甲状腺クリーゼの全国疫学調査に基づいた診断基準(第1版)の検証と改訂、発症実態の解明、治療指針の作成

文献情報

文献番号
200936254A
報告書区分
総括
研究課題名
甲状腺クリーゼの全国疫学調査に基づいた診断基準(第1版)の検証と改訂、発症実態の解明、治療指針の作成
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-199
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
赤水 尚史(京都大学 医学部附属病院・探索医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 哲郎(群馬大学大学院医学系研究科病態制御内科学)
  • 磯崎 収(東京女子医科大学内分泌内科)
  • 鈴木 敦詞(藤田保健衛生大学医学部内科学内分泌代謝科)
  • 脇野 修(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科)
  • 門傳 剛(獨協医科大学内分泌代謝内科)
  • 幸喜 毅(琉球大学医学部内分泌代謝内科)
  • 坪井 久美子(東邦大学医学部糖尿病・代謝・内分泌)
  • 大谷 肇(関西医科大学循環器内科)
  • 手良向 聡(京都大学医学部附属病院探索医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
甲状腺クリーゼは、ひとたび発症するとその予後は不良(死亡率20%以上)である。我が国における明確な診断基準がなく、予後予測因子も不明のままである。また、甲状腺クリーゼに関する網羅的な疫学調査は我が国では皆無であり、その発症実態は明らかでない。そこで本研究では、我々が平成20年度に作成した診断基準第1版に基ずいて全国疫学調査を行い、同診断基準の検証と改訂、発症実態(有病率や致死率の推定など)の解明、治療指針作成を行うことを目的とする。
研究方法
一次調査として、2009年1月から6月に、1,463施設の内科(内分泌代謝内科、循環器内科)、救急科、甲状腺専門病院、救急特定病院を対象に2004-2008年の患者数調査を実施した。「患者あり」と回答された施設を対象に、2009年6月から9月に二次調査を実施した。
結果と考察
一次調査では、1,463施設中768施設から回答があり(回答率 52.5%)、「患者あり」の施設が230施設、患者数計 673人/5年間であった。その結果、推計患者数は1585人(95%信頼区間:1213??1958人)と算出された。二次調査票では、114施設から333例の報告(回答率 50%)があった。低回収率やデータ不備が認められたので、我々自ら二次調査の網羅的な追加調査を12月から平成22年3月に実施した。データベースの構築後、データ解析を実施している。 
結論
 全国疫学調査(一次)によって、推計患者数は1585人(95%信頼区間:1213-1958人)と算出された。甲状腺クリーゼは依然として致死性の高い病態であり、その予後改善に重要な点が明らかになった。現行の甲状腺クリーゼ診断基準(第一版)がほぼ妥当な基準であるが裏付けられたが、細かな点において改良の余地があると考えられた。今後、診断基準の改訂と治療指針の作成によって、甲状腺クリーゼ診療の改善が達成したいと考えている。

公開日・更新日

公開日
2010-06-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200936254C

成果

専門的・学術的観点からの成果
甲状腺クリーゼに関する網羅的な疫学調査は我が国はもとより国際的にも皆無であり、その発症実態は明らかでなかった。本研究によって、初めて発症実態が明らかになった。また、予後不良であるが、予後規定因子も不明のままで、本研究によってその解析が進んだ。
臨床的観点からの成果
甲状腺クリーゼは、致死的で緊急治療が不可欠にもかかわらず、我が国における明確な診断基準がない。国際的にも欧米に一編の診断基準があるのみで、しかも煩雑で特異性やエビデンスに欠けるなど問題点が多い。本研究によって、簡便な診断基準が作成された。また、治療における問題点が多々指摘されているが、本研究によって治療のガイドライン作成の基礎データが集積された。
ガイドライン等の開発
甲状腺クリーゼの診断基準(第1版)の作成とその検証。
治療のガイドライン作成予定。
その他行政的観点からの成果
甲状腺クリーゼに対する啓蒙が、一般医家や患者にも進んでいる。
その他のインパクト
Medical Tribune に、全国疫学調査に関して取材を受け、記事が掲載された((第51回日本甲状腺学会)甲状腺クリーゼのさらなる症例の蓄積を. 42(6): 24-25, 2009)。また、内分泌・内科医からの症例報告が倍増し、救急医学会でも本診断基準や全国疫学調査への期待が取り上げられている。さらに、日本集中治療学会雑誌からは、「集中治療における甲状腺クリーゼの診断と治療は重要な問題である」ので同誌の症例報告に関連して「ハイライト」の執筆依頼が2009年10月にあった。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
5件
その他論文(和文)
7件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
日本内分泌学会・教育講演(2009年4月) 日本甲状腺学会・臨床重要課題(2009年11月) 日本内分泌学会・ワークショップ(2010年3月)
学会発表(国際学会等)
1件
国際内分泌学会甲状腺サテライトシンポジウム(2010年3月)
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
-