文献情報
文献番号
200936251A
報告書区分
総括
研究課題名
成人における慢性好中球減少症(周期性好中球減少症、慢性本態性好中球減少症、自己免疫性好中球減少症など)に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-196
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
千葉 滋(筑波大学 大学院人間総合科学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 永井 正(自治医科大学 医学部)
- 福島 敬(筑波大学 大学院人間総合科学研究科 )
- 米野 琢哉(水戸医療センター 臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
慢性好中球減少症に関し、小児期の調査は行われてきたが、成人後は調査が行われたことがなく、実態は不明である。そこで、成人の慢性好中球減少症のわが国における疫学、診断状況、および治療実態を把握し、世界的な研究状況に照らしながら疾患概念を整理しつつ診断指針を作成し、さらに治療指針の作成をめざすことを目的とした。すなわち、臨床調調査票を作成してアンケート調査を行い、各疾患の頻度、診断実態、治療実体について把握し、また好中球減少症の原因遺伝子としてもっとも頻度が高いELA2遺伝子の変異解析も進めることとした。一方、倫理審査の支援基盤構築も目的とした。
研究方法
小児診療施設と成人診療施設に分けて調査票を作成し、患者概数把握のため1次調査を行った。今後、一次調査に基づいて2次調査を行い、詳しい実態を把握する。一方、施設倫理委員会における倫理審査サポート基盤構築のため、倫理審査についての先行研究を医中誌WEBおよびJDreamIIのデータベースを元にレビューした。
結果と考察
国内の日本血液学会研修施設(493施設)、日本小児血液学会登録施設(202施設)、日本血液学会代議員(793名)に一次調査票を送付し、20歳以上の慢性好中球減少症患者の概数把握のため一次調査を行った。対象は、好中球数<1500/μlが2回以上の症例で、薬剤性好中球減少例、抗がん剤投与例、感染症、自己免疫疾患、脾機能亢進症、造血器腫瘍、貧血・血小板減少を伴う症例、固形腫瘍骨髄浸潤例などは除外した。有効回答数は482であり、113名の慢性好中球減少症が存在すると回答が得られた。今回抽出された113名の内訳は今後の調査結果を待つ必要があるが、軽症例は捉えられていない可能性が高く、軽症例抽出のためにはアンケート方法を再検討する必要がある。逆に、100例以上症例の多くが重症例とすれば、抽出された意義は大きいと考えられる。二次調査によって実態把握が進むことが期待される。
結論
我が国おける成人の慢性好中球減少症の実態を把握するための調査を開始し、合わせて倫理審査支援の基盤構築のための実態調査を開始した。
公開日・更新日
公開日
2010-06-17
更新日
-