慢性特発性偽性腸閉塞症(CIIP)の我が国における疫学・診断・治療の実態調査

文献情報

文献番号
200936243A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性特発性偽性腸閉塞症(CIIP)の我が国における疫学・診断・治療の実態調査
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-188
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中島 淳(横浜市立大学)
研究分担者(所属機関)
  • 本郷 道夫(東北大学)
  • 藤本 一眞(佐賀大学)
  • 大和 滋(国立精神・神経センター国府台病院)
  • 正木 忠彦(杏林大学)
  • 松橋 信行(NTT東日本関東病院)
  • 佐藤 元(東京大学)
  • 稲森 正彦(横浜市立大学)
  • 杉原 健一(東京医科歯科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定疾患(いわゆる“難病”)と定義される疾患の大部分は原因不明であり、原因療法ができない。偽性腸閉塞症は、腸管の運動が障害されることにより、機械的な閉塞機転がないにもかかわらず腸閉塞症状を引き起こす疾患である。その病態については未解明な部分も多く、診断、治療法も確立していない。これらを明らかにすることで、発症の予防あるいは効果的な治療法の開発に結び付けることを目的としてきた。
今年度は、本疾患概念(分類など)の確立と本邦初の診断基準案作成(本郷)、海外での当該疾患の状況の文献的調査解析(松橋)、当該疾患の本邦における状況の文献的調査(大和)、当該疾患の本邦における疫学調査(佐藤)、当該疾患の内科的診断治療の現状調査(藤本)、当該疾患の外科的現状調査(正木)、今回の調査から本疾患の治療法のアルゴリズム提案(稲森)、当該疾患の海外での治療法の調査(中島)につき調査を行った。
研究方法
まず和文、欧文の慢性偽性腸閉塞症(CIP)に関する文献の解析による病態の検討を行った。また、本邦における疾患の認知度を調査すべく内科系は日本消化器病学会、日本大腸肛門病学会の施設に対してアンケート用紙を送付し記入を依頼した。返送されたものを集計、解析した。
結果と考察
今回は主に、本邦におけるCIPの概念の普及状況や実態の把握、また本邦、海外における文献的調査解析を行うことができた。本疾患概念は本邦でも比較的認知されていた。調査結果から、本邦では続発性に比し特発性(原発性)が多く、治療は薬物治療が多く行われていた。実際の病態については未解明な部分が多く、現時点では、手術療法を含め、対症的な治療にとどまっている。
結論
CIPに関しての診断各種薬物療法や、手術時の病理学的なアプローチ等、今後更に症例を重ねていけば病態解明につながる可能性が示唆される。それに際し、効率の良い検討が可能なように、疾患概念の普及や現時点における知見の整理は必要であり、今回の全国的な調査、研究報告は有効であったと考える。

公開日・更新日

公開日
2010-06-14
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200936243C

成果

専門的・学術的観点からの成果
国内外の文献的報告を系統的にまとめることが出来た.
診断基準を作成し,主要施設にアンケートを行い,臨床実態について把握することができた.
臨床的観点からの成果
偽性腸閉塞の疾患概念の啓蒙をアンケートを通じて行う事が出来た.
診療実態,診断から治療までの大まかな傾向をつかむことができた.
ガイドライン等の開発
診断基準を提示することが出来た.
病期分類,診療アルゴリズムを提案するに至った.
その他行政的観点からの成果
診断がつくまでに長期間かかることが明らかになり,診断基準の策定と疾患概念の啓蒙により早期診断が可能になれば,診療効率の適正化と医療費の削減が可能になると予想される.
その他のインパクト
今回の調査についてホームページを立ち上げたところ,反響が大きく,数名の新規受診患者が来院された.2011年度の消化器系の学会にてシンポジウム開催を目指している.

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
-