文献情報
文献番号
200936231A
報告書区分
総括
研究課題名
若年性特発性関節炎の遺伝的要因の実態
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-176
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
松本 直通(横浜市立大学)
研究分担者(所属機関)
- 横田 俊平(横浜市立大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis, JIA)は、16歳未満で発症する関節を主病変とする慢性炎症性疾患で、その原因は未解明である。本研究はJIAの遺伝的原因を解明するため、全ゲノムアレー解析を行い異常CNV領域から候補責任遺伝子を同定することを目的とした。
研究方法
I.症例集積:全身型JIA 50例を解析対象とし集積する。
II.遺伝子XのJIAにおける寄与度を明らかにする:全身型JIA 50例を対象に高密度オリゴDNAアレーを用いた全ゲノムCNV解析を開始し遺伝子Xの13 Kbにわたる遺伝子内欠失を同定した(未発表データ)。本遺伝子Xの全身型JIA症例50例における変異解析を行う。
III.候補遺伝子アプローチ:遺伝子Xに機能的関連する遺伝子Yの変異解析を行う。
IV.アレーによる全ゲノム微細構造異常解析:高解像度アレーを用いて全ゲノム微細構造異常解析を行う。
V.関連・責任遺伝子異常とJIAの臨床病型の比較検討:本研究で明らかになった各関連遺伝子型とJIA症例の詳細な臨床情報を分析する。
II.遺伝子XのJIAにおける寄与度を明らかにする:全身型JIA 50例を対象に高密度オリゴDNAアレーを用いた全ゲノムCNV解析を開始し遺伝子Xの13 Kbにわたる遺伝子内欠失を同定した(未発表データ)。本遺伝子Xの全身型JIA症例50例における変異解析を行う。
III.候補遺伝子アプローチ:遺伝子Xに機能的関連する遺伝子Yの変異解析を行う。
IV.アレーによる全ゲノム微細構造異常解析:高解像度アレーを用いて全ゲノム微細構造異常解析を行う。
V.関連・責任遺伝子異常とJIAの臨床病型の比較検討:本研究で明らかになった各関連遺伝子型とJIA症例の詳細な臨床情報を分析する。
結果と考察
I.症例集積と細胞株化:JIA50例の末梢血採取が完了した。
II.遺伝子Xの解析:集積した49例を対象にHRM法を用いて遺伝子Xの変異解析を行ったが、変異は同定されなかった。
III.候補遺伝子アプローチ:遺伝子Xに機能的に関連するY遺伝子を候補として、IIと同様にHRM法を用いて変異解析を行ったが、病的な変異は同定されなかった。
IV.アレーによる全ゲノム微細構造異常解析:全身型JIA50例を対象に全ゲノムレベルの染色体微細構造異常解析を行い詳細について検討中である。この過程で1例に両親には認めない約700Kbのde novo重複の同定に成功した。
II.遺伝子Xの解析:集積した49例を対象にHRM法を用いて遺伝子Xの変異解析を行ったが、変異は同定されなかった。
III.候補遺伝子アプローチ:遺伝子Xに機能的に関連するY遺伝子を候補として、IIと同様にHRM法を用いて変異解析を行ったが、病的な変異は同定されなかった。
IV.アレーによる全ゲノム微細構造異常解析:全身型JIA50例を対象に全ゲノムレベルの染色体微細構造異常解析を行い詳細について検討中である。この過程で1例に両親には認めない約700Kbのde novo重複の同定に成功した。
結論
当初有力な候補遺伝子と想定された遺伝子Xの欠失や変異は最終的には解析した50例の全身型JIAのうち1例にのみ認められる異常で全身型JIAを広く説明する責任遺伝子である可能性は低い。しかし全ゲノムアレー解析を通して新たに700Kbのde novo重複を同定しこの領域中に30個の責任候補遺伝子が存在し今後の解析が進行中である。
公開日・更新日
公開日
2010-04-12
更新日
-