文献情報
文献番号
200936212A
報告書区分
総括
研究課題名
リポジストロフィーとミオパチーを合併する新規遺伝性疾患についての疾患概念の確立と治療法の開発に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-157
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
林 由起子(国立精神・神経センター 神経研究所疾病研究第一部)
研究分担者(所属機関)
- 西野 一三(国立精神・神経センター 神経研究所疾病研究第一部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
カベオラ構成タンパク質PTRFの欠損による新規遺伝性疾患‘キャビノパチー’について全国規模の調査を行い、その頻度と臨床的特徴を明らかにするとともに、本疾患の病態解明およびカベオラの細胞生物学的機能に迫ることを目的とした。
研究方法
日本糖尿病学会、日本神経学会、日本小児神経学会の会員、日本小児科学会研修指定施設への郵送、日本小児内分泌代謝学会ホームページへの掲載、日本内科学会専門医会メーリングリストの利用により約25,000人を対象に全国アンケート調査を行い、その結果、第二次、第三次アンケート調査の実施と結果の解析を行った。
臨床的に本疾患の疑われる症例については、PTRF変異の有無を解析した。
またキャビンファミリータンパク質および代謝関連分子の発現解析を患者骨格筋、マウス骨格筋および培養細胞を用いて行った。
臨床的に本疾患の疑われる症例については、PTRF変異の有無を解析した。
またキャビンファミリータンパク質および代謝関連分子の発現解析を患者骨格筋、マウス骨格筋および培養細胞を用いて行った。
結果と考察
第一次アンケート調査の結果、本疾患の臨床的特徴を呈する947件について第二次アンケート調査を、さらに本症を考慮する必要のある22件について、第三次アンケート調査を行った。
その結果、新たに3例を見いだした。
また、海外からも15例の報告がなされ、筋ジストロフィーとリポジストロフィーの他、平滑筋障害、関節異常、ホルモン異常、易感染性、不整脈を高率に認め、突然死がしばしば認められることを明らかにした。
本疾患は稀な疾患であるが、アンケート調査を幅広く行うことによって、本疾患の存在についての理解を深めることが可能となった。
現在、キャビンファミリータンパク質と代謝関連分子の骨格筋における発現および疾患との関連について研究を進めている。
病態の解明、治療法の開発には、継続的な臨床情報の集積に努めるとともに、基礎医学的見地からの取り組みを継続する必要がある。
その結果、新たに3例を見いだした。
また、海外からも15例の報告がなされ、筋ジストロフィーとリポジストロフィーの他、平滑筋障害、関節異常、ホルモン異常、易感染性、不整脈を高率に認め、突然死がしばしば認められることを明らかにした。
本疾患は稀な疾患であるが、アンケート調査を幅広く行うことによって、本疾患の存在についての理解を深めることが可能となった。
現在、キャビンファミリータンパク質と代謝関連分子の骨格筋における発現および疾患との関連について研究を進めている。
病態の解明、治療法の開発には、継続的な臨床情報の集積に努めるとともに、基礎医学的見地からの取り組みを継続する必要がある。
結論
リポジストロフィーと筋ジストロフィーを合併するキャビノパチーは稀な疾患であるが、臨床的重症度や多彩な合併症を考慮すると、社会医学的に極めて重要な疾患である。
今後も症例の集積を積極的に進めていくことで、診断基準を確立する。
また、細胞生物学的に重要な役割を担っているカベオラの機能について、さらなる知見を積み重ねていく必要である。
今後も症例の集積を積極的に進めていくことで、診断基準を確立する。
また、細胞生物学的に重要な役割を担っているカベオラの機能について、さらなる知見を積み重ねていく必要である。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
-