食品衛生法における遺伝子組換え食品等の表示のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200939034A
報告書区分
総括
研究課題名
食品衛生法における遺伝子組換え食品等の表示のあり方に関する研究
課題番号
H20-食品・一般-016
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
手島 玲子(国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉川肇子(慶應義塾大学・商学部)
  • 穐山浩(国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、GM表示制度に沿ったGM食品の定量検査法のシステムの確立と検証(バリデーション)に関する研究を行うことを第一の目的に,また、食品衛生法上の遺伝子組換え(GM)食品の表示制度に関しても,表示に関する国際的動向調査、国内のアンケート調査等を行うことにより、科学的知見に基づく消費者動向に関する情報を得ることを目的とする。
研究方法
GM食品の定量検査法のシステムの確立と検証に関する研究では,安全性審査が終了したGMトウモロコシにおいて、スクリーニング試験用のGMトウモロコシの定量検査法の開発と複数機関の検証を行った。また平成20年度に妥当性が確認された粒単位検査法を用いて2009年度産の不分別トウモロコシ2検体の混入率及び系統判別分析に応用し、遺伝子組み換え食品の表示のあり方についての研究を行った.表示に関する調査研究では,消費者動向に関して,海外の現状調査は,英国サリー大学での情報収集を行い,国内消費者に対しては,アンケート調査により遺伝子組換え食品に関する情報が消費者の態度に与える影響について調査を行った.
結果と考察
安全性審査が終了したGMトウモロコシにおいて、新たにスクリーニング分析法の効率化・省コスト化を目指して開発したP35S配列およびGA21特異的配列を同時に定量検知することが可能なDuplexリアルタイム PCR法の分析法としての妥当性を検討し、多機関のバリデーションを行った結果、本スクリーニング分析法の妥当性が確認された。また2009年度産の不分別トウモロコシ2検体の混入率及び系統判別分析に関して, GM粒の中でスタック種の割合が50%程度と比較的高いことが判明した。表示に関する調査研究では,海外の動向で,英国サリー大学での聞き取り調査から,主にイギリスとEU諸国における組換え食品の表示および,社会的な議論の動向についての情報が得られた.また,国内のアンケート調査から,遺伝子組換え食品についての消費者の購買態度は,情報提示によって変化することが示された。
結論
スタック品種を対象にしたGM食品の定量検査法,並びに表示のあり方に関する調査研究において,有用な研究結果を得ることができた.今後これらデータを食品衛生法に反映させてゆくとともに,コーデックス,ISO等と協力し国際的ハーモナイゼーションにつとめることも重要な課題であると思われる。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
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