エンドオブライフを支える在宅医療の基盤とその多様性を包括的に評価する地域診断手法の開発

文献情報

文献番号
200937044A
報告書区分
総括
研究課題名
エンドオブライフを支える在宅医療の基盤とその多様性を包括的に評価する地域診断手法の開発
課題番号
H21-医療・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
高野 健人(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者を対象とする医療・介護サービス需要の増大が予想される中、高齢者とその家族が安心して医療と介護、生活支援を受け、充実したエンドオブライフ生活を送るためのサービス提供体制と人的資源・物的支援の計画的整備が検討されている。本研究の目的は、エンドオブライフを地域で支えるための、在宅医療・地域介護・生活支援の資源と機能の実状を把握し、地域ごとに拡充が必要なシステムの要件を提示することである。
研究方法
在宅医療・介護・生活支援ニーズ及び資源と機能に関わる数値指標、地域の文化、社会経済水準、地域産業と労働環境、住宅環境、交通基盤、地域の相互扶助機能に関する数値指標を、統計調査結果及び各登録情報より収集・算出し、包括的に地域の資源と機能の評価モデル作成の基となるデータベースを作成した。包括的地域保健プログラムに取り組む11の自治体を選び、社会福祉協議会の介護担当者、地域福祉担当者を各対象地域におけるキーインフォーマントと設定し、調査協力への同意を得た後、社会福祉協議会が行う介護保険事業、介護保険事業における連携、高齢者に係る市民の自主活動の推進等について、半構造化インタビュー調査を行った。
結果と考察
地域高齢者を対象とした介護サービス、生活支援サービスの需要及び資源と機能、地域の社会環境条件の実態を市区町村別に把握するための数値指標は、18の全国規模の統計調査結果または登録情報より2993項目が収集・算出され、これらの指標についてデータベースが構築された。11の自治体で行ったキーインフォーマントインタビューにより、社会福祉協議会が行う介護保険事業、介護保険事業における連携、高齢者に係る市民の自主活動の推進等の現状が明らかとなった。この結果に基づき、地域ごとのニーズに即した環境整備の方策を検討した結果、エンドオブライフを地域で支えるための在宅医療・地域介護・生活支援の資源と機能における相互連携の重要性、連携を支援するための統計指標および質的情報分析とその結果の社会的な共有の必要性が明らかになった。
結論
地域の医療・介護・生活支援・産業・行政が連携することによる、資源の創出、地域ケア機能の創出についての評価は、包括的な地域ケアのシステム構築を図るという観点から、評価の目的、評価結果の妥当性、計測の信頼性を慎重に吟味して行うことが重要である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-25
更新日
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