重症肺高血圧症の予後と生活の質を改善するための低侵襲かつ安全安心な吸入ナノ医療の実用化臨床試験

文献情報

文献番号
200936275A
報告書区分
総括
研究課題名
重症肺高血圧症の予後と生活の質を改善するための低侵襲かつ安全安心な吸入ナノ医療の実用化臨床試験
課題番号
H21-難治・一般-220
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
江頭 健輔(九州大学大学院 医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 中野 覚(九州大学大学院 医学研究院 )
  • 的場 哲哉(九州大学病院)
  • 砂川 賢二(九州大学大学院 医学研究院 )
  • 中西 洋一(九州大学大学院 医学研究院 )
  • 戸高 浩司(九州大学病院 循環器内科)
  • 桑原 良宇(興和株式会社)
  • 辻本 広行(ホソカワミクロン株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
274,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、ピタバスタチン封入ナノ粒子製剤を開発し、重症肺高血圧症の予後と生活の質を改善するための低侵襲かつ安全安心な吸入ナノ医療を創出し、実用化のための臨床試験を行うことである。
研究方法
ナノ医工薬学融合の先端的技術によるイノベーションによって国際競争力を有する吸入ナノ医療技術を創製する。ピタバスタチン封入ナノ粒子製剤の実用化のために以下の4課題を推進する:
①ピタバ封入ナノ粒子製剤の最適化の研究開発、薬効薬理試験
②ピタバ封入ナノ粒子製剤の安全性試験
③ピタバ封入ナノ粒子製剤吸入製剤の設計・開発・複合化
④ピタバ封入ナノ粒子製剤を用いた探索的臨床試験
結果と考察
1.ピタバスタチン封入ナノ粒子の最適化の研究開発・薬理薬効試験
1)ピタバスタチン封入PLGAナノ粒子(NK-104-NP)を作製出来た。
2)ピタバスタチン封入PLGAナノ粒子気管内投与による薬効薬理試験を実施し、モノクロタリン誘発肺高血圧症ラットモデルならびにLPS誘発急性肺傷害マウスモデルにおいてピタバスタチン原体と比較して有効性が得られた。慢性閉塞性肺疾患を呈するラットモデルならびにブレオマイシン誘発肺線維症モデル(続発性肺高血圧症を呈する)を作製することに成功した。
2.ピタバスタチン封入ナノ粒子の安全性試験
ラット及びイヌにおける静脈内投与毒性試験ならびにラット及びサルにおける気管内投与毒性試験を実施し無毒性量が得られる見込みがついた。薬理薬効試験の成果と組み合わせて、信頼性の高い安全係数を求めたい。
3.吸入製剤の処方検討とデバイスの試作
スプレードライ製法によるピタバスタチン封入ナノ粒子吸入製剤を作製した。さらに、スプレードライ製法以外の製法によるピタバスタチン封入ナノ粒子吸入製剤製造技術の調査を行い、最適な製剤の探索を行った。これらの試験を来年度も継続し適切な製剤の開発を行う。また、その製剤に適合するデバイスの探索を行う。
結論
21年度当初の研究計画に沿って、研究事業を遂行できた。ピタバスタチン封入ナノ粒子の最適化の薬理薬効試験、安全性試験、吸入製剤開発、などを実施することが出来た。これらの成果を臨床橋渡し研究支援促進拠点における臨床試験の基盤とする。

公開日・更新日

公開日
2010-05-12
更新日
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