電子化された医薬品添付情報の利活用に関する研究

文献情報

文献番号
200937060A
報告書区分
総括
研究課題名
電子化された医薬品添付情報の利活用に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-018
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 文人(東京医科歯科大学 歯学部附属病院薬剤部)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 昌臣(芝浦工業大学 工学部 情報工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国においてはオーダリングシステム等が普及しているが、処方に関しては、医薬品の誤選択や用法・用量に関するエラーに起因した医療事故が少なからず発生している。現在、これらのデータチェックについては、病院情報システムに備えられた医薬品マスタが基本となっているが、その構造はオーダリングシステムが最初に開発された約30年前から殆ど変更がなされていない。
一方、添付文書情報の電子化は一応行われているが、これらの添付文書の情報は基本構造は定められているが、その内容の記述に関する標準化が行われていないため、データ作成者による解釈に差異が生じることとなり、医薬品データマスタの作成等に利活用しようとすると必ずしもうまくいかないのが実情である。
本研究では、添付文書上必要なチェックをオーダリングシステムで行うことができるように、添付文書情報の解析を行うとともに、データマスタの基本を作成することを目的とする。
研究方法
医薬品の適正使用を担保するために必要な情報項目及び構造について検討を行うとともに、それらに該当する添付文書の記載上の問題点を明らかにする。PMDAから入手できるSGML方式の添付文書情報データのみならず、市販されているデータもかのうな限り入手して、添付文書情報が処方時にうまく活用できるようにするためのデータ項目、構造を決定する。また、緊急安全情報等、医薬品の適正使用に関する情報をオーダリングシステムに反映できるようにするための方策についても検討を行う
結果と考察
添付文書情報からチェックに必要な項目を決定し、フラッグ処理が可能となるようにした。用語の標準化が必ずしも行われていない中で、自然言語処理を行いつつ、データを作成した。添付文書情報や安全性情報を有機的に結びつけるためには、今後製薬企業、医療関係者、行政等が話し合う必要があるが、基盤整備はできたと考える。
結論
医薬品の処方から投与までの各段階でチェックすべき項目とその内容について決定することができた。これらの情報内容を確認するためには、各医薬品の添付文書の著作権を有する製薬企業がデータを入力、チェック、メンテナンスすることが必要不可欠である。今回はデータ内容をマスタの形式にするまでには至らなかったが、医療情報関係者、製薬企業、医療機関の協力のもと、今回作成したものが医薬品データマスタとして利活用できることを希望するものである。

公開日・更新日

公開日
2010-06-24
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937060C