「診療行為に関連した死亡の調査分析」における解剖を補助する死因究明手法(死後画像)の検証に関する研究

文献情報

文献番号
200937019A
報告書区分
総括
研究課題名
「診療行為に関連した死亡の調査分析」における解剖を補助する死因究明手法(死後画像)の検証に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
深山 正久(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 長村 義之(東海大学・病理学(東海大学))
  • 岡 輝明(関東中央病院・病理学)
  • 山本 正二(千葉大学医学部附属病院・放射線診断学)
  • 菊地 和徳(筑波メディカルセンター病院病理科)
  • 蓮尾 金博(国立国際医療センター・放射線診断学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「診療行為に関連した死亡の調査分析」における解剖を補助する死因究明手法(死後画像)の有用性について検討した。
研究方法
今年度は以下の三つの実証的研究を行った。1)死後画像専用CT装置、臨床CT装置(一部MRI装置)を用いた実施研究、東海大学では4週間モバイルCT、MRIを用いて実施、2)検討会を通じた症例検討、3)画像診断の診断精度に関する研究:複数の画像診断医(平均7名)が独立に同一の死後画像を読影、病理所見と対比。
結果と考察
1)実施研究は解剖症例165例を対象に死後画像と病理所見を対比した。内訳は東京大学81例(病理75、モデル事業調査2、司法4)、国立国際医療センター26例(病理)、千葉大学18例(病理13、ネクロプシー5)、筑波メディカルセンター 25例(病理8、法医承諾17)、関東中央病院3例(病理)、東京逓信病院3例(病理)。東海大学(9例:病理2、司法7)。2)検討会は5回にわたり、実施症例の中から11例を検討した。1)、2)の研究により、死後画像の有用性が高く病理解剖の必要性がないと判断された症例は5例(3%)であった。組織検査を含め解析された病理解剖症例では、CT画像と病理所見の一致水準が高い症例は全体の20%であった。3)画像診断精度に関する研究により、死後画像における正診率の高い病変(70%以上:大動脈解離など)、低い病変(30%以下:全身性感染症、塞栓症など)が存在することが明らかになった。
結論
この結果を基に死後画像診断の確実性による疾患/病変分類表を作成することができた。これら実証研究を参考に、「死後画像 実施・撮影マニュアル」、「ご遺族への死後画像撮影前の説明ガイドライン」、「死後変化を病変と誤認しないための読影ガイドライン」、ならびに「死後画像と対応した解剖マニュアル」を作成した。
死後CT画像は解剖調査の補助手段として一定の有用性を持っており、診療関連死の死因究明調査前の遺族への説明にも用いることができる。ただし、解剖調査の代替物ではなく、「死後CT画像検査を全ての診療関連死調査症例に施行すべき」とする必要度には達していない。診療関連死調査前に遺族への情報として医療機関が用いる場合は、死後画像の限界について十分説明の上、用いるべきである。

公開日・更新日

公開日
2010-05-06
更新日
-

文献情報

文献番号
200937019B
報告書区分
総合
研究課題名
「診療行為に関連した死亡の調査分析」における解剖を補助する死因究明手法(死後画像)の検証に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
深山 正久(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 長村 義之(東海大学 医学部)
  • 岡 輝明(関東中央病院)
  • 山本 正二(千葉大学 医学部)
  • 菊地 和徳(筑波メディカルセンター)
  • 蓮尾 金博(国立国際医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「診療行為に関連した死亡の調査分析」における解剖を補助する死因究明手法(死後画像)の有用性について検討した。
研究方法
実施症例を共同で分析する場として、20名以上の検討委員(救急、放射線、法医、病理)で症例検討会を組織した。平成20年度においては、東京大学、東海大学でモバイルCT、MRI装置、研究分担者、協力者の施設では臨床装置を用い、死後画像を撮影した後に遺体解剖を実施した(65例:病理28、モデル事業調査1)。実施研究、検討会での症例検討に加え、モデル事業公開症例を用いたシミュレーション研究、モデル事業参加病院に対するアンケート調査などを行った。平成21年度は、検討会による症例検討を継続すると共に、死後画像専用CT装置、臨床CT装置(一部MRI装置)により、多数例(165例:病理133、モデル2例)で調査票を用いた実施研究を行った。
結果と考察
死後画像の有用性が高く病理解剖の必要性がないと判断された症例は5例(3%)であった。また、組織検査を含め解析された病理解剖症例では、CT画像と病理所見の一致水準が高い症例は全体の20%であった。さらに、複数の画像診断医(平均7名)が独立に同一の死後画像50症例を読影、病理所見と対比する画像診断精度に関する研究を行った。死後画像における正診率の高い病変(70%以上:大動脈解離など)、低い病変(30%以下:全身性感染症、塞栓症など)が存在することが明らかになった。この結果を基に死後画像診断の確実性による病変分類表を作成することができた。
結論
さらに、これら実証研究を参考に、「死後画像 実施・撮影マニュアル」、「ご遺族への死後画像撮影前の説明ガイドライン」、「死後変化を病変と誤認しないための読影ガイドライン」ならびに「死後画像と対応した病理解剖マニュアル」を作成した。死後CT画像は解剖調査の補助手段として一定の有用性を持っており、診療関連死の死因究明調査前の遺族への説明にも用いることができる。ただし、解剖調査の代替物ではなく、「死後CT画像検査を全ての診療関連死調査症例に施行すべき」とする必要度には達していない。診療関連死調査前に遺族への情報として医療機関が用いる場合は、死後画像の限界について十分説明の上、用いるべきである。

公開日・更新日

公開日
2010-05-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937019C