既存添加物の有効性と品質を確保するための規格試験法の開発

文献情報

文献番号
200939027A
報告書区分
総括
研究課題名
既存添加物の有効性と品質を確保するための規格試験法の開発
課題番号
H20-食品・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 壮(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀江 正一(大妻女子大学 家政学部)
  • 受田 浩之(高知大学 教育研究部自然科学系農学部門)
  • 松本 清(九州大学大学院 農学研究院)
  • 松藤 寛(日本大学 生物資源科学部)
  • 杉本 直樹(国立医薬品食品衛生研究所 環境衛生化学部)
  • 多田 敦子(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 秋山 卓美(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 水上 元(名古屋市立大学大学院 薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、これまでの既存添加物成分規格では対応が不十分であった有効性評価と基原の確認に対応するために、既存添加物について、(1)有効性を担保できる品質評価試験法の作成、(2)混合物の確認能力にすぐれたGC/MS、LC/MS、NMRを利用した規格試験法の開発、(3)基原の確認試験法の開発、をめざす。
研究方法
A.有効性を担保できる品質評価試験法の開発
(A1)成分規格試験法に利用できる抗酸化活性測定の標準操作法を確立
(A2)天然抗酸化剤の品質劣化と過剰使用による食品中での有害物質生成の可能性と生成メカニズムの検討
(A3)保存料・日持ち向上剤の抗菌活性の評価と抗菌活性評価の指標成分の探索
B.定量NMRを用いた既存添加物の新規分析法の開発と応用に関する研究
C.基原確認試験法の開発
(C1)植物由来添加物の成分と原料植物中の成分との比較と、市販製品の基原の考察
(C2)酵素製品の基原を酵素タンパク質から確認する方法の検討
D.業界自主規格作成に向けての検討
結果と考察
(A1)β-カロテン退色法、TBA法の適用性を評価するとともに、DPPH法、ABTS法、WST-1法、ORAC法の各測定値との関連性を評価した。酸化防止剤の併用効果の解析を行った。ORAC法の疎水性酸化防止剤への適合性を検証した。既存添加物ドクダミ抽出物中の含有成分の抗酸化活性寄与率を算出した。
(A2)ローズマリー抽出物およびチャ抽出物を強制的に酸化劣化させた際に生成した遺伝毒性物質について、生成条件と活性発現メカニズムを解析した。
(A3)既存添加物製品の抗菌・抗かび活性をスクリーニングした。抗菌活性成分の分画を試みた。
(B)ソバ乾麺中のクエルセチン、クエルセチン配糖体を成分とする食品添加物と市販試薬、セスキテルペンとアルカロイドを成分とする植物抽出物と市販試薬の各含量を定量NMRで絶対定量した。
(C1)既存添加物クワ抽出物製品と生薬ソウハクヒ製品(ともにクワの根皮を基原とする。)の含有成分分析結果から基原植物種を考察した。
(C2)8品目の酵素について、国内で流通しているほぼすべてにあたる103試料を入手し、SDS-PAGE分析をし、基原種と電気泳動パターンとの関連を解析した。
(D)添加物業界業界自主規格の新規作成と見直し、およびEUにおける新たな食品酵素規制に関する調査研究を行った。
結論
ほぼ予定通り研究が進んだ。いずれの課題も研究を継続する。

公開日・更新日

公開日
2010-05-28
更新日
-