特定集団を含めたリスクコミュニケーションの媒体(教材)とプログラム開発と普及に関する研究

文献情報

文献番号
200939035A
報告書区分
総括
研究課題名
特定集団を含めたリスクコミュニケーションの媒体(教材)とプログラム開発と普及に関する研究
課題番号
H21-食品・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
丸井 英二(順天堂大学 医学部公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 守山 正樹(福岡大学 医学部)
  • 吉川 肇子(慶應義塾大学 商学部)
  • 杉浦 淳吉(愛知教育大学 教育学部)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学 生活科学部)
  • 城川 美佳(東邦大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
8,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
情報弱者など特定集団対象の食の安全を学ぶゲーミングシミュレーションに基づいた教育プログラムとツール(教材)の開発、と効果的利用の場(機会)の検証と普及方法の検討、「リスクコミュニケーターの必要要件の明確化と養成プログラム開発である。
研究方法
研究班でのディスカッションにより、情報弱者としての子ども及び視覚障害者を対象としたゲーミングシミュレーションの開発に着手した。開発は、社会心理学研究者中心の開発グループのディスカッションによる。また、現状把握としてWebを利用した知識量調査を実施した。開発は、試作品の完成後試用し、フォーカスグループディスカッションを実施し、改善につなげた。在日外国人のニーズを得るため、彼らを支援する栄養専門家を対象としたフォーカスグループディスカッションを実施した。
結果と考察
子ども対象として1.化学物質の量と反応の理解(3試作品)2.遺伝子組換え農作物・食品の2つのゲーミングシミュレーション(完成)と視覚障害者対象3.二次元展開イメージ法のためのツール(試作品完成)、4.食の安全カルテット点字版マッピング(完成)の開発に着手した。1.は次年度の完成を目指し改良する。2.においてはWeb調査で知識として知られている内容が限定されていることがわかったため、今後普及方法を考える必要がある。3.は利用可能ではあるが、一般化することが困難であることが示唆された。評価を次年度以降に実施する。4.はQOL向上といった波及効果が予測され、評価票を作成し、次年度以降に評価を実施する。在日外国人においては食の安全に対する興味が確認できず、情報が知らされていないことも十分に考えられるため、情報提供が課題であることがうかがえた。
結論
子ども対象の化学物質の量と反応の理解のゲーミングシミュレーションは、概念を具象化することが困難であった。遺伝子組換え農作物については、安全性の他、現状についての知識不足からゲーミングシミュレーションの利用が重要であることが考えられた。点字利用のカルテットはグループインタビューにより有効性が質的に認識できたため量的に今後把握する必要がある。在日外国人においては情報提供方法から検討の必要があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-