歯科医療における安全管理評価法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200937047A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医療における安全管理評価法の確立に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
嶋田 昌彦(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科(歯学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 助村 大作(日本歯科医師会)
  • 森崎 市治郎(大阪大学 歯学部附属病院)
  • 端山 智弘(衆議院第二議員会館 歯科診療室)
  • 高橋 民男(藤沢市歯科医師会)
  • 北村 隆行(藤沢市歯科医師会)
  • 相川 敬子(日本歯科衛生士会)
  • 土屋 文人(東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
  • 馬場 一美(昭和大学 歯学部)
  • 小谷 順一郎(大阪歯科大学)
  • 渋井 尚武(日本歯科大学)
  • 深山 治久(鶴見大学 歯学部)
  • 槇 宏太郎(昭和大学 歯学部)
  • 式守 道夫(朝日大学 歯学部)
  • 俣木 志朗(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 倉林 亨(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 三輪 全三(東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
  • 安藤 文人(日本歯科大学)
  • 宮本 智行(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
6,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は歯科医療の質・安全向上のために,歯科医療に特化した医療安全の適切な評価方法のあり方を検討し,我が国の実態に即した安全管理評価法の確立を目指すものである.
研究方法
平成21年度においては,先ず,我が国の歯科医療の現状に即したインシデント収集のあり方を検討し,調査報告様式を新たに開発した.①開業形態の個人歯科診療所,②歯科医師養成機関としての大学附属病院,③歯科口腔外科等の総合病院歯科等,④障害児者等専門歯科診療所の4つのモデル組織を構築し,研究協力機関に対しては事前に説明し,インシデント事例等の調査を継続して行った.次いで,4つのモデル組織で特徴的なインシデント事例等や国立大学附属病院等における医療事故防止のための相互チェック等を参考に,歯科医療における安全管理評価に関する検討を行なった.本研究で実施されたインシデント事例調査については東京医科歯科大学歯学部および各研究者の所属する医療機関の倫理委員会において承認を得て行われた.
結果と考察
安心・安全な地域歯科医療の構築には,医療安全に関する文化的醸成が必要不可欠である.そのなかで,インシデント収集は極めて重要であると言えるが,我が国の歯科医療形態の大多数を占める開業形態の無床歯科診療所においても簡便に報告できる様式はなかった.我々は新たに開発した月毎のインシデント事例件数のみの調査様式を用いて,平成21年7月より,国内某所での多施設にて順次,調査を開始した.平成22年3月末までの時点で得られたインシデント事例件数は,総数27,857件であった.インシデント事例の内容は「受付・応対・接遇」や「処置・手術」に関する項目が多く報告されていた.得られた報告件数は組織によって差が生じたものの,概ね目標に達した.本研究で得られた歯科診療に特徴的なインシデント事例等をもとに検討し,11の大項目よりなる歯科医療における安全管理評価法(仮版)を作成した.
結論
歯科診療に特徴的な4つのモデル組織を構築し,国内多施設の歯科診療機関にてインシデント事例調査を行った.得られた報告件数は平成22年3月までに総数27,857件であった.収集したこれらの貴重な情報等を分析し,歯科医療における安全管理評価法(仮版)を作成した.全国的な規模で調査を拡充し,医療安全に関する実態調査を踏まえ,歯科医療における安全管理評価法の確立を目指す予定である.

公開日・更新日

公開日
2010-06-23
更新日
-