食品衛生関連情報の効率的な活用に関する研究

文献情報

文献番号
200939001A
報告書区分
総括
研究課題名
食品衛生関連情報の効率的な活用に関する研究
課題番号
H19-食品・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
森川 馨(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 都(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 )
  • 春日 文子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 窪田 邦宏(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 登田 美桜(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 井部 明広(東京都健康安全研究センター 食品化学部)
  • 神谷 信行(東京都健康安全研究センター 疫学情報室)
  • 杉山 広(国立感染症研究所 寄生動物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
8,190,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品の安全確保業務に関わる国や地方の衛生研究所、保健所、検疫所等(以下、関係機関)と連携し、食品関連情報の関係機関間での共有や効率的活用、原因不明食中毒事例(主に微生物以外の原因が疑われるもの)への対応、既存の統計システムや報告システムでは把握が困難な微生物や寄生虫による食中毒の被害実態について研究を行う。
研究方法
1.食品の安全性に関わる国際機関や各国機関のwebサイト、学術雑誌等で最新情報や評価情報、ヒスタミン食中毒情報、原因不明食中毒事例等を調査した。2.急性下痢症疾患及びアニサキス症の被害実態を推定する方法を検討した。
結果と考察
1.食品安全に関わる国内外の最新情報やメディア情報等を常時収集し関係機関で共有すると共に、当研究班で作成した輸入食品の違反事例検索システムや農薬・動物用医薬品ADIデータベースのデータを追加・更新しwebで提供した。2.わが国のヒスタミン食中毒の発生状況(1998年以降)及び食中毒詳報をもとに発生原因等を検討し、また各国の対策について調査した。3.過去の原因不明食中毒事例(主に化学物質や天然成分などの関与が疑われるもの)の分析結果及び国外の食品由来疾患アウトブレイク対応ガイドライン等から、こうした事案発生時における適切な対応のための要点や課題について検討した。4.衛生研究所報告や関連学術雑誌などを調査し、関係検査機関が使用できる主要な化学物質や自然毒の分析法をまとめた。5.臨床検査機関のアクティブサーベイランスデータをもとにM県における4年間の急性下痢症の被害実態を推定し、さらに日本全国への適用を検討した。6.わが国の代表的な食品媒介の寄生虫症であるアニサキス症について、4年間の健康保険組合のレセプトデータをもとに、わが国で発生する年間のアニサキス感染者を推計した。
結論
国内外の最新情報やメディア情報の共有及び重要課題の詳細な調査を行い、関係機関の業務に活用した。化学物質や天然成分の関与が疑われる原因不明食中毒事例について対応の要点及び主な化学物質の分析法をまとめた。わが国の急性下痢症疾患及びアニサキス症に関する実被害者数を推定した。

