医療安全に焦点をあてた総合的医療リスクコミュニケーション教育プログラムの開発と実践

文献情報

文献番号
200937049A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全に焦点をあてた総合的医療リスクコミュニケーション教育プログラムの開発と実践
課題番号
H21-医療・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 廸生(横浜市立大学 附属病院 医療安全管理学)
研究分担者(所属機関)
  • 緒方 泰子(千葉大学大学院看護学研究科)
  • 山本 武志(千葉大学大学院看護学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療、疾病に関連したコミュニケーションの円滑化、促進を図るために、患者、市民向け及び医療従事者向けのリスクコミュニケーションプログラムを開発することである。医療分野のコミュニケーションは、多くの市民が一生涯の間に何らかの形で体験する可能性が高くその重要性はいうまでもないが、医療リスクコミュニケーションに関する研究は少ない。本研究では、より日常的な医療従事者間、医療者患者間の安全にかかわるコミュニケーションに焦点をあて、医療従事者向けのリスクコミュニケーション教育プログラムを開発することを目的とする。
研究方法
はじめに、医療におけるリスク・コミュニケーションに関連する研究および実践について、諸外国の取組を中心とした文献検討を行った。また、他分野(原子力、公共事業(主に災害)、環境・化学物質、食品等の分野)におけるリスクコミュニケーション促進のための事例等を収集し整理した。それらの他分野とも比較しつつ、医療分野におけるリスク特性、利用者特性等について整理し分析を行った。さらに、医療分野のリスクコミュニケーションに関して、教育すべき対象者、取り上げる場面、教育内容の特性、市民等におけるリスクの認知特性等を勘案し、医療安全に関するリスク及びリスクコミュニケーションの全体像の可視化を行った。また、医療分野において既に行われている類似の教育的取組み事例等を収集し、上記全体像の中に落とし込み、さらに、これら既存の取組み事例との関係から、本研究において開発する教育プログラムの位置づけについて検討を行った。
結果と考察
今年度は、リスクコミュニケーションの要件及びコミュニケーション上の課題を踏まえ、求められるスキルを洗い出した。さらに、本研究で開発するプログラムが目指すべき、教育の到達目標についても検討した。医療のリスクコミュニケーションに関する教育プログラムの作成にあたっては、上記の視点を持ち、上記の到達目標が達成できるような内容とすることが求められる。

結論
次年度は教育プログラムの作成、評価を行う。教育プログラムを利用・普及により、医療従事者の根本的なコミュニケーション能力向上に寄与すると考えられる。医療従事者のリスクコミュニケーション能力向上は、ひいては患者・市民の適切なリスク認知の形成につながるであろう。また、効果的な教育プログラムのあり方について検討が加えられるため、現任(卒後)教育における医療安全研修のありかたや、医療従事者養成機関の卒前教育の効果的なプログラムのあり方にも寄与すると思われる。

公開日・更新日

公開日
2010-06-18
更新日
-