文献情報
文献番号
202403002A
報告書区分
総括
研究課題名
ICTとAIを活用した患者の病院間搬送支援システムの構築研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22AC1004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
中田 孝明(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院救急集中治療医学)
研究分担者(所属機関)
- 大島 拓(千葉大学 災害治療学研究所)
- 服部 憲幸(千葉大学 医学部附属病院)
- 大網 毅彦(千葉大学 医学部附属病院)
- 西田 修(藤田保健衛生大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座)
- 山尾 恭生(株式会社Smart119)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
15,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
概要版(繰越課題)
1)重症患者転院搬送支援システムに対する画像検査結果等の閲覧・共有機能の付与
前年度までの成果を踏まえ、重症患者転院搬送支援システム(以下、搬送支援システム)において、患者の重症度及び臓器障害等を判定する医療情報は、①集中治療室での重症度評価として広く使用されている、SOFA(Sequential Organ Failure Assessment)スコア算出に必要な情報、②採血検査結果、③レントゲン検査等の画像検査結果、④その他の資料(判定に必要だが、電子化されていない紙面資料)に決定した。前年度終了時点で、①SOFAスコア算出に必要な情報および②採血検査結果は、医療・電子機器から自動抽出し、搬送支援システムへの収載が可能であることはテストデータを用いて確認していた。本年度は、③レントゲン検査等の画像検査も閲覧・共有できるよう改良を重ねた。具体的には、搬送支援システムに共有したい画像をインポートすることで、搬送支援システムでも閲覧・共有できるようにした。④その他の資料(判定に必要だが、電子化されていない紙面資料)も同様な手順で搬送支援システムへ収載可能であることを確認した。
2)改良した重症患者転院搬送支援システムの実現可能性の評価
2024年6月17日に、実現可能性の評価として、従来の転院依頼と搬送支援システムを使用した場合の転院依頼を比較し、システムの効果および今後の課題を明らかにすることを目的とした検証を行った。検証にはあらかじめ生成した架空の5症例(急性呼吸不全・重症敗血症・重症急性膵炎・急性左心不全・重度糖尿病性ケトアシドーシス)を使用し、各症例に対して4つの医療機関に転院依頼する状況を想定した。評価指標は「転院依頼に要する時間」、「転院依頼時の情報伝達率」に設定した。
従来の転院搬送は、電話での情報伝達を想定し、「転院依頼に要する時間」は、支援要請側が症例情報の読み上げを開始してから、受入側が記録用紙への記載を完了するまでの時間を測定した。「転院依頼時の情報伝達率」は、各症例において伝達すべき項目内容を事前に設定し、受入側が記載した症例情報の記録用紙から情報伝達率(情報共有における正答率)を算出した。
搬送支援システムによる転院搬送においては、「転院依頼に要する時間」は、支援要請者側の症例情報入力開始から、全医療機関の回答確認までに要した時間を測定した。「転院依頼時の情報伝達率」は、症例情報は搬送支援システムに医療・電子機器から自動抽出・反映されるため、100%と仮定した。
結果、「転院依頼に要する時間」は、搬送支援システムの使用によって、平均1457.2秒(短縮率:81.9%)短縮し、大幅な時間短縮効果を確認した。「転院依頼時の情報伝達率」は、従来の転院搬送を想定した場合でも98.2%であり、必要な情報は十分伝達できていた。しかし、従来の方法では、血液検査結果は部分的にしか伝達することができず、画像検査結果の共有ができない。そのため、血液検査結果や画像情報共有機能を有する搬送支援システムにより、確実な情報伝達や受入可否判定が可能であることが示唆された。
なお、研究班による会議は、2024年6月17日、9月12日(厚労省担当者同席)し、同一の見解で研究が遂行できるよう努めた。
以上のように、本年度は、搬送支援システムを改良して画像検査結果等の閲覧・共有機能の付与し、システムの実現可能性を評価することを通して、開発・改良したシステムが転院支援を要する患者を適切かつ円滑な転院搬送に寄与することを確認した。
