進行頭頸部癌に対する漢方治療の有用性評価

文献情報

文献番号
200937009A
報告書区分
総括
研究課題名
進行頭頸部癌に対する漢方治療の有用性評価
課題番号
H19-医療・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
古川 仭(国立大学法人 金沢大学 医薬保健研究域医学系感覚運動病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 福田 諭(北海道大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頚部外科)
  • 佃 守(横浜市立大学大学院医学研究科頭頚部生体機能)
  • 甲能 直幸(杏林大学医学部耳鼻咽喉科・頭頚部外科)
  • 鈴木 衞 (東京医科大学耳鼻咽喉科)
  • 原田 保(川崎医科大学耳鼻咽喉科)
  • 井之口 昭(佐賀大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
漢方薬に関する基礎的、臨床的研究が進展し、各種悪性腫瘍の治療において有益な情報が報告されるようになった。十全大補湯に関しては、臨床的には化学療法や放射線療法による消化器系・造血系における副作用を軽減する報告も散見される。進行頭頸部癌における放射線化学療法は、粘膜反応をはじめ、消化器系・造血系における副作用が強く、治療によりQOLが障害されやすい。十全大補湯の副作用軽減効果、QOLの改善効果における有用性を検討した。
研究方法
無作為化群間比較試験による多施設共同研究とした。化学放射線治療を施行する進行頭頸部癌を対象とし、副作用の軽減効果、performance status、QOLについて十全大補湯の投与の有無により比較検討した。副作用は血液毒性のグレード分類によるスコアにより、performance statusはスコアにより、QOLはSF-36v2およびEORTC QLC-C30の2種の質問票のスコアにより、治療開始前と治療終了後の変化量を求め評価した。
結果と考察
解析対象は38例であり、病期別では、Stage III12例、Stage IV-A23例、Stage IV-B5例であった。38例中18例が十全大補湯の非投与群、20例が投与群であった。有害事象に関する検討では、ヘモグロビン値、白血球数、好中球数、血小板数のいずれにおいても非投与群と投与群の間に有意差を認めなかった。Performance statusにおいても有意差を認めなかった。SF-36v2質問票によるQOL評価に関する検討では、8つの各下位尺度のスコアのいずれも有意差を認めなかった。EORTC QLQ C-30質問票によるQOL評価に関する検討では、「機能下位尺度」に属する6つの下位尺度のスコア、「症状下位尺度」に属する8つの下位尺度のスコア、「その他」に属する1つの下位尺度のスコア、のいずれも有意差を認めなかった。化学放射線治療における化学療法の内容については参加施設に一任したため、化学療法の種類が多岐にわたった点は否めず、統一が望まれる。そのためには、参加各施設で同様に施行されうる、エビデンスのある化学療法が求められる。
結論
進行頭頸部癌に対する放射線化学療法における、十全大補湯の副作用軽減効果、QOLの改善効果における有用性は明らかではなかったが、化学療法の差異などに影響を受けている可能性はある。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-03-24
更新日
-

文献情報

文献番号
200937009B
報告書区分
総合
研究課題名
進行頭頸部癌に対する漢方治療の有用性評価
課題番号
H19-医療・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
古川 仭(国立大学法人 金沢大学 医薬保健研究域医学系感覚運動病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 福田 諭(北海道大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科)
  • 佃  守(横浜市立大学大学院医学系研究科頭頸部生体機能)
  • 甲能 直幸(杏林大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
  • 鈴木 衞(東京医科大学耳鼻咽喉科)
  • 原田 保(川崎医科大学耳鼻咽喉科)
  • 井之口 昭(佐賀大学医学部耳鼻咽喉科・頭頚部外科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
漢方薬に関する基礎的、臨床的研究が進展し、各種悪性腫瘍の治療において有益な情報が報告されるようになった。十全大補湯に関しては、臨床的には化学療法や放射線療法による消化器系・造血系における副作用を軽減する報告も散見される。進行頭頸部癌における放射線化学療法は、粘膜反応をはじめ、消化器系・造血系における副作用が強く、治療によりQOLが障害されやすい。十全大補湯の副作用軽減効果、QOLの改善効果における有用性を検討した。
研究方法
無作為化群間比較試験による多施設共同研究とした。化学放射線治療を施行する進行頭頸部癌を対象とし、副作用の軽減効果、performance status、QOLについて十全大補湯の投与の有無により比較検討した。副作用は血液毒性のグレード分類によるスコアにより、performance statusはスコアにより、QOLはSF-36v2およびEORTC QLC-C30の2種の質問票のスコアにより、治療開始前と治療終了後の変化量を求め評価した。
結果と考察
解析対象は38例であり、病期別では、Stage III12例、Stage IV-A23例、Stage IV-B5例であった。38例中18例が十全大補湯の非投与群、20例が投与群であった。有害事象に関する検討では、ヘモグロビン値、白血球数、好中球数、血小板数のいずれにおいても非投与群と投与群の間に有意差を認めなかった。Performance statusにおいても有意差を認めなかった。SF-36v2質問票によるQOL評価に関する検討では、8つの各下位尺度のスコアのいずれも有意差を認めなかった。EORTC QLQ C-30質問票によるQOL評価に関する検討では、「機能下位尺度」に属する6つの下位尺度のスコア、「症状下位尺度」に属する8つの下位尺度のスコア、「その他」に属する1つの下位尺度のスコア、のいずれも有意差を認めなかった。化学放射線治療における化学療法の内容については参加施設に一任したため、化学療法の種類が多岐にわたった点は否めず、統一が望まれる。そのためには、参加各施設で同様に施行されうる、エビデンスのある化学療法が求められる。
結論
進行頭頸部癌に対する放射線化学療法における、十全大補湯の副作用軽減効果、QOLの改善効果における有用性は明らかではなかったが、化学療法の差異などに影響を受けている可能性はある。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937009C