土砂崩壊防止のための対策工に関する研究

文献情報

文献番号
200938004A
報告書区分
総括
研究課題名
土砂崩壊防止のための対策工に関する研究
課題番号
H20-労働・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
日下部 治(東京工業大学 大学院理工学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 竹村 次朗(東京工業大学 大学院理工学研究科)
  • 高橋 章浩(東京工業大学 大学院理工学研究科)
  • 井澤 淳(東京工業大学 大学院理工学研究科)
  • 豊澤 康男((独)労働安全衛生総合研究所 研究企画調整部)
  • 伊藤 和也((独)労働安全衛生総合研究所 建設安全研究グループ)
  • 玉手 聡((独)労働安全衛生総合研究所 建設安全研究グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は,工事中の土砂崩壊災害を防止するため,中小規模の掘削工事に特化した対策工の基本概念および最適設計手法を提案し,安全に掘削工事を行える工法の開発または高度化を図ることを目的としている。
研究方法
本研究では,特に以下の3項目について研究を行う。
(1)災害事例および土砂崩壊防止対策に関する設計手法の調査 
(2)土砂崩壊防止のための対策工の各種要因の影響評価 
(3)土砂崩壊防止のための対策工に関する最適設計手法の提案 
これらの項目について,災害事例の調査,土砂崩壊防止対策に関する設計事例の調査および切土掘削工事による斜面崩壊を防止する対策工に関する遠心実験を取り上げ実施した
結果と考察
【斜面崩壊による労働災害事例の追加調査・分析】:昨年度構築した災害事例情報のデータベース化をもとにしてさらに災害事例を追加して災害事例の類型化を試みた。【擁壁のより安全な施工方法に関する調査・検討】:土止め擁壁施工時の床掘りや急勾配掘削を行った斜面近傍で行う作業をなるべく軽減するような“より安全な”施工方法について調査・検討した。【斜面上付加荷重による斜面安定の影響】:斜面崩壊の一因として斜面上に重機や資材を置く斜面上付加荷重による影響について,すべり安定計算と遠心模型実験を行い,付加荷重による斜面安全率の低減を簡便に示す図表を作成した。【降雨による斜面崩壊の前兆現象に関する研究】:斜面崩壊の誘因として降雨と地震に着目し,地震等により生じたクラックや変形が,その後の降雨による斜面崩壊に与える影響を遠心模型実験により検討した。
結論
当該年度では,労働災害が多く発生している中小規模掘削工事に特化した土砂崩壊防止のための対策工について,「災害事例の調査、土砂崩壊防止対策に関する設計事例の調査および切土掘削工事による斜面崩壊を防止する対策工に関する遠心実験を取り上げ実施した。今年度実施した研究成果により,1)斜面崩壊による労働災害事例のデータベースの公開,2)重力式擁壁等のより安全な施工方法の公開,3)斜面安定性に関する斜面高さと勾配の安定性評価の公開が行える。以上の成果については,次年度以降も継続的に検討を行い,成果を一般に公表・活用できるように努める。

公開日・更新日

公開日
2010-06-15
更新日
-