研究の成果ならびに今後の活用:
3年間を通して、開発・改良した搬送支援システムは、転院搬送に必要な重症患者の医療情報の共有に加え、重症患者用病床の空床状況を含む医療機関全体の病床稼働状況をリアルタイムに閲覧でき、患者と医療機関の迅速なマッチングに資するシステムである。
今後は、本システムを全国展開する上での課題を明確にすると共に、国内で活用されている円滑な転院搬送を支援するためのシステムや取り組みに関する調査を通して、より我が国の転院搬送支援に有用なシステムを追究していく。
前年度までの成果を踏まえ、重症患者転院搬送支援システム(以下、搬送支援システム)において、患者の重症度及び臓器障害等を判定する医療情報は、①集中治療室での重症度評価として広く使用されている、SOFA(Sequential Organ Failure Assessment)スコア算出に必要な情報、②採血検査結果、③レントゲン検査等の画像検査結果、④その他の資料(判定に必要だが、電子化されていない紙面資料)に決定した。前年度終了時点で、①SOFAスコア算出に必要な情報および②採血検査結果は、医療・電子機器から自動抽出し、搬送支援システムへの収載が可能であることはテストデータを用いて確認していた。本年度は、③レントゲン検査等の画像検査も閲覧・共有できるよう改良を重ねた。具体的には、搬送支援システムに共有したい画像をインポートすることで、搬送支援システムでも閲覧・共有できるようにした。④その他の資料(判定に必要だが、電子化されていない紙面資料)も同様な手順で搬送支援システムへ収載可能であることを確認した。
2)改良した重症患者転院搬送支援システムの実現可能性の評価
2024年6月17日に、実現可能性の評価として、従来の転院依頼と搬送支援システムを使用した場合の転院依頼を比較し、システムの効果および今後の課題を明らかにすることを目的とした検証を行った。検証にはあらかじめ生成した架空の5症例(急性呼吸不全・重症敗血症・重症急性膵炎・急性左心不全・重度糖尿病性ケトアシドーシス)を使用し、各症例に対して4つの医療機関に転院依頼する状況を想定した。評価指標は「転院依頼に要する時間」、「転院依頼時の情報伝達率」に設定した。
従来の転院搬送は、電話での情報伝達を想定し、「転院依頼に要する時間」は、支援要請側が症例情報の読み上げを開始してから、受入側が記録用紙への記載を完了するまでの時間を測定した。「転院依頼時の情報伝達率」は、各症例において伝達すべき項目内容を事前に設定し、受入側が記載した症例情報の記録用紙から情報伝達率(情報共有における正答率)を算出した。
搬送支援システムによる転院搬送においては、「転院依頼に要する時間」は、支援要請者側の症例情報入力開始から、全医療機関の回答確認までに要した時間を測定した。「転院依頼時の情報伝達率」は、症例情報は搬送支援システムに医療・電子機器から自動抽出・反映されるため、100%と仮定した。
結果、「転院依頼に要する時間」は、搬送支援システムの使用によって、平均1457.2秒(短縮率:81.9%)短縮し、大幅な時間短縮効果を確認した。「転院依頼時の情報伝達率」は、従来の転院搬送を想定した場合でも98.2%であり、必要な情報は十分伝達できていた。しかし、従来の方法では、血液検査結果は部分的にしか伝達することができず、画像検査結果の共有ができない。そのため、血液検査結果や画像情報共有機能を有する搬送支援システムにより、確実な情報伝達や受入可否判定が可能であることが示唆された。
なお、研究班による会議は、2024年6月17日、9月12日(厚労省担当者同席)し、同一の見解で研究が遂行できるよう努めた。
以上のように、本年度は、搬送支援システムを改良して画像検査結果等の閲覧・共有機能の付与し、システムの実現可能性を評価することを通して、開発・改良したシステムが転院支援を要する患者を適切かつ円滑な転院搬送に寄与することを確認した。
研究の成果ならびに今後の活用:
3年間を通して、開発・改良した搬送支援システムは、転院搬送に必要な重症患者の医療情報の共有に加え、重症患者用病床の空床状況を含む医療機関全体の病床稼働状況をリアルタイムに閲覧でき、患者と医療機関の迅速なマッチングに資するシステムである。
今後は、本システムを全国展開する上での課題を明確にすると共に、国内で活用されている円滑な転院搬送を支援するためのシステムや取り組みに関する調査を通して、より我が国の転院搬送支援に有用なシステムを追究していく。
公開日・更新日
公開日
2026-05-13
更新日
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