医療の質の向上のための医療情報利活用における標準化と相互運用性推進に関する諸課題の研究

文献情報

文献番号
200937039A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の質の向上のための医療情報利活用における標準化と相互運用性推進に関する諸課題の研究
課題番号
H20-医療・一般-031
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大江 和彦(東京大学医学部附属病院 企画情報運営部)
研究分担者(所属機関)
  • 大原 信(筑波大学人間総合科学研究科)
  • 木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院 医療情報部)
  • 近藤 克幸(秋田大学医学部附属病院 医療情報部)
  • 佐藤 弥(山梨大学大学院医学工学総合研究部)
  • 中島 直樹(九州大学病院 医療情報部)
  • 山本 隆一(東京大学大学院 情報学環)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
安全な医療の実現、患者への診療情報提供、医療機関相互の診療情報共用による連携、などの実現に向け、厚労省標準的電子カルテ推進委員会最終報告を実現する観点から、医療情報の利活用における標準化と相互運用性の確立に向けた諸課題を技術面と医療社会面の双方を総合的に分析し解決を目指す。
研究方法
(a)地域医療連携における標準化、 (b)患者情報提供における標準化、(c)医療者視点の相互運用性、(d)用語コードの標準化、(e)患者視点の健康情報と医療情報の管理のあり方、(f)院外からの情報アクセスセキュリティー、(g)整合性のある技術文書整備方法の調査、の各課題について各分担研究者が実施した。
結果と考察
医療情報の利活用における標準化と相互運用性の確立に向けた諸課題を7つとりあげ、技術面と医療社会面の双方を総合的に分析した。個々の技術およびそれを局所的な課題に応用することについて、技術面では大きな障壁が存在しない一方で、患者視点および利用者(医療者)視点で標準化の運用形態およびそこで必要となる環境の構築を検討する余地が大きいことを示しており、今後の標準化政策における重要な課題であることが示唆された。
結論
患者視点で標準化の運用形態およびそこで必要となる環境の構築を検討および、これまで注目が低かった医療者視点での医療情報システムの基本機能や操作性の標準化も重要な課題である。また、診療データの外部保存や、医療者のネットワーク上での医療行為の普及を考えると、医療機関外-医療機関外という診療情報アクセス形態の在り方に医療機関がどのように管理責任を持つかを検討する必要性がある。また各標準文書や標準マスターにおいて何の概念項目が標準化の対象となっているかを記述したデータベースを構築していくことが、これまでの標準化作業と並行して必要になると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-

文献情報

文献番号
200937039B
報告書区分
総合
研究課題名
医療の質の向上のための医療情報利活用における標準化と相互運用性推進に関する諸課題の研究
課題番号
H20-医療・一般-031
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大江 和彦(東京大学医学部附属病院 企画情報運営部)
研究分担者(所属機関)
  • 大原 信(筑波大学人間総合科学研究科)
  • 木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院 医療情報部)
  • 近藤 克幸(秋田大学医学部附属病院 医療情報部)
  • 佐藤 弥(山梨大学大学院医学工学総合研究部)
  • 中島 直樹(九州大学病院 医療情報部)
  • 山本 隆一(東京大学大学院 情報学環)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
安全な医療の実現、患者への診療情報提供、医療機関相互の診療情報共用による連携、などの実現に向け、厚労省標準的電子カルテ推進委員会最終報告を実現する観点から、医療情報の利活用における標準化と相互運用性の確立に向けた諸課題を技術面と医療社会面の双方を総合的に分析し解決を目指す。
研究方法
次の課題について分担して実施した。(a)地域医療連携における標準化、 (b)患者情報提供における標準化、(c)医療者視点の相互運用性、(d)用語コードの標準化、(e)患者視点の健康情報と医療情報の管理のあり方、(f)院外からの情報アクセスセキュリティー、(g)整合性のある技術文書整備方法調査。
結果と考察
医療情報の利活用における標準化と相互運用性の確立に向けた諸課題を7つとりあげ、技術面と医療社会面の双方を総合的に分析した。個々の技術およびそれを局所的な課題に応用することについて、技術運用面では大きな障壁が存在しない一方で、情報連携のための共通コードの利用環境を整備する必要がある。また健康情報を個人が管理し利用する場合の可搬媒体の潜在的可能性の高さ、情報を個人で管理するか第三者で管理するかについての個人意識の状況が明らかになり、社会のコンセンサス形成を重視する方向性が示された。また標準化においては、処方用法などこれまでにまだ策定されていないニッチな標準化の必要性、医療者にシステムが提供する機能の整理と機能へのアクセス体系の標準化、標準化文書の整合性のある管理と公表の重要性が指摘された。
結論
患者視点では、標準化の運用形態およびそこで必要となる環境の構築を検討する余地が大きいことを示しており、今後の標準化政策における重要な課題であることが示唆された。またこれまで注目が低かった医療者視点での医療情報システムの基本機能や操作性の標準化も重要な課題である。さらに、診療データの外部保存や、医療者のネットワーク上での医療行為の普及を考えると、医療機関外-医療機関外という診療情報アクセス形態の在り方に医療機関がどのように管理責任を持つかを検討する必要性がある。また各標準文書や標準マスターにおいて何の概念項目が標準化の対象となっているかを記述したデータベースを構築していくことが、これまでの標準化作業と並行して必要になると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937039C