文献情報
文献番号
202402004A
報告書区分
総括
研究課題名
International Classification of Health Interventions (ICHI) の国内普及の更なる促進に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24AB1001
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学 )
研究分担者(所属機関)
- 岩中 督(東京大学 医学部附属病院)
- 波多野 賢二(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカル・センター 情報管理解析部 データマネジメント室)
- 高橋 長裕(公益財団法人ちば県民保健予防財団 総合健診センター)
- 瀬尾 善宣(社会医療法人医仁会 中村記念病院 診療部 脳神経外科)
- 阿部 幸喜(独立行政法人地域医療機能推進機構 船橋中央病院 整形外科)
- 小川 俊夫(学校法人常翔学園 摂南大学 農学部食品栄養学科公衆衛生学教室)
- 荒井 康夫(北里大学 大学病院 医療情報管理室 診療情報管理課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
2,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
WHO国際分類ファミリー(WHO-FIC)は、その中心分類として疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)、国際生活機能分類(ICF)、保健・医療関連行為に関する国際分類(International Classification of Health Interventions:ICHI)の3つを設けており、共通のファウンデーションから用語を引き出すことで作成しており、各分類が密接に関連している。本研究の目的は、保健・医療関連行為に関する国際分類(ICHI)の我が国での活用方法を提案し、それらを活用して継続的な教育、普及を行うスキームを確立することである。
研究方法
1) ICHIの動向
ICHIの今年度の動向についてWHO-FICネ
ットワーク年次会議・中間会議での活動、および今後について記述する。
2) ICHIの我が国における活用と普及活動
我が国でのICHIの活用を示し、さらにICHIの継続的な教育、普及を行うスキームを確立する。
ICHIの今年度の動向についてWHO-FICネ
ットワーク年次会議・中間会議での活動、および今後について記述する。
2) ICHIの我が国における活用と普及活動
我が国でのICHIの活用を示し、さらにICHIの継続的な教育、普及を行うスキームを確立する。
結果と考察
1) ICHIの動向
WHO-FICネットワーク会議に参加し、ICHIの最新情報を収集するとともに、我が国からは日本の外科手術コードがICHIに非常に近く、マッピングさせると95%以上変換可能で、完全一致させれば国際間での診療行為の比較が可能であると発信した。
FDC会議ではICFとICHIについての調整と調和を取り決める作業が引き続き議論された。またFDC とInformatics and Terminology Committee(情報科学用語委員会、ITC)の合同セッションでは、ICHI については FDC で細かく制度を作成していく段階は済んでおり、今後はメンテナンスとして HIRG というレファレンスグループを立ち上げていくという報告があった。その後HIRG の設置に伴い、WHO事務局よりメンバーの推薦依頼があり、Japan CCからは本研究分担研究者である阿部幸喜氏を推薦し承諾された。
またコンテンツの調整と調和として、ICD、ICF、ICHI間の連携のユースケース(事例)を開発していくことも確認された。
2) ICHIの我が国における活用と普及活動
北海道診療情報管理研究会学術集会の講演(ハイブリッド開催で、現地参加43名、WEB参加40名の合計83名の出席)や、ICHI 研修会では実習形式の研修とし、これまで開催したことのない千葉市、熊本市、仙台市で開催した。ICHI 研修会には計49名((千葉会場23名、熊本会場13名、仙台会場13名)の参加があり、「WHO国際統計分類ファミリーについて」ではICHIコードの概要やWHO-FIC中心分類内でのICD、ICFとICHIの連携などについての講演を行い、その後にICHIコーディング演習として「ICHIのステムコードとエクステンションコード」、「ICHI onlineを用いての検索法」、「ICHIコーディング演習」の研修を行った。今回の内容はICHI をほとんで理解できていない方でもパソコンやタブレット、スマホでの ICHI 検索ができるよう、実習指導者としてICHIの内容を熟知している診療情報管理士3名が付き添い、参加者全員が内容を理解し、ICHI検索ができるよう心掛けた。またICHI 検索ブラウザの日本語訳はできていないため、WEBサイトの翻訳機能を用いての検索方法も指導した。
