エビデンスに基づく初期診療ガイドラインの作成に関する研究

文献情報

文献番号
200937012A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスに基づく初期診療ガイドラインの作成に関する研究
課題番号
H19-医療・一般-015
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山口 直人(財団法人日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 雅博(財団法人日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)
  • 中山 健夫(京都大学 医学研究科)
  • 水嶋 春朔(横浜市立大学 大学院医学研究科情報システム予防医学部門)
  • 大滝 純司(東京医科大学 総合診療科)
  • 新保 卓郎(国立国際医療センター(研究所) 医療情報解析研究部)
  • 佐藤 敏彦(北里大学 医学部)
  • 小山 博史(東京大学 大学院医学系研究科公共健康医学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、臨床研修医が成人患者の初期診療の診断プロセスを自己学習することを支援する「初期診療ガイドライン」を作成することである。主要症候単位で構成されており、診断プロセスに関する重要事項を文章形式で提供する部分と、診断プロセスをシミュレーションにより自己学習する部分からなる。臨床研修医を主な利用者と想定したが、医師の生涯学習、医学部学生の教育にも使えるように配慮した。
研究方法
インターネット上で使用できる初期診療ガイドライン提供システムを完成するために、平成21年度は、主要な症候について提供情報を充実する。シミュレーションに必要なパラメータを疫学的な方法で推計する具体的な方法を確立する研究、利用者が自らパラメータの設定を行えるように配慮したシステム拡充、実際に初期臨床研修医等を対象とした有効性の実証研究を行った。
結果と考察
シミュレーションシステムは、鑑別すべき疾患を的確に抽出すること、鑑別診断のために収集すべき所見、実施すべき検査の選択を確実に実施できることを重視し、それを身につけるためのシステムを完成した。算出された事後確率から、自分が実施した診断プロセスが妥当であったかを確認でき、さらに、文章編のガイドラインで必要な知識を学習できるものである。そして、睡眠障害、リンパ節腫脹、頭痛、めまい、慢性の咳、悪心・嘔吐、腹痛、血尿、高血圧の9症候についてガイドラインを完成した。また、シミュレーションには、鑑別すべき疾患それぞれの事前確率、各疾患についての所見出現確率を設定する必要があるが、利用者の施設で異なる可能性があるため、利用者自ら設定できるようにシステムを拡充した。さらに、血尿を例として医療施設の診療データベースを活用して、上述の事前確率、所見出現確率を推計し、施設単位での設定が重要であることを確認できた。実証実験では60名がシステムを利用して、その有効性についてアンケート調査に回答した。
結論
初期診療ガイドラインをインターネット上で提供するシステムの開発を完了した。診断プロセスを確率的なプロセスとしてシミュレーションすることで、利用者は自分の診断プロセスが適切であるかどうか自己学習が可能であることを明らかにできた。また、施設によってシミュレーションの設定値が異なることに配慮できるようにシステムを拡充できた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-

文献情報

文献番号
200937012B
報告書区分
総合
研究課題名
エビデンスに基づく初期診療ガイドラインの作成に関する研究
課題番号
H19-医療・一般-015
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山口 直人(財団法人日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 雅博(財団法人日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)
  • 中山 健夫(京都大学 医学研究科)
  • 水嶋 春朔(横浜市立大学 大学院医学研究科情報システム予防医学部門)
  • 大滝 純司(東京医科大学 総合診療科)
  • 新保 卓郎(国立国際医療センター(研究所) 医療情報解析研究部)
  • 佐藤 敏彦(北里大学 医学部)
  • 小山 博史(東京大学 大学院医学系研究科公共健康医学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、臨床研修医が成人患者の初期診療の診断プロセスを自己学習することを支援する「初期診療ガイドライン」を作成することである。主要症候単位で構成されており、診断プロセスに関する重要事項を文章形式で提供する部分と、診断プロセスをシミュレーションにより自己学習する部分からなる。臨床研修医を主な利用者と想定したが、医師の生涯学習、医学部学生の教育にも使えるように配慮した。
研究方法
インターネット上で使用できる初期診療ガイドライン提供システムを完成するために、平成19年度は利用形態の精査と要件の整理、平成20年度は、システムの骨格部分の開発、平成21年度は、主要な症候について情報提供を開始して有効性の実証研究を行う。また、研究の過程で、医療施設単位でのシミュレーションパラメータの設定が重要であることが明らかになったために、その具体的な方法を検討し、システムの拡充を行った。
結果と考察
シミュレーションシステムは、鑑別すべき疾患を的確に抽出できること、鑑別診断のために収集すべき所見、実施すべき検査の選択を確実に実施できることを重視した。システムが算出した事後確率から、診断プロセスが妥当であったかを確認でき、さらに、文章編のガイドラインで必要な知識を学習できるものである。睡眠障害、リンパ節腫脹、頭痛、めまい、慢性の咳、悪心・嘔吐、腹痛、血尿、高血圧の9症候についてガイドラインを完成した。また、鑑別すべき疾患それぞれの事前確率、各疾患についての所見出現確率を利用者が施設の実情を考慮して設定できるようにシステムを拡充した。さらに、血尿を例として医療施設の診療データベースを活用して、上述の事前確率、所見出現確率を推計し、施設単位での設定が重要であることを確認できた。実証実験では60名がシステムを利用して、その有効性についてアンケート調査に回答し、有効性を確認できた。
結論
初期診療ガイドラインをインターネット上で提供するシステムの開発を完了した。診断プロセスを確率的なプロセスとしてシミュレーションすることで、利用者は自分の診断プロセスが適切であるかどうか自己学習が可能であることを明らかにできた。また、施設によってシミュレーションの設定値が異なることに配慮できるようにシステムを拡充できた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937012C