シャルコー・マリー・トゥース病の診断・治療・ケアに関する研究

文献情報

文献番号
200936210A
報告書区分
総括
研究課題名
シャルコー・マリー・トゥース病の診断・治療・ケアに関する研究
課題番号
H21-難治・一般-155
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中川 正法(京都府立医科大学 大学院・医学研究科・神経内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 早坂 清(山形大学医学部・小児科)
  • 蜂須賀 研二(産業医科大学医学部・リハビリテーション医学)
  • 山下 敏彦(札幌医科大学・医学部・整形外科)
  • 滋賀 健介(京都府立医科大学大学院・神経内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国においてシャルコー・マリー・トゥース(Charcot-Marie-Tooth)病(CMT)の遺伝子診断に関しては大きな進展が見られている。しかし、CMTの研究・治療に関する情報が医療関係者、CMT患者に普及していると言い難い。本研究の目的は、神経内科医、整形外科医、リハビリテーション医およびCMT患者会と協力して、CMT患者の診断、治療、療養環境の整備、CMT研究状況などの情報を速やかに共有化するシステムを構築することである。
研究方法
①CMT患者の診療実態調査:全国の神経内科・小児科・リハビリテーション科の教育関連施設、足の外科学会関連施設に手紙によるアンケート調査を行う。②ホームページの作成。③市民公開講座。④CMT診療マニュアルの作成。⑤CMTの治療法の開発・分子疫学:「難治性ニュ-ロパチ-班」、「ニュ-ロパチ-の病態解明に関する研究」と連携して行う。⑥CMT相談活動。
結果と考察
CMT患者の診療実態調査では879施設から有効回答があり、540人(男性54%)のCMT患者が244施設で診療されていた。患者数は年齢とともに増加していた。CMT患者の31%が短下肢装具を使用し、2割近くの患者が車椅子を使用していた。呼吸補助を受けている患者は1.1%であった。診療間隔は平均3.7カ月/回であった。本研究班のホームページ(http://www.cmt-japan.com/index.html)を作成した。平成22年2月に東京で市民公開講座を開催し、CMT患者・家族が50名以上参加した。CMT診療マニュアルを作成し、CMT患者診療施設を掲載した。CMT1Aに対するアスコルビン酸の安全性・有効性に関するランダム化多施設オープン試験を行った。一次エンドポイントの運動障害度に有意な改善を認めなかったが、右握力の改善傾向が認められた(p=0.028)。CMTの分子疫学はCMT遺伝子診断DNAチップを用いて行った。「CMT友の会」の交流会に参加し患者・家族との相談活動を行った。
結論
本研究は、神経内科医、整形外科医、リハビリテーション医、CMT患者会と協力で行われており、CMT患者の診療環境の向上に大きく寄与すると考える。また、「難治性ニュ-ロパチ-班」、「ニュ-ロパチ-の病態解明に関する研究」と連携して行うことでわが国のCMT分子疫学を明らかに出来ると考える。

公開日・更新日

公開日
2010-04-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200936210C

成果

専門的・学術的観点からの成果
シャルコー・マリー・トゥース(Charcot-Marie-Tooth:CMT)病の治療、ケアに関する研究、療養環境、最新医療技術などに関する情報を速やかに医療関係者、CMT患者に知らせるシステムづくりを主な目的として研究を行った。CMTの分子疫学に関しては、「ニュ-ロパチ-の病態解明に関する研究(高嶋博班長)」と連携して行った。本研究により、CMT研究の発展とCMT患者の診療環境の向上に寄与したと考える。
臨床的観点からの成果
CMT患者の現状に関するアンケート調査、ホームページの作成、市民公開講座、診断・治療・療養マニュアルの作成、分子疫学、相談活動に取り組んだ。実態調査では540人(男性53.7%)のCMT患者が244施設で診療されていた。ADLに関しては、58%が杖なし歩行、22%が杖歩行、19%が車椅子使用、1%が寝たきりであった。CMT患者の31.4%が短下肢装具、1.3%が長下肢装具を使用していた。呼吸補助を受けている患者は1.1%であった。診療間隔は平均3.69カ月/回であった。
ガイドライン等の開発
研究分担者、研究協力者と分担して作成した。CMTの患者を少なくとも1人以上診療されている施設、あるいは大学病院神経内科・小児科関連施設で、本マニュアルへの記載に同意いただいた施設のリストを掲載した。
その他行政的観点からの成果
本研究班のホームページ(http://www.cmt-japan.com/index.html)を作成し情報の公開を行った。
その他のインパクト
平成22年2月21日(日)に東京ステーションコンファレンス6階605号室で公開講座を開催した。CMT患者家族50名以上の参加を得た。

本研究の一部を国立精神・神経センター主催の平成21年度神経班市民公開講座(平成22年2月6日(土) 新宿住友ホール)にて発表した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
日本末梢神経学会 
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
シャルコー・マリー・トゥース病診療マニュアルを刊行した。 シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)市民公開講座を平成22年2月21日(日)に東京ステーションコンファレンスで行った。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
2016-06-20