研修終了時にはICHIコーディングの正解例や具体的な検索法を記載した回答例も配布した。さらにアンケート調査を施行し、35名(回収率71.4%)から回答をいただけた。今後のICHI普及に役立つ貴重な回答をいただくことができた。
またExtension codesの新たにコードが付加されたことより「ICHI Reference Guide」を「翻訳 2025年」版として改訂、日本語訳に「訳者注」という形で修正される内容を加筆した。
WHO-FICネットワーク会議に参加し、ICHIの最新情報を収集するとともに、我が国からは日本の外科手術コードがICHIに非常に近く、マッピングさせると95%以上変換可能で、完全一致させれば国際間での診療行為の比較が可能であると発信した。
FDC会議ではICFとICHIについての調整と調和を取り決める作業が引き続き議論された。またFDC とInformatics and Terminology Committee(情報科学用語委員会、ITC)の合同セッションでは、ICHI については FDC で細かく制度を作成していく段階は済んでおり、今後はメンテナンスとして HIRG というレファレンスグループを立ち上げていくという報告があった。その後HIRG の設置に伴い、WHO事務局よりメンバーの推薦依頼があり、Japan CCからは本研究分担研究者である阿部幸喜氏を推薦し承諾された。
またコンテンツの調整と調和として、ICD、ICF、ICHI間の連携のユースケース(事例)を開発していくことも確認された。
2) ICHIの我が国における活用と普及活動
北海道診療情報管理研究会学術集会の講演(ハイブリッド開催で、現地参加43名、WEB参加40名の合計83名の出席)や、ICHI 研修会では実習形式の研修とし、これまで開催したことのない千葉市、熊本市、仙台市で開催した。ICHI 研修会には計49名((千葉会場23名、熊本会場13名、仙台会場13名)の参加があり、「WHO国際統計分類ファミリーについて」ではICHIコードの概要やWHO-FIC中心分類内でのICD、ICFとICHIの連携などについての講演を行い、その後にICHIコーディング演習として「ICHIのステムコードとエクステンションコード」、「ICHI onlineを用いての検索法」、「ICHIコーディング演習」の研修を行った。今回の内容はICHI をほとんで理解できていない方でもパソコンやタブレット、スマホでの ICHI 検索ができるよう、実習指導者としてICHIの内容を熟知している診療情報管理士3名が付き添い、参加者全員が内容を理解し、ICHI検索ができるよう心掛けた。またICHI 検索ブラウザの日本語訳はできていないため、WEBサイトの翻訳機能を用いての検索方法も指導した。
研修終了時にはICHIコーディングの正解例や具体的な検索法を記載した回答例も配布した。さらにアンケート調査を施行し、35名(回収率71.4%)から回答をいただけた。今後のICHI普及に役立つ貴重な回答をいただくことができた。
またExtension codesの新たにコードが付加されたことより「ICHI Reference Guide」を「翻訳 2025年」版として改訂、日本語訳に「訳者注」という形で修正される内容を加筆した。
結論
2024年にWHAにおいてICHIの承認は叶わなかった。しかし現在Extension codesの具体的コードが振られるよう進んでおり、近年中にICHIの承認が期待できる。
ICHIが承認されると、ICD、ICFの中心分類が同じ土俵となり、これまで以上に世界中で利用されるようになる。ICHIの我が国への活用と普及については、今後も多くの方にICHIを理解していただけるよう「ICHIテキスト」「ICHI Reference Guid」を用いた講習会を継続し、これまでの経験を踏まえて、内容をブラッシュアップしていく予定である。そのために教育・普及の教材の基本となる「ICHIテキスト」の改訂を今回のExtension codes部分を踏まえて出来るだけ早く修正したいと考えている。
今後の最大の課題は、ICHI の日本語訳の作業であり、スピード感を持って対処したい。
ICHIが承認されると、ICD、ICFの中心分類が同じ土俵となり、これまで以上に世界中で利用されるようになる。ICHIの我が国への活用と普及については、今後も多くの方にICHIを理解していただけるよう「ICHIテキスト」「ICHI Reference Guid」を用いた講習会を継続し、これまでの経験を踏まえて、内容をブラッシュアップしていく予定である。そのために教育・普及の教材の基本となる「ICHIテキスト」の改訂を今回のExtension codes部分を踏まえて出来るだけ早く修正したいと考えている。
今後の最大の課題は、ICHI の日本語訳の作業であり、スピード感を持って対処したい。
公開日・更新日
公開日
2025-06-30
更新日
-