Congenital dyserythropoietic anemia(CDA)の効果的診断法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200936233A
報告書区分
総括
研究課題名
Congenital dyserythropoietic anemia(CDA)の効果的診断法の確立に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-178
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
真部 淳(財団法人 聖路加国際病院)
研究分担者(所属機関)
  • 小島 勢二(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 小原 明(東邦大学医学部輸血部)
  • 多賀 崇(滋賀医科大学小児科)
  • 渡邉 健一郎(京都大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、小児血液学会の中央診断と疾患登録事業による予後等の追跡調査ならびに患者検体の遺伝子検索を行い、日本におけるCongenital dyserythropoietic anemia(CDA)の全体像を把握することを目的とする。
研究方法
平成21年度に先天性骨髄不全症候群を担当する4班による合同一次調査を行った。先天性赤芽球癆(Diamond Blackfan貧血)(研究代表者:弘前大学小児科 伊藤悦朗)先天性角化不全症(研究代表者:名古屋大学小児科学 小島勢二)遺伝性鉄芽球性貧血(研究代表者:東北大学血液・免疫病学 張替秀郎)と当研究班から成る4班が合同でアンケートを作成し、全国の小児科専門医研修施設(520施設)、小児血液学会評議員(150名)、大学病院皮膚科(125大学)を対象に2000年1月以降の症例について後方視的調査を行った。
 上記と並行して、二次調査表の作成ならびにI型およびII型における遺伝子検索の系を確立した。
結果と考察
2009年11月にアンケートを発送し、2010年1月末までに69%の施設から回答が得られ、Diamond- Blackfan anemiaが132例、先天性角化不全症が34例、遺伝性鉄芽球性貧血が5例、CDAが17 例把握された。今後、各研究班に分かれてこれらの症例の二次調査ならびに遺伝子診断を進められている。
 CDAの二次調査については、2010年2月に研究代表者の所属する聖路加国際病院の臨床研究審査委員会の承認が得られ、現在患者を診療している施設において担当医を介して二次調査が行われている。遺伝子診断については、名古屋大学においてType IとType IIのアッセイ系が確立し、2010年1月に同大の研究審査委員会の承認を得られた。実際の患者検体を用いた検索が始まっている。
結論
本研究により本邦におけるCDA症例が確実に把握され、またCDAの診断基準および治療指針の作成が可能になると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2010-04-23
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200936233C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本邦では1999年から小児血液学会のMDS委員会において、骨髄異形成症候群(MDS)など診断困難な血液疾患が疑われる症例に対して前方視的に発症時の中央診断が行われている。2009年2月までに600例以上の登録があり、稀な血液疾患が高い精度で診断されるようになった。今回の調査結果と合わせることによりCDAの疫学研究が一気に進展するとこが期待される。
臨床的観点からの成果
全国の小児科専門医研修施設(520施設)、小児血液学会評議員(150名)、大学病院皮膚科(125大学)を対象に2000年1月以降の症例について後方視的調査を行った。2009年11月にアンケートを発送し、2010年1月末までに69%の施設から回答が得られ、CDAが17 例把握された。今後、これらの症例の二次調査ならびに遺伝子診断を進められることにより、CDAの臨床像が明らかになることが期待される。
ガイドライン等の開発
今後は本研究の成果を踏まえて、日本小児血液学会の中央診断および疾患登録事業の一環として、本疾患が包括的に登録されるとともにすべての疑い症例において、新たに確立された遺伝子検査が行われる。それらの結果をまとめることにより、最終的には治療ガイドライン作成に必要な根拠が蓄積されることが期待される。
その他行政的観点からの成果
 本疾患が包括的に登録されるとともにすべての疑い症例において、新たに確立された遺伝子検査が行われる予定であり、最終的には希少難治性疾患の取り扱いが決定されると思われる。
その他のインパクト
本研究の成果と小児血液学会の中央診断と疾患登録事業による予後等の追跡調査ならびに患者検体の遺伝子検索を行うことにより、日本におけるCDAの全体像が明らかになる。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
2016-06-20