文献情報
文献番号
200936214A
報告書区分
総括
研究課題名
ミクリッツ病およびIgG4関連疾患の病態解析
課題番号
H21-難治・一般-159
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
苗代 康可(札幌医科大学 医療人育成センター 教育開発研究部門)
研究分担者(所属機関)
- 高橋裕樹(札幌医科大学 内科学第一講座)
- 山本元久(札幌医科大学 内科学第一講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ミクリッツ病や自己免疫性膵炎をはじめとした、IgG4関連疾患(IgG4-related plasmacytic diseases)の病態を分子レベルで解明し、診断基準および診断・治療法を確立する。
研究方法
ミクリッツ病患者治療前後の血液から、核酸および、たんぱく質の発現プロファイリングをDNAアレイや質量分析器をもちいて包括的に比較する。治療前後で発現変化のみられた分子はIgG4関連疾患患者、シェーグレン症候群患者と健常人ボランティアにおける発現も検討し疾患特異性を確認する。
結果と考察
DNAアレイ解析では治療後発現減少(1/2以下)する32分子を同定した。うち4分子は3症例全てにおいて治療後発現減少していた。また治療後増加(2倍以上)する分子も16分子同定した。これらの分子にはアレルギー関連分子が多く含まれていた。また質量分析解析ではミクリッツ病治療前血清にのみ見られるたんぱく質ピークを検出しており(Proteomics analysis in 28 patients with systemic IgG4-related plasmacytic syndrome. Yamamoto らRheumatol Int. 2010 Feb;30(4):565-8. )、診断マーカーとしての期待がもたれる。
結論
病態に関して:現段階ではアレルギーの関与が示唆されるものの、発病に関して原因となる分子や発病の機序は明らかになっていない。また、この疾患の特徴であるIgG4の病態形成への関与について明らかにする必要がある。以上の問題点を解決するため引き続きアレイ解析、質量分析による解析を継続発展させる必要がある。
診断に関して:より多くの患者が専門施設以外においても診断可能となるような診断キットの開発が必要でありIgG4以外の診断マーカー、重症度マーカーを同定する必要がある。
疫学に関して:解析により全国均一に症例が報告されていることが判明し、かなりの数の症例が、この疾患の認識が乏しいために見過ごされている可能性が示唆された。今後世界的な規模での大規模疫学調査によって世界的な分布、有病率等を明らかにしていく必要がある。
診断に関して:より多くの患者が専門施設以外においても診断可能となるような診断キットの開発が必要でありIgG4以外の診断マーカー、重症度マーカーを同定する必要がある。
疫学に関して:解析により全国均一に症例が報告されていることが判明し、かなりの数の症例が、この疾患の認識が乏しいために見過ごされている可能性が示唆された。今後世界的な規模での大規模疫学調査によって世界的な分布、有病率等を明らかにしていく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2010-06-14
更新日
-