミダプリル塩酸塩)、テオドール(テオフィリン、ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(当帰芍薬散)、ツムラ桂枝茯苓丸エキス顆粒(桂枝茯苓丸)、ツムラ六君子湯エキス顆粒(六君子湯)について実際に分類を行った。
 SEA分類は、研究結果も臨床経験も同等に重視した分類であり、従来のFDA分類やオーストラリア分類の欠点を克服している。分類の根拠がはっきりと医師、薬剤師、患者に伝わる。分類の手引きにより、医療従事者あるいは医薬品製造業者が分類できる。

結論
 本年度の研究成果として、新たにSEA分類改訂版とSEA分類の手引きを完成した。SEA分類をより明快で普遍性を持った分類に発展させることができた。今後さらに十分な議論を重ねて、より良い日本版薬剤胎児危険度分類基準の確立を目指していく。

公開日・更新日

公開日
2010-05-14
更新日
-