文献情報
文献番号
199700704A
報告書区分
総括
研究課題名
剖検脳等を用いた精神・神経疾患の発生機序と治療法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
高嶋 幸男(国立精神・神経センター)
研究分担者(所属機関)
- 矢島基美(上智大学法学部)
- 藤田昌宏(国立札幌病院)
- 織田辰郎(国立下総療所)
- 白倉克之(国療久里浜病院)
- 巻渕隆夫(国療犀潟病院)
- 松田一己(国療静岡東病院)
- 武田明夫(国療中部病院)
- 村上信之(国療東名古屋病院)
- 杠岳文(国立肥前療養所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 脳科学研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
平成11(1999)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
急速に進歩しつつある基礎的な遺伝子・分子生物学的研究からヒトの精神・神経疾患の研究への発展・促進の際に、ヒトの剖検脳等は必要不可欠であるが、剖検例が限られるため、「精神・神経疾患の分子生物学的および分子遺伝学的」研究のヒトでの実施に非常な困難が生じている。そこで、複数の施設において剖検脳等の入手、保管、相互利用等を図って各種精神・神経疾患の発生機序と治療法に関する研究を行い、「脳を守る」疾病研究の大幅な進歩を図るものである。凍結組織の確保は研究基盤として不可欠であり、継続的に行い、システム化する必要がある。
研究方法
主任、分担および協力研究者が所属する施設において、それぞれ「脳を守る」ための研究に必要な剖検脳等を積極的に入手して集積・保管し、これらを相互に融通してそれぞれ精神・神経疾患の発生機序と治療法に関する研究を行う。
結果と考察
剖検脳組織等のバンクに際し、重要な問題であるインフォームド・コンセント等の倫理的検討、施設間ネットワークの確立とデータベースの作成を生検組織等の研究と合同して行い、データの入力が開始された。一方、各研究者は剖検脳組織を施設内にて収集しており、凍結あるいは固定後の脳組織が保存されていた。分担・協力研究者へのアンケート調査により、最近約3年間の凍結保存症例は263例であることが分かった。収集期間等の討論の結果、3年間に限定する必要はないとの合意に達したために、全施設での保存症例数は更に多くなる。
さらに、個別研究として、本年度には、各自の保存資料による研究が推進され、精神・神経疾患のresearch resource network および脳組織バンクの構築に関して改善策が練られた。各施設には非常に稀な症例の蓄積があることも分かり、分子生物学や遺伝学的研究への貢献も可能であることが分かった。生検組織バンクとの連携も緊密に進み、生検と剖検の2班の協力は2倍の効果を産むと考えられた。
研究に必要な剖検脳等を積極的に入手して集積・保管しはじめ、承諾、保存及び利用に関する承諾書も完成したので、研究への利用の際の倫理と規約を作成する必要がある。 この network のデータベース等はさらに修正・追加し、運用を改善したい。最近では、剖検例が少ないので、各施設を核とし、各施設周辺の協力者を増加する必要がある。さらに、ネットワーク施設の拡大についても検討するべきであろう。
さらに、個別研究として、本年度には、各自の保存資料による研究が推進され、精神・神経疾患のresearch resource network および脳組織バンクの構築に関して改善策が練られた。各施設には非常に稀な症例の蓄積があることも分かり、分子生物学や遺伝学的研究への貢献も可能であることが分かった。生検組織バンクとの連携も緊密に進み、生検と剖検の2班の協力は2倍の効果を産むと考えられた。
研究に必要な剖検脳等を積極的に入手して集積・保管しはじめ、承諾、保存及び利用に関する承諾書も完成したので、研究への利用の際の倫理と規約を作成する必要がある。 この network のデータベース等はさらに修正・追加し、運用を改善したい。最近では、剖検例が少ないので、各施設を核とし、各施設周辺の協力者を増加する必要がある。さらに、ネットワーク施設の拡大についても検討するべきであろう。
結論
剖検の承諾書、ネットワーク、それらのガイドラインができ、脳組織バンキングのための基礎ができた。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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