公開日・更新日

公開日
2010-05-27
更新日
-

文献情報

文献番号
200939001B
報告書区分
総合
研究課題名
食品衛生関連情報の効率的な活用に関する研究
課題番号
H19-食品・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
森川 馨(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 都(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 春日 文子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 窪田 邦宏(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 登田 美桜(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 井部 明広(東京都健康安全研究センター 食品化学部)
  • 神谷 信行(東京都健康安全研究センター 疫学情報室)
  • 杉山 広(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 大塚 博史(熊本市保健所)
  • 安田 和男(東京都健康安全研究センター 食品化学部(平成19年度))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品の安全確保業務に関わる国や地方の衛生研究所、保健所、検疫所等(以下、関係機関)と連携し、食品関連情報の関係機関間での共有や効率的活用、原因不明食中毒事例への対応、既存のシステムでは把握が困難な微生物や寄生虫による食中毒の被害実態について研究を行う。
研究方法
1.国際機関や各国機関のwebサイト、学術雑誌等で最新情報や評価情報、原因不明食中毒事例等を調査した。2.急性下痢症疾患及びアニサキス症の被害実態を推定する方法を検討した。
結果と考察
1.食品安全に関わる国内外の最新情報やメディア情報等を常時収集し関係機関で共有した。また輸入食品の違反事例検索システムや農薬等ADIデータベースを更新しwebで提供した。2.食品中の残留トリフェニルメタン系色素、国内外のヒスタミン食中毒、中国の乳製品等のメラミン汚染事案について詳細な調査を行った。3.過去の主な原因不明食中毒事例をもとに発生状況ごとの特徴や原因解明プロセスを分析し、化学物質や天然成分の関与が疑われる原因不明食中毒事例への対応について検討した。4.熊本市のセレウス菌による食中毒事件(2001)をもとに食中毒発生時における保健所など関係機関の役割及び連携のあり方を検討した。5.過去の食中毒事例発生時における地方衛生研究所等の対応を検討すると共に、関係検査機関が使用できる主要な化学物質や自然毒の分析法をまとめた。6.臨床検査機関のアクティブサーベイランスデータ、電話住民調査等の結果をもとにM県における急性下痢症の被害実態を推定し、さらに日本全国への適用を検討した。7.アニサキス症の被害実態把握のための方法を検討した結果、4年間の健康保険組合のレセプトデータをもとにわが国で発生するアニサキス感染者数を推計した。
結論
食品の安全性に関わる重要課題の詳細な調査を行うと共に国内外の最新情報やメディア情報を関係機関が共有し業務に活用した。原因不明食中毒事例(主に化学物質や天然成分の関与が疑われるもの)における原因解明のための対応及び関係機関の役割と連携について検討した。食中毒として報告されない散発事例を含めた急性下痢症疾患、及びアニサキス症について実被害者数を推定した。

公開日・更新日

公開日
2010-05-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200939001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
既存の報告システムでは被害実態の把握が困難な急性下痢症疾患及びアニサキス症について実被害者数の推定方法を検討した。また化学物質や天然成分が関与する疑いのある原因不明食中毒事例への対応について検討した。こうした課題に関する研究はこれまできわめて少ない。急性下痢症疾患の実被害推定に関する研究は、米国(FoodNet)をはじめ、WHO、英国他各国機関との共同研究の一環であり、電話会議や国際会議で各国の研究者がそれぞれの手法や推定結果等を比較し精度向上をはかっている。

臨床的観点からの成果
なし
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
衛生研究所、保健所、検疫所など食品衛生行政と密接に関わる関係機関のネットワークを構築し、食品の安全性に関する緊急情報(中国における乳・乳製品等のメラミン汚染事案ほか)や最新情報を共有することにより、業務にタイムリーに活用することができた。食中毒に関連する研究(被害実態の推定、原因不明事例への対応、ヒスタミン中毒の発生状況)は、厚生労働省関連部署及び関係機関と連携しながら実施したもので、今後の食品行政施策に科学的根拠にもとづく基礎データを提供するものである。
その他のインパクト
農薬・動物用医薬品のADI(1日許容摂取量)データベース(*1)及び輸入食品違反事例検索システム(*2)をホームページで一般に公開している。
*1:http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/pest_res/index.html
*2:http://www.nihs.go.jp/hse/food-kkportal/index.html

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
7件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
6件
学会発表(国際学会等)
5件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
2件
ホームページ:農薬等ADIデータベース及び輸入食品違反事例検索システム

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kubota K., Iwasaki E., Inagaki S.,et al.
The human health burden of foodborne infections caused by Campylobacter, Salmonella, and Vibrio parahaemolyticus in Miyagi Prefecture, Japan
Foodborne Pathogens and Disease , 5 (5) , 641-648  (2008)
原著論文2
登田美桜,畝山智香子,山本都,他
国内外におけるヒスタミン食中毒
国立医薬品食品衛生研究所報告 , 127 , 31-38  (2009)

公開日・更新日

公開日
2013-05-27
更新日
-