国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する研究

文献情報

文献番号
200940002A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
井上 達(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 林 真(財団法人食品農医薬品安全性評価センター )
  • 三森 国敏(東京農工大学大学院共生科学技術研究院動物生命科学部門)
  • 本間 正充(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター変異遺伝部)
  • 中江 大(東京都健康安全研究センター)
  • 小野寺 博志(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
  • 平林 容子(医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター毒性部)
  • 大野 泰雄(医薬品食品衛生研究所 副所長)
  • 佐藤 薫(医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター薬理部)
  • 小島 肇(医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター薬理部新規試験評価室)
  • 豊島 聡(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
  • 奥田 晴宏(医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター有機化学部)
  • 中村 秀文(国立成育医療センター 治験管理室)
  • 岡田 美保子(川崎医療福祉大学医療技術学部医療情報学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年新たな創薬の気運により医薬品の開発のグローバルな取り組みが進んでいる。日、米、EUの3極の医薬品規制当局と製薬業界は、その同時開発、同時申請・承認の気運に対して医薬品の有効性や安全性評価の考え方の国際的協調の推進が求められている。かかる時代の要求に即して3カ年計画の最終年度にあたり、引き続きこれに必要な研究を実施し、ひとくぎりの成果を上げた。
研究方法
本研究班の研究組織は昨年度バイオ医薬品の一課題を加えた他は昨年と同様であった。研究分担者は各部会に所属して、それぞれの研究課題を分担し、各部会幹事の指導のもとに、自主的に研究を展開した。ひきつづき研究分担者以外の多くの研究者の協力を得ている。研究は研究分担者ごとに国内研究を実施するとともに、国際研究として平成21年6月に横浜、10月にセントルイスにおけるICH専門家会議に参加し、ガイドラインの検討、研究成果の国際的発信を目指した。S9においてスッテプ4 、S6においてスッテプ2 、M3においてスッテプ4 などの成果を上げる基盤となる研究成果を上げた。また平成22年1月19日に東京にて研究班総会を開催し、研究成果の発表と討議を行った。研究成果は別途編集刊行される。
結果と考察
日、米、EU3極それぞれの製薬業界とレギュラトリーの6者からなる国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する協調体制のもと、新規医薬品の同時開発、同時申請・承認に応える協力体制への対応研究として、非臨床安全性部門2、非臨床有効性部門1、臨床有効性部門1などに分担し、ICHにおいてS9においてスッテプ4 、S6においてスッテプ2 、M3においてスッテプ4 などの成果を上げる基盤となる研究成果を上げた。以上の成果に基づいて将来の医薬品開発に大きく寄与することが期待される。
結論
本研究班においては、非臨床安全性部門、非臨床有効性部門、臨床有効性部門において合計12件の各個研究を実施し、それぞれにおいて有意義な研究成果を上げると共に国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する研究において国際的ガイドラインの作成、改訂などを想定した必要な検討が進んだ。

