文献情報
文献番号
200937062A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の質向上に資するアウトカム評価に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-医療・指定-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
福井 次矢(聖路加国際病院 聖路加国際病院)
研究分担者(所属機関)
- 祖父江 友孝(国立がんセンターがん対策情報センター がん情報・統計部)
- 矢崎 義雄(独立行政法人国立病院機構)
- 飯田 修平(社団法人全日本病院協会)
- 長谷川 友紀(東邦大学医学部社会医学講座医療政策・経営科学分野 )
- 堺 常雄(聖隷浜松病院)
- 中村 清吾(聖路加国際病院 乳腺外科)
- 高橋 理(聖路加国際病院 一般内科)
- 小俣 富美雄(聖路加国際病院 消化器内科)
- 嶋田 元(聖路加国際病院 消化器・一般外科)
- 脇田 紀子(聖路加国際病院 医療情報解析室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療の質を向上させる手段としての「医療の質指標(Quality Indicator:QI)」測定・公表を実践する上での課題・条件や全国の医療機関に導入する方法などについて調査研究を行い、今後、全国の医療機関でQIを測定・公表して医療の質向上に資する方法・手順を提言する。
研究方法
国内(聖路加国際病院、聖隷浜松病院、国立がんセンター、国立病院機構、日本病院会会員病院と大学病院のアンケート調査)および国外(米国、英国、フランス、オランダ)におけるQIの測定・公表の先行事例を調べるとともに、研究者が毎月一堂に会して、今後、全国の医療機関でQIを測定・公表して医療の質を改善するための方法について検討した。
結果と考察
本研究で調査対象となった欧米の4カ国(米国、英国、フランス、オランダ)はすべて、国家プロジェクトとしてQIの測定・公表による医療機関の評価を行っていて、2カ国では診療報酬との連動(P4P)も行われている。いずれの国においても、医療の質向上に果たすQI測定・公表の有効性が確実視されている。
わが国でも、医療の質を向上させるための手段としてQIの導入を支持している医療機関が多く、いくつかの病院や病院団体でのQI測定・公表の経験もあり、QIの測定・公表を手段とする国家的プロジェクト立ち上げの機は熟していると思われる。
わが国でも、医療の質を向上させるための手段としてQIの導入を支持している医療機関が多く、いくつかの病院や病院団体でのQI測定・公表の経験もあり、QIの測定・公表を手段とする国家的プロジェクト立ち上げの機は熟していると思われる。
結論
全国の医療機関でQIを測定・公表して、それを医療の質向上につなげるためには、(1)まず、10項目程度のQIをできるだけ多くの医療機関で測定・公表する、(2)公表したQIの医療機関ごとのバリエーションを分析し、その背景因子や改善の余地・方法について検討する、(3)改善の余地のあるQIについては、各医療機関で改善策を実施し、QI測定値の変化を追跡する、(4)測定するQI項目の見直し、新規QI項目の決定、QI測定値の改善(=医療の質向上)の確認などを継続的に行う、そして、そのためには、(5)全国の医療機関における「医療の質の測定と改善」を目的とする公的機関の設立が望まれる。
公開日・更新日
公開日
2010-06-02
更新日
-