看護基礎教育の充実および看護職員卒後研修の制度化に向けた研究

文献情報

文献番号
200937071A
報告書区分
総括
研究課題名
看護基礎教育の充実および看護職員卒後研修の制度化に向けた研究
課題番号
H21-医療・指定-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中山 洋子(福島県立医科大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山内 豊明(名古屋大学 医学部)
  • 小山 眞理子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部看護学科)
  • 永山 くに子(富山大学 医学部看護学科)
  • 衣川 さえ子(国際医療福祉大学 小田原保健医療学部 (前厚生労働省看護研修研究センター))
  • 坂本 すが(東京医療保健大学 医療保健学部)
  • 山本 あい子(兵庫県立大学 地域ケア研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
17,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、社会の変化に対応できる看護専門職の育成に向けて、1) 看護基礎教育の充実に向けての検討、2) 看護教員養成における課題の検討、3)新人看護師の卒後研修の制度化に向けての検討、4)高度実践看護師教育の制度化に向けての検討を行い、看護基礎教育と看護卒後教育のあり方を検討するための基礎資料を作成することを目的とする。
研究方法
7つのプロジェクトを組み、研究代表者、研究分担者がそれぞれの研究課題を担当し、質問紙を用いた実態調査を中心に研究を実施した。
結果と考察
1)では、看護教員175名の研究協力者を得て看護基礎教育において実際に行っている教育内容を分析して中核となる概念を抽出し、コアカリキュラムに向けての検討を開始した。また、看護実践に必要なフィジカルアセスメント能力を育成するために、生体シミュレーターを用いて呼吸音聴取練習と心音聴取練習を学生24名に実施し、看護実践能力育成のための効果的な教育方法を検討した。さらに改正したカリキュラム評価の基礎資料を作成するために、質問紙による全国調査を実施し、看護基礎教育卒業前の看護実践能力の習得度についての実態を把握した(看護養成機関113校から2566名の有効回答を得た)。2)については、「看護教員講習会」における看護教員養成カリキュラムに焦点を当て、現行の教員養成の課題を明らかにした。質問紙調査では、講習会受講生305名と新人教員185名から回答を得て、教育目標の達成度と学習ニーズを把握した。さらに看護教員の養成とキャリアアップに必要な教育システムの再構築に関与する全国の看護教員を対象に質問紙調査を行い、実態を把握した(看護学校627校、専任教員6873名から有効回答を得た)。これらの結果によって、看護教員の教育力を育成するために必要な支援等を明らかにすることができた。3)については、平成20年度に実施した看護師臨床能力向上推進事業の分析・評価を、報告書、ヒアリング、質問紙調査によって実施し、各施設に最適な研修内容・方法を選択・採用していくことを支援するような仕組みを構築すること等の課題が明らかになった。4)については、先進的に高度実践看護師育成に取り組んでいるアメリカ、ドイツ、フランス、韓国の法制度や看護職の養成制度について調査し、看護職の業務や裁量権の範囲を明らかにした。
結論
本研究成果は、看護教育におけるカリキュラムの作成、看護教員の質の向上、新人看護師研修の質の向上と推進、看護専門職の裁量権の拡大などについて検討する際の資料として広く活用することができると考える。

公開日・更新日

公開日
2010-06-29
更新日
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