公開日・更新日

公開日
2010-04-16
更新日
-

文献情報

文献番号
200940002B
報告書区分
総合
研究課題名
国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
井上 達(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 林 真(財団法人食品農医薬品安全性評価センター)
  • 三森 国敏(東京農工大学大学院共生科学技術研究院動物生命科学部門)
  • 本間 正充(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター変異遺伝部)
  • 中江 大(東京都健康安全研究センター)
  • 小野寺 博志(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
  • 平林 容子(医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
  • 大野 泰雄(医薬品食品衛生研究所 副所長)
  • 佐藤 薫(医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター薬理部)
  • 小島 肇(医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター薬理部新規試験評価室)
  • 豊島 聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
  • 奥田 晴宏(医薬品食品衛生研究所 有機化学部)
  • 中村 秀文(国立成育医療センター 治験管理室)
  • 岡田 美保子(川崎医療福祉大学医療技術学部医療情報学科)
  • 中澤 憲一(医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター薬理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年の新たな創薬の気運により医薬品の開発のグローバルな取り組みが進んだ。これに即して日、米、EUの3極の医薬品規制当局と製薬業界は、その同時開発、同時申請・承認の気運に対応した医薬品の有効性や安全性評価の国際的協調の推進のために必要な研究課題を推進した。
研究方法
国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する産、学、官の協力による有効性、安全性評価のためのガイドラインの作成の基礎作りや、これに必要な研究を実施することとした。研究組織は非臨床安全性部門、非臨床有効性部門、臨床有効性部門の計12個別研究課題(バイオ医薬品については第2年度より)とした。研究分担者は各部会に所属して、それぞれの研究課題を分担し、各部会幹事の指導のもとに自主的に研究を展開した。全体として研究分担者以外の多くの研究者の協力を得ている。研究は分担研究者ごとに国内研究を実施するとともに、国際研究として平成19年5月にブラッセル、11月に横浜、平成20年6月にポートランド、11月にブラッセル、平成21年6月に横浜、10月にセントルイス等一連のICH関連の専門家会議に参加し、研究成果の国際的発信と交流を行うと共にガイドライン作成の基盤を構築した。計3年間の経過の中で逐次1月下旬に研究班総会を開催し、研究成果の発表と討論を行い、社会への進展の公表に務めた。
結果と考察
3年間の成果として日、米、EU3極それぞれの製薬業界とレギュラとリーの6者からなる国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する協調体制構築のための研究が進展した。全体を通してS9においてスッテプ4 、S6においてスッテプ2 、M3においてスッテプ4 などの成果を上げる基盤となる研究成果を上げた。以上の成果に基づいて、本研究が将来の医薬品開発に大きく寄与することが期待される。
結論
本研究班においては、非臨床安全性部門、非臨床有効性部門、臨床有効性部門において合計12件の各個研究を実施し、それぞれにおいて有意義な研究成果を上げると共に国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する研究において国際的ガイドラインの作成、改訂などを想定した必要な検討が進んだ。

公開日・更新日

公開日
2010-04-16
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200940002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する協調体制のもとで、新規医薬品の同時開発、同時申請・承認を進める協力体制を構築することは、一義的には各極のステークホルダーの様々な利害と直結した政治課題であるがその本質的な推進のための原動力としては、個々の課題が持つ専門的、学問的な道理を基盤として合意に達する性質を持っている。この意味で各課題において各々の研究分担者は学術的に高い貢献を成し、この点で成果は高く評価される。
臨床的観点からの成果
国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する協調体制のもとで、新規医薬品の同時開発、同時申請・承認を進める協力体制を構築するための研究を行った。この課題の中で臨床有効性部門において小児治験のガイドライン作成のために3年間にわたる臨床研究が実施された。小児治験のための留意点等の詳細がまとめられガイドライン化の基本的な基盤形成が進んだ。
ガイドライン等の開発
国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する協調体制のもとで、新規医薬品の同時開発、同時申請・承認を進める協力体制を構築するための研究を行った。S9においてスッテプ4 、S6においてスッテプ2 、M3においてスッテプ4 などの成果を上げる基盤となる研究成果を上げた。これらについてはガイドラインの作成の方向でパブリックコメントの募集、これらのフィードバック等が進められ、ガイドライン案作成の準備が引き続き進展している。
その他行政的観点からの成果
国際的整合性を目指す新規医薬品の同時開発、同時申請・承認を進める協力体制を構築するための研究を行った。これにより各トピックにおいて少なからぬスッテプアップの成果を上げることが出来た。本研究では、これらのICHで検討されている課題と別にも光毒性や代替法などの課題が独自の行政的ニーズに基づく研究として進められている。これらはその進展の度合いに応じて我国のレギュラトリーが発信する国際的協調研究の基盤を成すものであり、行政的視点から見ても貴重な財産と成るものと考えられる。
その他のインパクト
国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する協調体制のもとで、新規医薬品の同時開発、同時申請・承認を進める協力体制を構築するための本研究課題は、科学と行政を結合する他に類例を見ない科学の発展と貿易障壁等の撤廃の推進に貢献する大きな期待の寄せられる研究フレームワークである。このスキームそのものが他の厚生科学研究に与えるインパクトは大きく、更なる新たな課題を創出してきた。本邦の国際的位置を向上させるためには、本研究を発展させることに重要な意義がある。

