文献情報
文献番号
202406004A
報告書区分
総括
研究課題名
看護・栄養分野の医療情報標準化とFHIR仕様策定研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24CA2004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
秋山 智弥(国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 医学部附属病院卒後臨床研修・キャリア形成支援センター)
研究分担者(所属機関)
- 大江 和彦(国立大学法人東京大学 医学部附属病院 企画情報運営部)
- 鈴木 志保子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉)
- 利光 久美子(愛媛大学医学部附属病院 栄養部)
- 秋山 直美(名古屋市立大学 大学院看護学研究科、医学部保健医療学科看護学専攻)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
2,416,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、これまでの厚労科研の成果を踏まえ、訪問看護や栄養管理などを含めた看護等の領域における医療の質・利便性の向上を図るため、これらの重要な領域において、明らかになった標準化が必要な文書・情報等を元に、次世代の標準規格であるHL7 FHIR等に適用可能な規格を策定し、運用の検討を行うとともに、これら情報の次世代標準化案を実装に向けて技術解説書や実装ガイド等の技術的仕様書の策定を目的とした。
研究方法
退院時共同指導料2を算定する際に交付する文書のひな型である別紙様式50(入院患者等が他の医療機関に転院する等で必要な看護サマリーや栄養サマリーに関する様式:以下、様式50)等をもとに策定したFHIR準拠の仕様案について、実装上の課題を検討するため、様式50等の利用実態や課題等についてヒアリングを実施した。また、医療、介護等に関わる栄養情報の標準化に向けて整理を行った。さらに、標準仕様の実装にあたり電子カルテシステム等への実装を見据えた検討を行うとともに、標準化した技術を一般で利用可能な基盤で活用できるように調整した。
結果と考察
看護分野における課題としては、電子カルテが導入されているにもかかわらず、退院時看護サマリーの多くの情報は複数の記録媒体から手動で転記されており、情報の一貫性や整合性の確保が困難な実態が明らかとなった。また、ADLや食事形態等の記載方法にも施設間のばらつきがあり、情報の伝達と解釈に齟齬が生じていた。訪問看護では紙媒体が主であり、様式の併存による情報の重複や更新遅延、作成負担も指摘された。栄養分野では、標準的なデータ項目、記録様式、情報交換方式をFHIR準拠の仕様として整理・策定することができた。
看護・栄養分野における検討結果をもとに、様式50の文書全体は診療情報提供書FHIR記述仕様に整合性をとれるようFHIR Bundleリソース(複数のリソースを束ねる役割のリソース)で記述することとし、Bundleリソース内に格納される個々のリソースの構成を記述するためのCompositionリソースにセクション要素を配置し、セクション要素にさらに1段階階層化された情報構造を定義するためのCompositionリソースを配置して、記載欄それぞれを記述できるようにする方針とした。また、訪問看護指示書等については、診療情報提供書FHIR記述仕様に整合性をとれるようFHIR Bundleリソースで記述することとし、Bundleリソース内に格納される個々のリソースの構成を記述するためのCompositionリソースにセクション要素を配置する方針とした。
看護・栄養分野における検討結果をもとに、様式50の文書全体は診療情報提供書FHIR記述仕様に整合性をとれるようFHIR Bundleリソース(複数のリソースを束ねる役割のリソース)で記述することとし、Bundleリソース内に格納される個々のリソースの構成を記述するためのCompositionリソースにセクション要素を配置し、セクション要素にさらに1段階階層化された情報構造を定義するためのCompositionリソースを配置して、記載欄それぞれを記述できるようにする方針とした。また、訪問看護指示書等については、診療情報提供書FHIR記述仕様に整合性をとれるようFHIR Bundleリソースで記述することとし、Bundleリソース内に格納される個々のリソースの構成を記述するためのCompositionリソースにセクション要素を配置する方針とした。
結論
看護と栄養に関する情報提供様式である様式50、訪問看護指示書・計画書・報告書はすべてBundleリソースで情報リソースを束ねる医療文書として、すでに厚生労働省標準となっている診療情報提供書、退院時サマリーの基本の枠組みとして整合性のある構造で記述でき、FHIR記述仕様が策定され、FHIR実装ガイドのドラフトが作成された。また、様式50では看護と栄養との間でも一貫性のある構造で記述されたFHIR文書となった。
公開日・更新日
公開日
2025-09-17
更新日
-