手術室における多職種間の連携を担保する業務プロセスの再構築によるリスク軽減と評価方法の確立と質保証に基づく安全確保に関する研究

文献情報

文献番号
200937048A
報告書区分
総括
研究課題名
手術室における多職種間の連携を担保する業務プロセスの再構築によるリスク軽減と評価方法の確立と質保証に基づく安全確保に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 修平(社団法人 全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
  • 西澤 寛俊(社団法人 全日本病院協会)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部)
  • 成松 亮(㈱NTTPCコミュニケーションズ)
  • 小谷野 圭子(練馬総合病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
11,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成15・16 年度の厚生労働科学研究「電子カルテ導入における標準的な業務フローモデルに関する研究」および平成17・18年度の厚生労働科学研究「医療情報システムを基盤とした業務フローモデルによる医療の質と安全性の評価に関する研究」で開発した病棟の業務フローモデルを基に手術室内の業務フローモデルを開発し、医療従事者が現場で業務に反映させることができる具体的な対策・指標を開発し、医療の安全確保・質向上に資することを目的とする。
研究方法
UMLのアクティビティ図による業務フローモデルを用いて手術室内の業務プロセスを可視化し、故障モード影響解析(Failure Mode and Effects Analysis:FMEA)に準じた手法を適用する。
分析対象の業務プロセスは、患者が病棟等から手術室への入室から麻酔導入、執刀、麻酔覚醒までの一連の手術プロセスであり、これらを腹腔鏡下胆嚢摘出術および緊急帝王切開術について行った。術式の選択理由は、前者は、一般的であり手術例数が多く合併症防止策が求められており、後者は、安全確保に関して社会問題となり、喫緊の課題であるからである。
結果と考察
(1) 腹腔鏡下胆嚢摘出術および緊急帝王切開術に関して、手術部門内の業務プロセスを医療従事者の行動レベルまで分析した業務フローモデルを開発した。
  手術室では、術者、助手、器械だし看護師、外回り看護師、麻酔医が役割を持って、連携、あるいは、並行して業務を遂行している。業務フローモデルを開発したのでこれらの関係が明確になった。とくに、麻酔医の役割の特徴が明らかになった。
(2)上記2術式に関して、未然防止の観点から、故障モード影響解析(FMEA)の手法に準じて、起きうる不具合(Failure Mode)、FMの業務への影響、患者への影響を洗い出した。
(3) 英国、イタリアにおいて、医療情報システムを利用した質向上、安全確保に関して調査した。
結論
 腹腔鏡下胆嚢摘出術と緊急帝王切開術の業務フローモデルを開発し、関係する職種の業務を行動レベルまで分析し、FMEAに準じた方法で起きうる不具合とその影響を洗い出した。
 次年度は、FMEAに準じた分析を深化させ、質向上と未然防止の観点から安全確保の方策を検討する。また、本検討を一般化することを目的に、広範囲胃切除術に関しても同様に検討する。

公開日・更新日

公開日
2010-05-28
更新日
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