サージカルトレーニングのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200937070A
報告書区分
総括
研究課題名
サージカルトレーニングのあり方に関する研究
課題番号
H21-医療・指定-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 哲(北海道大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
サージカルトレーニングは医療安全・卒後教育の観点から必須であるが、本邦ではトレーニングの具体的な指針はなく、OJT(on the job training)を中心に個別に行われている。平成20年度厚生労働科学研究「外科系医療技術修練の在り方に関する研究」では、OJTにおける教育体制の施設間格差が存在すること、シミュレーションは高価で応用範囲が限定されていること、動物を用いたトレーニングは有用であるが施設が少なく費用が高いため研修機会が限られること、cadaver(献体)を用いた医療技術修練は、複雑な構造を有する領域では有用であるが、国内では実施に向けた環境が未整備であること、などを改善すべき課題として提言した。本研究ではより質の高いサージカルトレーニングを実現するために、国内外の動物、cadaverによる医療技術修練の実態調査を行い、現行制度の枠組みの問題点を検討し、わが国の実情に即した解決策を提案することを目的とした。
研究方法
サージカルトレーニングの実態調査として、全国の大学病院の外科系教室に対して動物、cadaverによる医療技術修練に関するアンケート調査を行った。
さらにcadaverによる医療技術修練については、日本解剖学会より研究分担者を推薦していただき、国内の解剖学教室へ現状と問題点についてのアンケート調査を行った。また、篤志献体団体に対しても医療技術修練を目的にした献体に対するアンケート調査を行った。さらに諸外国におけるcadaverによる医療技術修練の実施状況、法整備、現状の問題点などの実態調査として、アメリカ合衆国のスキルラボへの実地調査とアンケートによる調査を行った。
結果と考察
サージカルトレーニングの一つであるcadaverによる医療技術修練は、その必要性と有用性について、外科系診療科に広く認知されており、解剖学教室、献体者からも一定の理解が得られていた。外科系診療科からは実施に対する要望があるが、国内での実施にあたっては、法関連の整備と運営実施体制の整備が必要であることが明らかになった
結論
今後国内でのcadaverによる医療技術修練の実施に向けて、解剖学教室の協力と、献体者の同意、広く国民の理解が得られるよう運用に関するガイドラインを作成すべきである。

公開日・更新日

公開日
2010-05-28
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937070C