文献情報
文献番号
200936258A
報告書区分
総括
研究課題名
円錐角膜の疫学と治療実態に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-203
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
島崎 潤(東京歯科大学市川総合病院 眼科)
研究分担者(所属機関)
- 木下 茂(京都府立医科大学 眼科)
- 坪田一男(慶應義塾大学 眼科)
- 村上 晶(順天堂大学 眼科)
- 前田直之(大阪大学 眼科)
- 西田幸二(東北大学 眼科)
- 大橋裕一(愛媛大学 眼科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
19,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、わが国における円錐角膜疫学研究として初めてのものである。欧米で採用されてきたいくつかの円錐角膜の診断法の妥当性を検証、わが国における円錐角膜の疫学・治療実態を調査し、診断基準の設定を検討する。
研究方法
1.分担研究者の所属施設、および主要関連施設における円錐角膜患者の受診概数を調べる。
2.同施設における過去3年間の角膜移植施行件数、およびそれに占める円錐角膜の割合を調査する。
3.欧米における、角膜内リング、コラーゲンクロスリンキングなどの新しい円錐角膜治療法の実情とこれまでに判明している治療成績を調査する。
4.分担研究者の関連施設で行われている、上記の新しい円錐角膜治療法の実態を調査し、その短期成績と将来の問題点を検討する。
5.円錐角膜患者の視力および角膜移植による変化を調べるとともに、新しい視機能解析法を利用して、円錐角膜患者における視機能異常の評価法について検討する。
6.上記の新しい円錐角膜治療法に関する情報を、日本角膜学会会員を中心に提供するとともに、将来の施設ごとの臨床研究、および多施設共同研究施行の基礎データとして活用するシステムを構築する。
2.同施設における過去3年間の角膜移植施行件数、およびそれに占める円錐角膜の割合を調査する。
3.欧米における、角膜内リング、コラーゲンクロスリンキングなどの新しい円錐角膜治療法の実情とこれまでに判明している治療成績を調査する。
4.分担研究者の関連施設で行われている、上記の新しい円錐角膜治療法の実態を調査し、その短期成績と将来の問題点を検討する。
5.円錐角膜患者の視力および角膜移植による変化を調べるとともに、新しい視機能解析法を利用して、円錐角膜患者における視機能異常の評価法について検討する。
6.上記の新しい円錐角膜治療法に関する情報を、日本角膜学会会員を中心に提供するとともに、将来の施設ごとの臨床研究、および多施設共同研究施行の基礎データとして活用するシステムを構築する。
結果と考察
円錐角膜はわが国での角膜移植原因の約10%を占めることが明らかとなり、この比率は15年以上ほとんど変化していない。新しい治療法の導入で、角膜移植を必要とする円錐角膜患者が減少する可能性は高く、慢性的なドナー不足に悩むわが国の角膜移植事情を好転させる可能性もある。新しい治療法のほとんどは臨床応用が始まったばかりであり、しばらくは臨床データの蓄積が必要である。将来的には、既存のコンタクトレンズ、角膜移植と新しい治療が、円錐角膜の進行度や効果、安全性を勘案して決定されていくことと予測される。
結論
円錐角膜は、若年者に高度の視力障害をもたらす疾患であり、患者の多くは従来の治療法に満足していない。近年、欧米を中心に広く行われるようになってきた治療法は、これらの事態を改善する可能性があり、円錐角膜の新しい治療ガイドラインを構築することにつながることが期待される。わが国においてこれらの治療法が適正に広まるためのシステム作りが急務であり、今後の知見の集積によって、円錐角膜に対する診断・治療のガイドライン作成に結びつくと考えられる。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
-