文献情報
文献番号
200940011A
報告書区分
総括
研究課題名
ウイルス感染症の体外診断薬の再評価に関する基盤整備に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-013
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小林 和夫(国立感染症研究所 免疫部)
研究分担者(所属機関)
- 川名 尚(帝京大学医学部附属溝口病院 )
- 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 庵原 俊昭(国立病院機構三重病院)
- 岡田 賢司(国立病院機構福岡病院)
- 岡本 貴世子(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
- 蒲地 一成(国立感染症研究所 細菌第二部)
- 大西 和夫(国立感染症研究所 免疫部)
- 水澤 左衛子(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
8,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ウイルス感染症等体外診断薬の臨床領域における問題点を抽出し、国内標準パネルを整備して体外診断薬の再評価に基盤を提供し、臨床<->基礎医学領域の双方向的橋渡し研究を推進することが目的である。
研究方法
ウイルス感染症:性器ヘルペスウイルス感染症(5類定点把握感染症、感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する法律)、インフルエンザ(新型インフルエンザ等感染症、5類定点)、風疹(5類全数)、麻疹(5類全数)、A型肝炎(4類)、加えて、細菌感染症:百日咳(5類定点)を研究対象感染症とした。研究における倫理面への配慮として、生命倫理、動物愛護や遺伝子組換実験など、規程に準拠し、機関承認を得て遂行した。なお、利益相反はなかった。
結果と考察
性器ヘルペスウイルス感染症の血清診断やインフルエンザ迅速診断キットの感度解析でキット間格差が認められた。風疹IgG国内標準血清の国際標準血清に対する相対力価を決定し、標準化を推進した。風疹・麻疹抗体の標準化に関し、各測定価の互換性や発症・予防抗体価を提言した。特異的単一クローン抗体とA型肝炎ウイルス抗原の反応評価系を構築し、A型肝炎の新規体外診断薬の開発に基盤を提供した。百日咳抗原の精製や百日咳患者由来血清(標準血清)標準パネル検体を選定した。国際標準品整備(世界保健機関)や体外診断薬の精度管理に資する標準パネルの管理及び審査等の事項を適正かつ円滑に実施するため、「国立感染症研究所認定国内標準パネル運営委員会」を設置し、審査・供給体制を整備した。
結論
感染症診断におけるキット間の感度格差を是正するため、また、体外診断方法の評価や精度管理に国内・国際標準検体の整備・供給体制は不可欠であり、迅速で正確な診断は医療のみならず、公衆衛生の向上や増進、その結果、国際貢献にも寄与する。臨床<->基礎医学の橋渡し研究成果が良質な感染症診断・医療や技術開発に基盤を提供することが期待される。
公開日・更新日
公開日
2010-06-02
更新日
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