難治性疾患克服のための難病研究資源バンク開発研究

文献情報

文献番号
200936221A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性疾患克服のための難病研究資源バンク開発研究
課題番号
H21-難治・一般-166
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
亀岡 洋祐(独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部 遺伝子資源研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 梅澤 明弘(国立成育医療センター研究所 生殖・細胞医療研究部)
  • 横出 正之(京都大学医学部附属病院 探索医療センター探索医療臨床部)
  • 増井 徹(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部政策倫理研究室)
  • 野村 大成(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部疾患モデル小動物研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
104,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性疾患等の希少疾患の克服研究には多数の症例試料を必要とし患者試料等の集中化が必要である。このような希少疾患試料を経年蓄積収集し集中保存管理し、研究者に提供することで統計的に有意な研究が可能となり疾患克服研究を推進することができる。
本研究の目的は難治性疾患試料の研究資源バンクである「難病研究資源バンク」を設立するための問題点を明らかにし、難病研究資源バンクの具体的なシステム構築を検討することによって、難治性疾患克服研究の推進に貢献することにある。
研究方法
難病研究資源バンクへの試料の寄託に関するアンケート調査を収集研究班を対象に行い、試料収集の目途を推定する。疾患の性質により生体試料は多種類であるが、基本は血液などから得られる細胞・血漿・DNA試料の基本操作方法や自動システム、凍結保存のための、2次元バーコード(2Dチューブ)システムによる管理を考案構築、電子制御によりヒューマンエラーを最小化する。事業の特徴として倫理問題などの社会的法的問題が存在しており、医学研究倫理の専門家を加え難病バンク専任の委員会を組織し対応する。
結果と考察
アンケート調査から1)試料の種類は多岐に及ぶがDNAの割合は高い、2)半数が臨床検査時に試料収集、3)既存収集試料のIC取得の状況は半数、4)1/3弱がゲノム解析を目的、5)半数が研究班内の利用と共同研究利用に限定、といった内容であった。調査、昨年9月の事業説明会、収集担当者への訪問調査により、患者試料収集に係る問題点を明確にした。事業においては、倫理的問題など社会的課題の克服のため、医学倫理問題専門家を加え難病バンク専任委員会を組織し、寄託要請2件の受入倫理審査を受けた。試料の基本操作方法の考案策定や、2Dチューブ保管管理システムを考案構築し、資料の保管管理に備えた。
結論
本研究事業の目的は患者試料を集中化して品質管理を行う「難病研究資源バンク」を創設し、統合的管理・支援体制を整備して、品質管理された試料を公平に基礎研究機関に提供し、難治性疾患克服研究のより一層の効率的推進を図ることにある。アンケートなどの調査により患者試料収集に係る問題点を明確にし、とりわけ倫理問題について専属委員会を設置、審理を受けた。患者試料を適正確実に処理・検査・保管管理システムの構築を行った。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-