歯科疾患等の需要予測および患者等の需要に基づく適正な歯科医師数に関する研究

文献情報

文献番号
200937057A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科疾患等の需要予測および患者等の需要に基づく適正な歯科医師数に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-015
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
安藤 雄一(国立保健医療科学院 口腔保健部)
研究分担者(所属機関)
  • 大内 章嗣(新潟大学歯学部・口腔保健部生命福祉学科・福祉学講座)
  • 深井 穫博(深井保健科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では歯科保健医療の需給バランスについて将来推計を行うことを目的としているが、研究1年目の今年度は、今まで分析が必ずしも十分とはいえなかった需要面を中心に官庁統計などを中心に幅広くデータを集めて、主として過去の推移と現状分析を行った。
研究方法
 歯科保健医療サービスの需要と供給ついて現時点で利用できる政府統計等の公表データを中心に分析を行った。需要面については、まずニーズと需要に関する概念整理を行い、利用可能な各種政府統計データ等との関連づけを行って整理した。また、独自のデータ収集も行い、Web調査による受診行動分析と、パノラマX線を用いた健診事業を実施してきた団体に提供依頼して得たデータを用いた根尖病巣に関する記述統計分析などを行った。
結果と考察
 政府統計等の各種公表データを用いた分析では、歯科医療費は受診率と強く関連し、受診率はう蝕・補綴との関連が強いことが示された。経年的な傾向をみると、う蝕は減少、補綴は高齢者層で漸増していた。また歯周疾患による受診が増加していた。
  Web調査による受診行動の分析では、歯科受診は症状の有無と医療機関の利便性の2要因と強く関連していることが示唆された。
 歯科保健医療サービスのニーズと需要に関する概念整理を行った結果、本報告書も含めてニーズと需要の概念は統一されておらず、整理が必要であることが示唆された。
  供給面では、最近の歯科医師数の推移が今までに行われた供給量の予測を下回っていることが示された。
  今後、政府統計の個票データや歯科医院に対する調査を新たに実施し、分析を深めていく予定である。
結論
 需要面については、顕在化された歯科のニーズが歯科疾患の有病状況との関連が強かったこと、受診行動は症状の有無と歯科医療機関の利便性との関連が強いことがわかった。供給面については、最近の歯科医師数の推移が従来の将来予測値を下回っていたことがわかった。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-