発表件数

原著論文(和文)
61件
原著論文(英文等)
30件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
96件
学会発表(国際学会等)
90件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Hirabayashi Y, Inoue T.
Aryl hydrocarbon receptor biology and xenobiotic responses in hematopoietic progenitor cells
Biochem Pharmacol , 77 (4) , 521-535  (2009)
原著論文2
Horiuchi S, Ishida S, Hongo T, et al.
Global gene expression changes including drug metabolism and disposition induced by three-dimensional culture of HepG2 cells-Involvement of microtubules
Biochem Biophys Res Commun. , 378 , 558-562  (2009)
原著論文3
Midori Yoshida, Atsushi Sanbuissyo, Shigeru Hisada, et al.
Morphological characterization of the ovary under normal cycling in rats and its viewpoints of ovarian toxicity detection
J. Toxicol. Sci. , 34 (1) , 189-197  (2009)
原著論文4
Fukuhara, K., Nakanishi, I, Matsuoka, A., et al.
Effect of methyl substitution on antioxidative Propertiepropertys and genotoxicity of resveratrol
Chem. Res. Toxicol. , 21 , 282-287  (2008)
原著論文5
Inoue T, Kodama Y.
Future alternatives in "3Rs": Learning from history
Alternatives to Animal Testing and Experimentation , 14 , 257-260  (2008)
原著論文6
Nakae D, Onodera H, Fueki O, et al.
Points to consider on the non-clinical safety evaluation of anticancer drugs
J Toxicol Sci , 33 , 123-126  (2008)
原著論文7
Nakazawa T, Kurokawa M, Kimura K, et al.
Safety assessment of biopharmaceuticals: Japanese perspective on ICH S6 guideline maintenance
J Toxicol Sci. , 33 , 277-282  (2008)
原著論文8
Nohmi, T., Toyoda-Hokaiwado, N., Yamada, M., et al.
International Symposium on Genotoxic and Carcinogenic Thresholds
Genes and Environment , 30 , 101-107  (2008)
原著論文9
Oku T, Kaneko Y, Murofushi K, et al.
Phorbol ester-dependent phosphorylation regulates the association of p57/coronin-1 with the actin cytoskeleton
J. Biol. Chem , 283 (43) , 28918-28925  (2008)
原著論文10
Suzuki H, Inoue T, Matsushita T, et al.
In vitro gene expression analysis of hepatotoxic drugs in rat primary hepatocytes
J Appl Toxicol. , 28 , 228-236  (2008)
原著論文11
Suzuki H, Inoue T, Matsushita T, et al.
In vitro gene expression analysis of nephrotoxic drugs in rat primary renal cortical tubular cells
J Appl Toxicol. , 28 (237) , 237-238  (2008)
原著論文12
Burlinson B, Tice RR, Speit G., et al.
Fourth International Workgroup on Genotoxicity testing: Results of the in vivo Comet assay workgroup
Mutat Res. , 627 , 31-35  (2007)
原著論文13
Abe M, Suzuki N, Yoshida M, et al.
Preliminary evaluation of toxicologic and carcinogenic risks of copper gluconate in rats given multiple carcinogens
J Toxicol Pathol. , 19 , 129-135  (2006)
原著論文14
Corvi R, Ahr HJ, Albertini S, et al.
Meeting report: Validation of toxicogenomics-based test systems: ECVAM-ICCVAM/NICEATM considerations for regulatory use
Environ Health Perspect , 114 , 420-429  (2006)
原著論文15
Hakamata W, Nakanishi I, MasudaY, et al.
Planar catechin analogues with alkyl side chains: a potent antioxidant and an alpha-glucosidase inhibitor
J Am Chem Soc. , 128 , 6524-6525  (2006)
原著論文16
Kirkland D, Aardema M, Mueller L, er al.
Evaluation of the ability of a batteryof three in vitro genotoxicity tests to discriminate rodent carcinogens and non-carcinogens—II. Further analysis of mammalian cell results, repative predictivity and tumour profiles
Mutat Res. , 608 , 29-42  (2006)
原著論文17
Oka H, Ikeda K, Yoshimura H, et al.
Relationship between p53 status and 5-fluorouracil sensitivity in 3 cell lines
Mutat Res. , 606 , 52-60  (2006)
原著論文18
Shimazawa R, Ando Y, Hidaka S, et al.
Development of Triptans in Japan: Bridging Strategy Based on the ICH-E5 Guideline
J Health Sci. , 52 , 443-449  (2006)
原著論文19
Torous D, Asano N, Tometsko C, et al.
Performance of flow cytometric analysis for the micronucleus assay— a reconstruction model using serial dilutions of malaria infected cells with normal mouse peripheral blood
Mutagenesis , 21 , 11-13  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
-